2.0 JTS

SELESPEED

Exclusive

シャシが156譲りで、前席まわりの部品が147譲りというGTに乗ってみた。

まず感じられたのは乗り味にユルさがなくなっていることであった。これまで147/156に乗ったときには、脚が柔らかいのかボディが柔らかいのか分からないが、街乗りでのフニャフニャした乗り味に心地が良くないと感じていたが、GTの乗り味は147GTAに似たカッチリ感を持っており、なかなか快適であった。タイヤが215/45R17(たわみが少ない)、シートがスポーツレザー仕様(表皮が硬い)であったということも乗り味の硬質感につながっているのかもしれない。

SELESPEEDはようやくこのモデルから変速時間を変化させる機能を搭載した。シフトレバー脇の「SPORT」のスイッチを入れると、若干ではあるがシフト操作が素早くなった。1→2はステップ比が大きい(147の2.0TSよりもギア比が離れている)ため、タイムラグは長く感じられたが、2速以上ではスロットルを戻さなくても気持ち良い変速を見せてくれた。フィーリングは現状の「SPORT」が標準設定であっても何も違和感がない程度なので、それをNORMAL設定にするほうがいい。現行のNORMALに存在意義はない。例えば、SPORTの設定は加速中のクラッチ接続の瞬間に加速方向にG(ショック)が多少残ってもいいので、クラッチを切っている間のタイムラグ(変な減速感)を減らして欲しい。

JTSエンジンは気持ちよく噴け上がり、普通に走っていてもついつい4000rpmまで回してしまうほどであった。ALFAの魔法である。

スポーツレザーシートは147のオプション品と同じものであるが、これは見た目に高級感がある。座ってみても革が厚い感じがして良いのであるが、座面だけがタイトすぎるのがバランスを欠いていると思う。147GTAのシートのようにビシッとサポートする背もたれが欲しい。リアシートは、雑誌には「大人が座れるスペースを持つ」と書かれていたが、実はそんなことはない。ホイールベースが長いので膝の前には十分な余裕があるが、頭上にはまったく余裕はなく、まともな姿勢で座れるのは身長160cmぐらいまでの人だけである。

156のシャシを利用したモデルとしては末期のクルマであることから、街乗りにおいてはなかなか完成度が高いと思われた。ブレーキの効きにも問題はない。気になったところは、5段変速ギアボックスのギア比設定ぐらいである。できることなら6段変速ギアボックスを使ったSELESPEEDを設定して欲しい。

 

戻る

 

inserted by FC2 system