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FUGAMC後

350GT

type S

5AT

468.3万円(税込)

 

メーターのメッキ枠に凸凹を付けたのは何故だろう ? カッコイイとは思わないが

 

19インチホイールのスポークデザインに捻りが加わった

2007年12月、Y50がマイナーチェンジを受けた。

マイナーチェンジで変更された主なものはエンジンである。それに伴い外観や内装にも少し手が入れられた。

外観においてはバンパーが大きくなって寸詰まり感がなくなった。従前より伸びやかになって見栄え良くなったと言えるが、10cm近くも長くなっているため、車庫の心配が要る人も現れるだろう。そして幅も1cmだけ大きくなった。外板(フェンダ)は変わっていないようなので、サイドシルの部分が大きくなったものと思われる。また、450GT専用装備だった4本出しマフラーが全車に標準装備になった。

内装に大きい変化はない。パドルシフトが付いたのが目立つぐらいである。

カタログを見て驚くのは車両重量の変化である。250GTと350GTの重さが30〜40kgも増えている。450GTの重さは変わっていないため、250GTと350GTに補強や遮音材を追加したと考えられる(450GTのボディを全車に使用?)。

あと、忘れてはならない大きい変更は価格である。350GT Sport Package 初期モデルは441万円だったのに、type S は27.3万円も上がっている。ナビゲーションがDVD式からHDD式になり、ETC、サイド&カーテンエアバッグ、助手席オットマンが付いたぐらいなのに、値上げ幅が大きすぎる。

なお、ブレーキローターのサイズに変更はないようで、無理やり19インチホイールを履かせたような格好の悪さが相変わらず残っている。せめてV36スカイライン用の330Φローターをつけて欲しかった。

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久しぶりにFUGAに乗ってみると、ダッシュボードが異様に嵩張っていることに目を見張った。レガシィと比べるとかなり分厚い壁に相対するため、低い位置に座っている気になったが、着座位置を最も低く設定しても実際の視界は そんなに悪くなかった。

暖機を兼ねてゆっくりと走らせてみると、スロットルの初期の開き具合がかなり穏やかになり、排気音がかなり抑えられていることが分かった。初期モデルは躍動感の演出が過大で好きになれなかったが、最近(の日産車)は演出を控えめにしているようで好ましい。

しばらく走って全体が暖まってからスロットルを少しだけ多めに開いて発進してみると、従前と同じような敏感な反応を示してくれた。このことから、スロットルの踏み始め のわずかな部分だけを穏やかに設定したことが分かった。まあこれぐらいでも扱いやすさは向上しているので、改良されたと言えるが、もっと全体的にリニアな性質を与えてもいいと思う。

ゆっくりと巡航する場面では従前にはない静かさが感じられた。巡航時に排気音が聞えないのは良いものである。そして、70km/hから90km/hへ加速するにはわずかにスロットルペダルを踏み増すだけでよく、エンジン音の変化も加速度も殆ど感じないままにスルスルと速度が増すという不思議な気分を味わうことができた。そのあたりの速度域では車両の安定感が強く感じられ、まったくもって安楽な巡航ができた。

次にギアを固定して1速からフルスロットル加速を試してみた。回転計の針が7000rpmを越えるのを見届けてからシフトレバーで変速操作をすること2回、3速に入るまでをテストした。エンジンはきれいな音でスムーズに回り、なかなか気持ちの良い加速感を味わうことができた。全力の加速中であっても音が静かで穏やかな雰囲気のままなので、心拍数は上がらない。VQ35HRはなかなか素直な特性のエンジンだったが、ペダルストローク半ばで早々と全開になるように感じられたスロットル特性が残念である。

100km/h時のエンジン回転は2200rpm(トップギア)ぐらいであった。

乗り心地は突っ張った感触など微塵も見せず、とても穏やかで安楽に長距離を走れそうな雰囲気であった。

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初期の「350GT Sport Package」と今回の「350GT type S」は基本的には同じポジションにあると考えていいはずなのだが、明らかに性質が別物になっていた。

Sport Packageは、ステアフィーリング、乗り心地、音という要素においてFUGAの中で異色の存在であった。それが個性を放っていたと思うのだが、Type Sはそういう尖った感触がすべて削り落とされて丸くなってしまったのである。

荒削りなものよりも洗練されたものが時代のニーズに合うというのだろうが、ちょい乗りでは単に19インチタイヤが目立つ普通の大型セダンという印象しか持ち得なかった。じっくり乗れば色々な性能が高まっていることを感じられるかもしれないが。。。

万人向けになったType Sは、外観でこれを選んだオジサンを裏切らないだろう。

19JAN2008

450GT

5AT

571.2万円(税込)

2007年12月のマイナーチェンジ で2.5Lと3.5Lはエンジンが変わったが、4.5Lは変更されていない。主な変更箇所は外観と内装である。

内装ではピアノ調の飾りパネルの意匠が変更され、純銀製のアクセントが付いたという。しかし、何をしたかったのか私には分からない。嬉しくもないし自慢もできない。デザイナーとセンスが違うということか。

走らせてみると、450GTの鷹揚な身のこなしに再び惹かれてしまった。250GTのせっかちな走りや350GTの豪快な演出を好きになれない私は450GTの緩急自在の味付けを気に入っており、M/Cを受けても乗り味が変わらなかったことに安心したのである。

フルスロットル時のV8サウンドと豪快な加速も変わらず、街乗りでの慎ましやかな振る舞いとは異なる顔を見せてくれるのが面白い。

街を普通に流しているときは、ステアリングホイールの大きさが気になる程度で、安楽に運転できる。その要因は、停止寸前のブレーキコントロールが容易であること(ガクンとならず静かに停止する)、加速のコントロールが自在にできること、ステアフィーリングに雑味があまり入ってこないというところにあるのだろう。

純正カーステレオの音はなかなか良い感じであったので、個人的にはオプション品に替える必要性は感じなかった。

FUGAは日産の高級車という位置づけになっているので、それなりに装備が充実しており、シート表皮の穴から涼風や温風が出る機能も備わる。そこで、涼風を出してみたところ、がっかりした。レクサスISに備わっていたような冷気を出すものではなく、単なる送風に過ぎなかったからである。

細かなもてなしの心はレクサスに敵わないが、走る機械としてのFUGA 450GTには魅力がある。

25MAY2008

 

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