---------------------------------------------------

1.5  CVT

G

S package

164万円

2代目Vitzをベースにした派生車がようやく登場した。CUBEやNOTEのライバルになるのだろう。

Vitzよりもホイールベースを90mm長くしているため、室内スペースは広い。運転席で適当なポジション(身長175cm)を設定してその後ろに座ってみても、十分に膝前の空間が確保されていた。しかし、停車時に座った感想では、後席のシート形状は平板で、座りたいと思えないものであった。乗員のことよりも荷室に変化させることが重視されたのだろう。

室内にはいたるところに収納スペースがあり、ペットボトル等は乗員の人数分以上に保管することができる。

----------------------------------------

公道で走らせてみると、Vitzよりも乗り味に安定感があった。やはり上屋が80kgも重い(Vitz RS比)ことやホイールベースが長いことから、そのような差が感じられたのだろう。重くて高い重心の上屋を支えるため、サスペンションスプリングがVitzより硬くされている。そのせいで乗り心地は明らかに硬く、整備の悪い路面では突き上げが気になる場面が多かった。

ステアフィールはVitzと比べて明らかに改善された。電動パワステであることを隠さないVitzと違い、ラクティスのステアリングは変な引っかかりや重さの変化がみられず、とても自然に操作することが出来た。

少しだけ高い速度で走れるカーブの多い場所でクルマの動きを確かめてみると、背が高い車体のわりにローリングはかなり少なく安定しており、硬いバネが有効に働いていることが分かった。しかしシートのホールド性が甘く、体が不安定になるため、正確なステアリング操作ができず、限界を見てみようという気にはなれなかった。

タイヤサイズは175/60R16という特殊なサイズが設定された。細くて(←低抵抗=低燃費)外径が大きくて(←ハイグリップ)サイドヲールはあまり高くない(←よじれない=しっかり感がある)という要求を満たすタイヤサイズがなかったのである。従前のサイズでは165/80R14になるが、これではカッチリした走り味が得られない。

CVTの感触は基本的にVitzと同じようなものであったが、ラクティスには新たにCVT SPORTスイッチとパドルシフト(Tipシフト)が付加された。CVT SPORTはエンジン回転数を高めにして使うもので、加減速にメリハリがつけられる。スロットルの反応も変わるようで、CVT SPORTでゼロ発進しようとすると、グワッと勢いよく飛び出してしまい、穏やかに発進することができなかった。ノーマル状態では穏やかに発進できたので、その違いは明白であった。パドルシフトは7段階に変速できるというもので、これはとてもスムーズに切り替わるのが印象的であった。昨日乗った三菱アウトランダーは変速が明らかに分かるようにコツッというショックを出していたが、トヨタ式のほうが私は良いと思う。

ブレーキフィーリングは特に何とも感じることはなかったが、四輪ディスクなのはこのSパッケージだけなのである。SパッケージはVitzのRSに相当するものなのだろう。他のグレードではリアがドラムブレーキになってしまう。これはVitzも同様の構成であるが、重いラクティスのためにドラムブレーキのサイズはVitzより大きくなっているという(ラクティスのフロントはどのグレードもVitz RSと同じ15インチホイール用サイズ)。

-----------------------------------------

Vitzは荷室が狭いため一家に一台で使うには小さすぎ、パーソナルユースを主体に考えざるを得なかったが、ラクティスはクルマにこだわりのない人がファミリーカーとして使うのに不足はないトヨタらしいクルマであると思った。流行のガラスルーフは面白いだろう。

 

戻る

 

inserted by FC2 system