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D type

120万円(税抜)

ライフは雑誌での評価が非常に高い。小型車並みの上質感があるというが、それが次の母親の草履にふさわしいかどうかちょっと見てみた。

室内スペースはかなリ広い。運転席でポジションを決めて後席に移ってみると、膝前には十分すぎる余裕があった。全長がわずか3.4mのクルマで4人の乗員に広々とした空間を提供できるというのは、今更ながら軽自動車の凄いところだと思う。

荷室は床面の奥行が50cm弱あり、なかなか広い。後席の背もたれは2分割で前に倒すことができ、さらに前の下の方へ落とし込むことができる。それによってフラットな広い荷室が出来上がる。良くできたものである。

2分割で背もたれを動かすことができる後席は、通常の位置から前後にリクライニングを可能とする。走行中に大きく後傾させるのは良くないが、使い勝手は良さそうである。

シフトレバーはインパネに存在する。ワゴンRムーヴではコラムシフトで、操作がしにくいのであるが、ライフは普通のクルマと同じように操作できるのが良い。足踏み式駐車ブレーキは好みではないが、場所を有効に使うためには仕方がないのかもしれない。左足ブレーキングをするときには気をつけないと引っ掛かってしまう。

計器は二眼式で、大きいスピードメーターと液晶表示が存在する。液晶表示ではエンジン回転、燃費(瞬間&累積)、距離計、整備時期など様々な情報を選択することができる。軽自動車でこれだけのものを備えているということは驚きである。

エンジン冷却水温度の低温警告灯が消えたので動き出してみると、ステアリングのフィーリングがとても自然で心地良いことに感心した。重さが適切で、電動式に特有と思われていた違和感が全然なかった。VitzTIIDAのパワステの不自然さはいったい何なのだろう。ライフの上質感というのがひとつ理解できた。

スロットルを開いていくと、エンジン音がマイルドで、ATの変速ショックも小さく、とても上質に躾けられていると感じた。

試乗コースは路面がかなり荒れていたのであるが、乗り心地はとても快適、軽快で、軽自動車に乗っている気がしなかった。

市場ではワゴンRにまったく歯が立たない状態が続いているが、クルマの出来具合は雲泥の差がある。どうして多くの人は質感の低いワゴンRをわざわざ選ぶのだろう。ワゴンRは3代目になった今でも、先駆者としての鮮烈なイメージが強く残っているのだろうか。

今回は低速度での試乗であったが、軽自動車の使い方の大部分は近所の街乗りであることから、この状況で良否を判断してもよいと思っている。とにかくライフは予想以上に良く出来ており、このカテゴリ(ボンネットバン)ではトップの出来であり、2位を争うムーヴよりも走りの質感は高い。

軽自動車を買おうとする人には、「基準」として是非一度試乗してもらいたいモデルである。

 

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