----------------------------------------------------------------------------

サーキット走行

カプチーノインプレッサに続きBL5レガシィでもサーキットをノーマル状態で走って改善すべき点を見つける作業を実施した。

ノーマルではない部分としてはホイール&タイヤが挙げられるが、これらはGDAインプレッサ純正の17インチであり、Spec.B以外のレガシィ純正と同様であるため、クルマの素性を曲げるようなことにはならないはずだ。また、エンジン油ミッション油デフ油ブレーキ液は純正品ではないが、これらのノーマル状態の限界を知る必要はないため、あらかじめ変更している。

アタックレーシングのDRUG 1を日頃から使っているため、ブレーキローターの減りやブレーキパッドの粉の発生は少ないように見える。ただ、私はこれまでスポーツパッドを常用していたため、ノーマルパッドの性質(ローター攻撃性、ダスト量)をよく知らない。したがって、DRUG 1の効果がどれぐらい発揮されているのか明言できない。

そこで、サーキットでの高負荷下で効果を確かめるべく、走行前にローター両面にたっぷり塗っておき、テストをした。

【結果】

走行後のローターには筋はほとんど見られず、摩擦面の状態は良かった。ホイールに付着するダストも少なかった。

付属の筆でローターに塗るだけ。

ノーマルパッドは「利かない」というのが定石であったが、BL5の17インチホイール用のブレーキは制動力にあまり不足を感じなかったので、高温の限界を試してみたくなったのである。

【結果】

フロントの利きが強く、リアはあまり仕事をしていない。ハードブレーキングを繰り返すと早期にペダルタッチが柔らかくなり、フェードの兆しを感じた。ブレーキバランスが悪いため、フロントの負担が重 くなり過ぎるのだ。左前パッドから煙が出たが、蒸発する成分を飛ばした後の性能がいかなるものかは未確認である。

フロントパッドばかり仕事をしているが、表面の変質はなく、減りはほとんど見られなかった。


ノーマルパッド(フロント)

取り外したついでに左右のローテーションを実施した。

過去のサーキット走行では、走行後のブレーキ液は変色していて、キャリパ内の液は即交換というのが常識であった。まあそれは30分間連続走行という過酷な条件ではあったが。

【結果】

今回、BF4のブレーキ液を入れて臨んだが、フロントキャリパから抜いた液はなんら問題がないように見えた。

ブレーキが冷える暇がないショートコースではあったものの、連続走行は5分ぐらいであったため、キャリパはあまり熱くならなかったのだろう。

2006年製造のRE050(17インチ)のトレッドゴムは、同じ年の少し遅い時期に作られたレガシィ純正RE050(18インチ)よりも手で触った感触では硬くなっていた。減り具合が違うので正確なものではないが、グリップ力がどれぐらい発揮されるのか気になるものであった。

冷間時の内圧はフロント2.5、リア2.3とした。これを初期値にして、走行時の熱い状態でフロントの内圧を変更してグリップ感の変化を確かめるつもりでいた。

【結果】初期設定の状態で走ると、ブレーキングではキュキュと音を鳴らしたが、横には音もなく滑り、少しグリップ力が低いと思われた。そこで温間時の内圧を2.85から2.7に下げた。

フロント2.7で走り始めると、いきなりタイヤがブリブリといいながら横に滑った。明らかに剛性不足でたわんでいると感じられたので、2.9に加圧。それ以上の高圧は試さなかった。

RE050はトータルバランスの高いタイヤという謳い文句のとおり、グリップ力は高くなく、減りは少なかった。溶けたゴムが表面に付いていたが、それは他のタイヤのもののようであり、洗うとすぐに剥がれた。

------------------

走行後のフロントタイヤ:接地面はきれいなまま。タイヤのグリップ力とサスペンション設定は合っているといえる。

走行後のリアタイヤ:負担が少なかったので、ほとんど減っていない。

フロントホイール:ブレーキダストが付いているが、量は少なく、洗うとすぐに落ちた。

リアホイール:ブレーキダストは微少。内側にゴムのカスが付いているが、他車のものだろう。

サーキットを走ってみて、改善すべきポイントが明確になった。

まずはブレーキパッドの交換を要する。高温に耐えられる性能と前後バランス調整が必須である。

次に、シートを交換したい。クッションが柔らかすぎることで変形し、体を支えてくれないのは困る。現状ではステアリングホイールも体を支える部品になってしまっており、テールスライドが起こったときに対処できない。

また、速く走ろうと思うとタイヤを替えなくてはならない。ただし、タイヤを替えるとサスペンションも替える必要が出てくるため、低レベルで楽しむ場合にはブレーキパッドとシートの交換だけで良さそうである。

その他の新たな知見は次のとおり。

  • エンジンの許容最高回転数は7500rpmだが、7000rpmを超えると、それまでの勢いが急速になくなる。スロットルを自動的に絞ってレブリミッタに当たるのを防いでいるのだろう。

  • ターボのレスポンスはインプレッサ(GC8)と比べて明らかに良くなっており、圧縮比の高さ(9.4)、小さいチタンターボ、可変バルブタイミングなどの新しい装備が効いていると思われる。

  • コーナーリング中の姿勢はなかなかのもので、スロットルを開けると回り込むような動きも見られた。タイトターン以外ではアンダーステアに悩むことは少ないかもしれない。

戻る

 

inserted by FC2 system