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3 Series(E46)

ホンダ比較試乗会

アコード(CL9/CL7)と318iを乗り比べた。

2002年

M/C後 325i

5AT 左ハンドル

325iはM/C前モデルに乗ったことがあるが、M/C後の左ハンドル車も試してみることにした。日本で販売される3シリーズの中で左ハンドル車の割合は1割程度という。今では左ハンドルがステータスになるというヘンテコな意識はほぼ消えたということだろう。

運転した印象としては、当たり前ではあるがエンジンが320iと同じ6気筒の系統であることを感じる。ステアリングはスムーズな感じがするが、街乗りに限れば PASSATのほうがしっとりとした滑らかさが感じられて私には好ましい。パワーは当然ながら320iと330iの中間であり、「ちょっとぐらいは飛ばしたいときがある」というレベルの普通の人なら問題はない程度だろう。排気音は相変わらず大きく、静かさを求める人には向かない。スロットルペダルは抵抗感が大きく、微調整が難しい。ブレーキフィーリングは相変わらずとても良いが、結果的には現時点で積極的に買いたいという気は起こらなかった。

荷室の広さは、見た感じから狭いというイメージがあったが、意外にも愛用の釣竿を入れることが可能であった。

2002年

M/C後 320i

5AT

2002年モデルの320iに乗ってみた。外装の一部、Tipシフトの方向、ステアリングギア比、サスペンション設定などが2001年モデルと変わっている。エンジン(M54)は2001年モデルから変わっていない。発する爆発エネルギーの違いからか排気音は330iと比べると静かで、設定の意図が分からないスロットル特性もエンジントルクが小さいため影を潜めている。クイックなステアリングギア比(13.7:1)は乗るたびにだんだんと慣れてきて、下のNew318iの試乗記は手直しが必要になってしまうぐらいになった。ステアフィールやサスペンションの動きは滑らかで、3-Series Compactと比べると格段に趣を異にする。やはりCompactは安く仕上げるために使っている部品の質が全く違うのだろう。

6気筒モデルのATは通常2速発進になっているようであるが、320iはトルクが薄いので、あまり走りが良くない。ファイナル比を少し高くして常時1速発進に設定を変更したほうがよいと思う。さらにギア比変更によって、現状の20km/hでTipシフトを使って1stギアに落とすことが不可能という問題を解消できるかもしれない(Dレンジでキックダウンはある程度の速度まで可能なはず)。ブレーキフィーリングは相変わらず良いもので、安心感がある。

M/C後 318i

5AT

380万円

2001年秋、ドイツでのマイナーチェンジを経て日本でもM/Cが施された3シリーズが発表された。足回りやステアリングギア比の設定が変更されたと聞いたので、どのように変わったのか試してみた。

318iはエンジンまで変更された。4気筒エンジンは 2.0Lへと排気量が拡大され、さらにバルブトロニックという新技術が取り入れられたのは注目に値する。これはスロットルバタフライの代わりに吸気バルブのリフト量を変化させて吸入空気の量を調節するというもの。一般に低負荷時の燃焼状態を良くするのは難しいことであるが、バルブトロニックではバルブリフト量が負荷によって変化するため、低負荷時には吸入空気の流速が速くなり、燃料霧化は通常のエンジンより促進される。それにより燃焼状態も良くなるだろう。

318iには今回から325iと同じサイズのタイヤ(205/55R16)が装着された。扁平タイヤとシャシセッティングの変更は動き出した瞬間に明らかに感じられる。ステアリングは重く、また明確にクイックになり、大いに戸惑った。あまりにもクイックすぎるステアリングは微妙な操作を難しくするだけであり、賛成できない。200km/hで走ったら敏感すぎて怖いのではないかと想像する。足の設定は前モデルのフワフワ感がなくなり安っぽさが消えた。しっとりしなやかで良い。エンジンは静かで、2.0Lにしてはトルクが豊かにあり、6000rpmまでならとてもスムーズに回る。320i(6気筒 2.17Lエンジン)よりも使いやすい印象を受けた。今回から新採用になった5ATは、街乗りではつながりが良く(高回転を使ったのは3rdギアまで)、小さいエンジンをうまく生かしていると感じた。Tipシフトは今回から引くとシフトアップするパターンに変わり、違和感を持った。レースカーなら常に全力で走るため強大な前後Gが発生し、このパターンの正当性を主張できるが、一般車では加速のために下のギアへ変速することのほうが多いため、「ダウンシフトは引く」というのが自然な動きだと思う。

帰宅してカタログを見たところ、5ATのギアリングが奇妙な数字を示していることを見つけた。3rdと4thの間が離れすぎているのである。6気筒モデルの5ATは普通のステップ比なのであるが、どういうわけか4気筒モデルはセッティングが異なっている。雑誌(CAR GRAPHIC)を読むと、318iのATのセッティングに不満の声が載っていた(100km/hを少し越えたところで 3rdに落とせなくなり、追い越しは 4thで低回転のまま行わねばならぬという話)。今回の試乗は街乗りのみであったので、そのような経験を実際にすることはできなかったが、想像に難くない話ではある。

今後も売れ筋と思われる318iであるが、今回のM/Cでクルマの動きの洗練度がグッと高まった。

以前から変わっていないことではあるが、手動シートスライドのノッチの細かさに今回初めて気づいた。10mm程度の刻みで前後スライドが可能なのはすばらしい。しかし、シート本体はM/Cで変わらなかったのが残念。

M/C前

318Ci

5MT

4気筒1.9Lにはあまり興味がなかったのだが、雑誌で評判が高いので乗ってみると、これが意外にも雑誌に書いてあるのと同じようなフィーリングでスムーズに高回転まで軽快に回る。パワーはないがチョイ乗りだけにしか使わないのならそのフィーリングパワー不足をカバーするかも。わずか18.3kg-mのトルクに対して過剰なサイズだと思える17インチタイヤ(F:225/45, R:245/40)とスポーツサスペンションを装着していても乗り味は快適である。5MTはシフトストロークが大きいが軽くて扱いやすい。また、6気筒エンジンのように排気音が吼えないのがいい。全般的に乗り易いのが好印象を与えてくれる。

300万円台の価格なので入門用には良いと思う。

ただし、ミッションが AT になると どんな走りに変化するのか分からない。

2001年

320i

M/CでエンジンがM52からM54に変更されるのに伴って 2.0Lから 2.17Lに拡大された。性能が高まったのに値段は据え置きされたのは良い。しかしながらその性能は必要最低限で街乗りでもあまり余裕はない。加減速の多い日本の高速道路では追い越し車線をキープするのは辛いだろう。

街乗りでの印象は、6気筒モデルの中でステアリングは最も軽くセットされ、足回りも明らかにソフト(タイヤのせいかもしれない)で、都会で使うだけならそんなに不満はないと思う。 なお、街中でアクセル全開にしても周囲は驚かないので安心して踏み込むことができる。装備品は上級モデルと比べて電動シートが省略される程度である。

後日、雨の筑波サーキットを走ってみると全然パワーが足りないことに愕然とした。 佐藤久美選手の330iに先導されて 2番手(客の中では先頭)を走っていたが、彼女が「ハイッ踏みますよ」と無線で言うや否や、あっという間に330iは遥か彼方に逃げて行った(勝手に行かないで!)。全開で追いかけてみたものの 全くスピードが出ず、楽しむことはできなかった。Wetのカーブでワザと姿勢変化を試みてフルスロットルにしても(DSC:OFF)何も起こらなかったことから、Dry路面では FRらしいパワーによるコントロールを楽しむことはまったく期待できない。まあ、そんな走りをする人が320iを買うことはないと思うが。。

2001年

325i

街乗りではちょっとトルクに余裕を感じさせるエンジンで、車体の重さを苦にせず、普通に走る分に不満は全くない。

325iの特長はブレーキのフィーリング。何の変哲もない構造(浮動型キャリパ/単ピストン)なのに、高速からの制動フィーリングが抜群に良い。 ローターもパッドも早く消耗するかもしれないが、国産車もこのフィーリングを目指して欲しい。

3シリーズの中で一番バランスがいいと思った。

2001年

330i

5AT

ボディの割に排気量が大きいのでトルクに余裕があり、いつでも期待以上の加速ができる。出足から速く走るのには都合のいいセッティングがなされている。しかしスロットルの反応には違和感がある。わずかに踏んだ時には殆ど反応しないのであるが、さらにほんの僅かに踏むと唐突にドンと出る。このスロットル特性は非常に扱いにくいし同乗者にも不快感を与えてしまう。こんなスロットル特性では運転が下手だと思われる! 実はこのセッティングは320i、325iにもみられるのだが、330iはトルクが大きいために特に強く感じてしまうのである。ペダルの動きが渋いのもスムーズに走らないことに影響している。フライバイワイヤーなのにどうしてペダルの動きが渋いのだろう。不思議がいっぱいのクルマである。アクセルの微妙なコントロールは発進時だけなら何とかなりそうだが、交差点で曲がった後の立ち上がりではクルマが動いているだけに足の微妙な調節が難しい。せっかく電子制御スロットルなのだから踏み始め部分だけでも微妙なコントロールができるように鈍感にして欲しい。 しばしば誌上で評論家がこのドンと出る特性は「国産車の悪癖だと書いているのを見るが、330iを評した記事でそう書いてあるのを見たことがないのは何故だろう(330iを愛車にしている徳大寺さん、教えて!)。私はこれまでにこんなに奇妙なスロットル特性のクルマに乗ったことがない。街乗り用としてはとても使いにくいセッティングである。ただし、奥のほうでは踏めば踏むほどトルクが増していく設定になっており、これは今まで乗ったクルマの中で最も気持ちが良い。

街乗りではステアリングが3シリーズの中で最も重くセットされていると感じたが、高速道路を走ってみると軽すぎて手ごたえがなく、何を頼りにステアリングを切ったらいいのか分からず怖かった(緩い高速のカーブを120km/hで曲がるのは非常に怖いものであった)。雑誌にはステアリングインフォメーションが豊富に伝わると書いてあったが、実際には感じ取ることができなかった。自動車評論家になるには掌の神経を鍛えて鋭敏にする必要があるのかもしれない。

BMWのシートは かなりコストを掛けているという話で、前席シートバックの構造が面白い。水枕のようなクッションが入っていて、姿勢を変えると中身がゼリーのように動いて気持ち悪い。これのせいかどうか分からないが1時間運転しただけで背中から脚までしびれるように疲れが出た。背骨の位置決めがうまくいかないのだろう。M3のカタログでもシートのイラストに水枕が描いてあったので、全車に採用していると思われる。運転席と助手席と合わせて3〜4時間乗ったが、渋滞のせいもあって疲れ果てた。

5段ATは、Dレンジでは国産車と違ってなかなかシフトアップしないので加速するには都合がいい。その反面、吼える排気音はしばしば耳につく。そういう場合はTipシフトを使うとDレンジで自動選択されたギアからさらにアップシフトが可能なので静かに走 らせることができて助かる。過去に排気音がうるさいBMWを見たときにはマフラーに穴が開いていると思っていたが、新車からうるさいというのが分かった。よく言われているSilky6という表現があるが、どうすれば感じられるのだろうか。排気音にかき消されてエンジンの音を聞くことはできない。

 

《助手席からの視線》

WETの筑波サーキットでレーシングドライバー中谷明彦氏の運転に同乗した。プロの横に乗るといつもステアリングやペダルの操作ばかりを観察してしまうが、運転でメシを食っている人たちの的確な操作には毎度感心してしまう。

サーキットではこのクルマの潜在能力を垣間見た。FRなのにトラクション性能がとっても良く、スライドコントロール性が良いのに驚いた。前後の重量配分が50:50なのはこういうところに生きてくるのかと初めて認識した。国産FRだったら、テールスライドさせたら前に進まないだろう。AWDのインプレッサでもWET路でスライドさせたときのトラクションのかかり方はE46と同じぐらいのものであり、コントロール性はもしかするとE46のほうが上かもしれない。雪道でBMWが国産FR車よりスタックしにくいというのは駆動輪に大きい荷重が掛かっているおかげなのだろう。

2001年

330i

M-Sport

5MT

M-Sportはほぼ全グレードで選べるようになっており、タイヤ、バネ、ダンパー、ステアリングホイール、シートなどがスポーティな設定に変更される(2001年モデルまで330iは標準車でもM-スポーツサスペンションが装着されていた。2002年モデルから330i M-Sportはさらにレートが高い専用サスになったらしい)。

スポーツシートはチョイ乗りではノーマルシートよりも少し硬めで運転姿勢を保つのに都合がいいと思った。シートバックの中にあるだろう水枕も気にならない。MTのシフトストロークは318iと同じように長い。クラッチペダルは30.6kg-mのトルクを伝達する割には軽めに仕上がっているが、その分ペダルストロークが長すぎるのは気に入らない。シャキッっとしないBMWのMTであるが、一般的な評価は良いようである(どこが良いのか私には判らない)。ドイツ人好みの味付けなのかもしれない。乗り心地は17インチタイヤ(F:225/45, R:245/40)とスポーツサスを装着しているのが全く気にならないぐらい快適である。路面の当たりが穏やかで、そのうえフワついたところがないのはファミリーセダンとしてお手本になるのは分かる。排気音はAT車と比べて静かに感じたので、エンジンの音が聞こえたが、Silkyと表現するのが適当だとは感じなかった。スロットルバルブの微小域での唐突な開き方はAT車ほど嫌味ではなかったが、そのセッティングは変わらないようで、発進時に僅かにスロットルを開いて出ようとするとストールしそうになり、さらに少し踏めばちょっと元気よく出るという具合で微調整は難しい。走り出せば全体にフラットで強力なトルクがあるので乗りやすいが、駆動系の遊びがかなり大きく、スロットルのON/OFFでガクッとショックが出るのは気持ちが良くない。いまどきこんなにギアの遊びを感じるクルマは少ないと思われる。これは単なる個体の不具合だったのかもしれないが。。。私のGC8インプレッサ(1994年製)はかなりひどいが、最近のスバルはかなり改善されているのでBMWの粗さがものすごく目立つ。トランスミッションはMT/ATいずれも選択可能であるが、MTではクラッチとシフトの操作に軽快さを欠くので、どちらかといえばATとの組み合わせの方が良いと思う。

2001年

330i

5AT

All Wheel Drive

日本ではAWDと組み合わせられるのは3.0Lエンジンだけであり、外国のように2.5Lモデルを選ぶことはできない。おそらく日本ではAWD車の需要が少ないので、ひとつのグレードにしか設定することができないのだろう。

外見は、注意して見ればタイヤとフェンダの隙間が大きいので4駆だと思うぐらいで、FRの330iとほぼ同じ。室内は全く同じと言っていい。足回りのセッティングはFRの330iと若干違うようで、乗り味はFRモデルよりぼんやりした感じであった。3.0Lエンジンはさすがにトルクがあり余っているので、AWD化による車重増加は全く気にならなかった。

BMWはFRであってもタイヤさえ替えれば雪道でもトラクション性能に問題はなさそうなので、あえてAWDを選ぶ人は少ないと思う。よほどの大雪が積もる地域の人なら買う価値があるかもしれない。あるいは、年に数回しか雪が積もらない地域に住む人であれば、AWD車は積雪時でも夏タイヤで走行できるためスタッドレスを買わないで済むというメリットもある。

2001年

M/C前

M3

6MT

待望のE46のM3。大きな期待を抱いて乗ってみたが、新しい3.25Lエンジンの感想を述べるにはいささか限定した状況での話になるのが残念。

WETの筑波サーキットを1周弱走っただけで本当の味など分かるはずもないが、一応の感想を述べてみる。 メインストレートにおいて2速ギアでフルスロットルにしたフィーリングは、7900rpmで最高出力を得る高回転型エンジンだというのにもかかわらずフラットトルクで、ある回転数からカムに乗るといった感はなく、7500rpm以上は意外に苦しそうだった。また、イエローゾーン(油温100度時)は7500〜8000rpmであり、そこに針を入れるのは気分的によいものではなかった。トルク感は330iを一回り力強くしたような感触。343馬力もあるのに重量が1550kgもあるせいで、3速までの加速感は280馬力のインプレッサと変わらない(200km/hを越えると違いが出るだろう)。サスペンションはコーナーをおとなしく回っただけなので何とも言いがたいが、柔らかいバネを使っている割にロールは少なそうであった。 もう少しサーキットで乗ってみないと786万円(2001年)を出す価値があるのかどうか見極めることはできない。

普通の3と比べた内装の差は グリップの太いステアリングホイールと油温計が目立つぐらいで殆ど変わらず、シートも当たりが柔らかく仰々しいものではない。国産スポーツセダンと違って、サイドエアバッグ、DSC、電動シートなどが標準装備されている。ドイツ車ではスポーツと快適(高級)装備は両方備えていることはPORSCHEにみられるように普通のことなのだろう。標準ホイールは18インチであるが、リムとブレーキキャリパとの隙間が大きく空いているので 17インチが履けるのではないかと思ってドアの内側のラベルを見てみると、やはりOKだった。冬は17’、夏は18’というのが可能。

6MTのシフトは318iや330iの5MTと同じぐらいストロークが大きく、あまりにも乗用車的なもの。せっかく6段もあるのに、ギアチェンジ自体を積極的に楽しもうと思えないのが残念であった。筑波ではヘアピンの進入でシフトダウンしようと思ったが、2速まで持ってくるのが面倒で3速にまた戻した。ヘアピンの立ち上がりで3速に入っていてもNA大排気量エンジンは反応してくれるのがいい。2.0Lターボでは絶対にそんなズボラはできない。

E36のM3には2ドア、4ドア、カブリオレがあったが、E46には2ドアとカブリオレしかない。4ドアのM3が出れば購入候補にも上がるのだが、今のところそういう話はない。

ALPINA

B3 3.3

5AT

M/C前

M/C前のモデルの感想。

排気量は名前のとおり3.3Lであり、当然ながら3.0Lエンジンの330iよりもトルク感は力強い。アルピナといえども発進時に唐突に飛び出すスロットル特性は330iと 大きく変わらないが、荒っぽい感触は抑え込まれている。一般の人が330iでパワー不足を覚えることはないと思うのだが、世の中にはさらなる余裕やALPINAのバッジが欲しい人もいるのだろう。

速さ以外に330iよりも良いところは、ステアリングフィールにしっかり感があることが挙げられる。ステアリングホイール自体の触感が良いというのも利いている。このあたりにBMWを磨いてあるのが明確に感じられる。 AT車 にはベース車と同じZF製のミッションを搭載するものの、ステアリングホイール付近にシフトスイッチを付けて普通の3シリーズと差別化を図っている。そのタッチは、トヨタ、日産、スバルのステアマチックとフィーリングは変わるものではない。足回りは225/40&255/35の18インチを履いているとは思えないほどのスムーズな乗り味が印象に残ったBILSTEINがまともに取り組むとこんなに素晴らしい脚ができるんだと感心した。 これはレガシィのBILSTEINとは全く別物の感触であった(最近のカタログにはダンパーがBILSTEIN製とは書いていないため、ALPINAのホームページで確認してみたところ SACHSであると紹介されていた。)。 無論、基本のBMWのボディが上手くできているのは言うまでもないことである。

生産台数が少ないため仕方ないが、トランスミッションやハンドル位置で販売価格に大きく差が出る。標準モデル(4ドア/ゲトラグ製6段MT/左ハンドル)は797万円。それに対して ATは+68万円、また、右ハンドルは+30万円である。ただ、右ハンドルに組み合わせられるトランスミッションはATだけなので、結局はATの差額も加えて98万円高(895万円)となる。なお、標準車でもM3よりも11万円高い(2001年)。あなたがこの金額を出すことが可能ならば、人生経験としてALPINAの磨かれた珠の味を知ってみるのも良いと思う。毎日の運転そのものが楽しくなるに違いない。

 

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