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ブレーキパッド交換

1台分 11,000円

【耐熱性の低いノーマルパッドに代わるものを求めて】

ノーマルパッド(日立)でサーキットを試走すると、高熱によってフェード現象がフロントに発生したので、高温に耐えるパッドが必要になった。

600℃まで対応するという安いパッド、EXTRA Speed(ES)はノーマルよりは耐熱性が高いと思われる。

サーキットで使うには700℃ぐらいまで対応する製品のほうが安心できるのだが、多量のダストに困った過去の経験から、ダストを低減したパッドで何とかならないかと考えてしまったのである。

DIXCELというブランドは、昔あった「AP Lockheed」の流れを汲んでいる。Lockheedのパッドは価格に見合わず品質がとても悪かったので、私は少し躊躇した が、もうあれから10年も経っているし、摩材はノンスチールなので、それ自体が錆びて剥離するようなこともないだろうと思って選択した(Lockheedの「SX」は良かったので、 現在のDIXCELはそういう類のパッドを作っていると期待した)

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3万kmほど使った純正ブレーキローターの表面はまだまだきれいであったので、洗浄もペーパー掛けもせず、そのままパッドだけを入れ替えた( 外したノーマルパッド摩材残量は9mm:新品は11mm)。

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取り敢えず交換後に当たり付けのため40kmほど走らせてみると、そのタッチは柔らかいものであり、軽い踏力での制動力の立ち上がりはノーマルよりもややマイルドであった 。穏やかな走行環境では何とかなる。馴染むとどうなるだろう。

周囲に注意を払わない莫迦ドライバーのせいで 強いブレーキングを強いられる場面では、タッチが曖昧で、ペダルがドンドン奥に入っていき、無理ができないと判明した。03NOV2011

【パッドとローターを馴染ませる】

サーキットを走るまでにパッドとローターを馴染ませておく必要があるので、しばらく穏やかにブレーキングするようにしてきた。

段々とペダルストロークが少なくなり、強めのブレーキング時にタッチが出るようになった。これから徐々に熱を入れていこうと思っている。

週末のドライブから戻ってからホイール(前輪)に付着するダストの量を確かめると(左の写真)、明らかにノーマルパッドよりダストが多いことが判る。何倍とは言いにくいが、ノーマルなら長距離でもこんなに付着し たことがないので、10倍と言っても過言ではないだろう(現在、装着から234km走行)

ところで、DIXCELのホームページでは、「ES」はノーマルパッドと比してダストが少ないと宣伝されている。↓↓↓

http://www.dixcel.co.jp/pad/pad_es.html

あまり信じてはいなかったが、それにしても予想以上のダスト量である。まあ「ノーマルパッド」といっても色々あるので、例えばインプレッサSTIのノーマル品 (brembo)と比べればダストは低減されていて、宣伝どおりの商品に仕上がっているのかもしれない。

騙しの手口としては一般的なものなので、特に文句は言わないことにしておこう。

ただ、宣伝の中に一点だけ気になる表現がなされている。チャートは熱履歴後の評価を示すというのだ。新品時は焼き入れをした表面が荒れているので、ダストが出やすいの かもしれない。サーキット走行後に再びダスト量を確認してみよう。13NOV2011

【話が違う!】

しばらくホイールを洗わなかったら、こんなことになってしまった。 ダストが少ないと書いてあったはずだが・・・

また、サーキットで使うと、その耐熱性の低さが露呈した。

これらの事実から、EXTRA Speedは従来の安物スポーツパッド(5000円パッド)を下回る低レベルの製品であることが分かった。

1台分を11,000円で買ったので、5000円パッドよりも高くついたじゃないか

画期的な製品だと思っていたのに、やはりそんな夢のような話はないものだ。また騙された。15JAN2012

【どこで使うべきなのか?】

雨天の中を走らせるとダストは水に流れていくと思われたが、あまりきれいにならなかった。やはり洗剤とこすり洗いが必要なのか。

サーキット走行で変質した「ES」を街乗りで使っていくうちに表面の変質部分が削られていったようだ。ようやくタッチが良くなってきた。

街乗りで何ら気を遣う必要がない点は「ES」の利点だが、ダスト量は褒められない。これではノーマルより優れているとはいえない(明らかに劣っている)。

この製品を見ると、ノーマルパッドというものが高度なバランスの上に成り立っていることが判る。多少のことではフェードせず、フェードして煙を出しても制動感は残っており、ダストはほとんど出ず、ほとんど減らない。 自動車メーカーに純正品として選ばれるというのは大変なことなのである。

街乗りユースのために、安くてダストが少なくてフィーリングが良い社外品というのはないのだろうか。

ちょっと希望が持てるのは、DIXCELのEXTRA Cruiseである。「EC」は「ES」よりも耐熱性を下げた製品で、「SX」ような性能なのかもしれない。「SX」の流れを汲む製品ならもう一度使ってみたいものだ。

すり減ったノーマルパッドの代替品(安価な製品)を探している人は、「EC」を試してみてもいいのではないかと思う。MAR2012

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【なんとか使えないものか】

長期間洗わず放っておいたところ、ホイールの表面のほとんどをダストが覆うようになってしまったので(上の写真よりひどい)、我慢しきれずに洗った。

まずは台所用洗剤とスポンジで洗ってみると、簡単にきれいになった。

ESは耐熱性が低く、ダストが多いという変梃りんなパッドだが、ノンスチール材であるので、汚れがこびりつかないという点では助かる。

街乗りでの利き具合は悪くないので、ダスト量には目をつぶって、この先も使ってやることにしようか。10JUN2012

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 DANGER! 使用中止 

DIXCELのESを街乗りでも使い続けてきたが、強いブレーキング時にフロントのロックタイミングがあまりにも早く、充分な制動力を得られないため、危険すぎると判断して使用を中止した。

リアブレーキが充分に利いていないため、フロントロックが早くなるのだが、そうなると全体の制動力が小さくなり、いざという時に制動距離が長くなってしまうのだ。

記憶では、ノーマルパッドのほうが圧倒的にフルブレーキング時の制動力が高かったのである。前後バランスが良く、リアブレーキがきちんと仕事をしていたからだろう。

取り敢えずフロントだけノーマルに戻した。フロントブレーキの当たりが付いたら(ローターとパッドの表面が馴染んだら)、リアもノーマルに戻してやろう。

サーキット走行後に街乗りで使用すると、摩材表面の変質部分は削られ、高熱に曝されたことが分からなくなった。ただ、ひび割れは少し気になる。

  EXTRA Speed(フロント)

サーキット走行の直後は、こんな感じであった。

 

こんなにも前後バランスを考えていないパッドが世の中にあるとは、大変にショックである。

あれから10年以上経っているにもかかわらず、やはりLockheedの流れを汲むメーカーはダメだった。大切な基本がなっていない。

サーキット走行でフロントパッドだけが変質した理由は、フロントの負担があまりにも大きかった (リアが仕事をしていない)からである。慣熟走行でフェードしてしまうなんてあり得ない話である。

今後、このESをどうやって生かしていこうか。

ノーマルパッドの残量は9mmもあるので、街乗りであと10年ぐらい使えそうだし、このESも8mm以上残っている。リアに摩擦係数の高いパッドを入れて前後バランスを改善すると、ESでサーキット走行もできるだろうか。

D.SpeedのG1改は摩擦係数が高いらしいので、リアパッドに使ってみてもいいかもしれない。

09DEC2012

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フロントパッドをノーマルに戻して、ペダルタッチに注意して走らせてみると、最初から予想外にタッチが良かった。通常、パッド交換直後は摩材とローターの表面がピッタリ合わない(当たりがついていない)ためにペダルストロークが伸びて曖昧なフィーリングになるものだが、不思議なくらいにタッチがしっかりしていた(ローター表面はかなり荒れているのに)。利き味も良く、ノーマルパッドのほうが明らかに信頼性が高い。摩擦係数も高いのだろうか。

ノーマルのほうがESよりも良く利き、ダストも少なく、フィーリングも良いとなったら、いったいESは何が良いのか分からなくなってしまう。せめて耐熱性だけでも良ければいいのだが(短距離使用で2mm以上も減ってしまった)。

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フロントは、ESからノーマルパッドに戻してやることで、とてもフィーリングが良くなった。そこで、リアパッドもノーマルに戻すことにした。

リアブレーキは負担が少ないのに、ESから発生するダストの量はとても多く、ホイールは汚くなっていた。

ダストが少ないだなんて、真っ赤な嘘である。

箱に書かれたの宣伝文句嘘ばかりであった。

コントロール性は悪い、制動力は低い、耐フェード性は低い

まるで話にならぬ。最低だ。03FEB2013

温度が上がらない街乗りでしばらく使用したリアのローター表面は、かなりひどい状態になっていた。ローター攻撃性が低いだなんて、真っ赤な嘘である。

 

DIXCEL ESの摩材表面は至って普通であった。

リアパッドもノーマルに戻してやると、ペダルタッチがさらに良くなった。こんなにもローターの表面が荒れているというのに、フロントと同様に即座に高い制動力が出るというのは何とも不思議で、ノーマルの素晴らしさに感動した。

初めてDIXCEL ESに交換したとき、ローター表面はピカピカであった(当たりが付くまでに時間が掛からないと予想される)のに、まともに利くまでにかなりの時間を要した。それを考えると、ノーマルパッドの偉大さが分かる(守備範囲が広い)。自動車メーカーの信頼を得るためには並々ならぬ技術が詰め込まれているのだろう。

私がAP-Lockheedの宣伝に 最初に騙されたのは1995年ごろで、それからこの会社は名称を変えながら17年も嘘をつき続けている。それなのに、今日も会社が存続しているというのが凄い。

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私は「ES」使い続ける気を失ったので、知らない誰かに使ってもらうことにした。

大人しく街乗りで使うだけなら、ダスト以外に大きい問題はないが、ノーマルパッドのほうが圧倒的に優れているので、ESに何ら付加価値はない。

 

 

 

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