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X

FWD CVT

188万円(税抜)

3代目RAV4はとても大きくなったが、依然として5人乗りである。3列シートは北米用モデル(日本用より全長とホイールベースが長い)に設定されるのみ。エンジンはエスティマやアルファードにも使われる直列4気筒 2.4L(2AZ-FE)であるが、プラットフォームは従来のようなセダンの派生ではなく、新設計だという。

X-TRAILやCR-VにもFWDの設定があるように、もはやこのライトクロカン(クロスオーバー)というカテゴリのクルマは実質的にオフロードとは縁遠くなってしまったようである。購入者の用途は街乗りがほとんどで、たまにスキー場に行く程度なのだろう。冬に営業している施設ならば、駐車場までの道は除雪がなされているはずなので、スタッドレスタイヤを履いていればFWDでも何ら問題なく目的を達することができる。

試乗車はFWDであった。短時間の運転であったので簡単な記載しかできない。

まずは冷えたエンジンを温めながらゆっくりと走り始めると、CVTはあまり変速比を高めず、エンジン回転をある程度高く保ちながら走る。これは触媒を早く適温にするためだと思われる。VitzやBeltaと同じやり方である。

エンジン冷却水が適温になるとトランスミッションの制御が変わる。トルコンがロックした後にCVTは驚くほど急激に変速比を高め、50km/hぐらいでは1050rpm程度の低回転で走り続けた。ある程度スロットルを開いても頑固に1050rpmを守り続けるやり方にトヨタの特徴がみられる。

フルスロットルでの走りを確かめてみると、1.5トンもの重量があるとは思えないぐらいに力強い加速をしてくれた。2AZとCVTの組み合わせは、穏やかな巡航から急加速まで幅広い走りができるようなかなか上手にセッティングされている。

シフトレバーでCVTの変速比を7段階に区切ることができるというので、それを試してみたところ、トヨタらしく変速ショックは感じられず、滑らかにエンジン回転が変化することが分かった。ステアリングホイール周りにスイッチがあるともっと使いやすいと思うのに、そういう装備は付けられない。Ractisに付いてRAV4に付かない理由は何なのだろう。

ステアリングの感触は電動パワステであることを少し意識させられたが、不満を述べるほどのものではなかった。ギア比はややクイックで、少し切ればクルマがスーッと曲がっていく様は気持ちの良いものであった。

車両価格がとても安いので、スタイルが気に入れば街乗り用のクルマとして買ってもいいだろう。リアシートのアレンジは多彩だし、荷室もまあまあ広いので、使い勝手はいいと思う。ただ、車体の無駄な大きさと運転席回りの簡素なイメージが欠点である。もう少しお金を出してもいいというのなら、OUTLANDERのほうが生活を楽しめるだろう。

 

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