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ACEA C3 かつ ILSAC GF-5 を満たす油

鈴木のターボ付きR06Aのエンジン油は、SAE 5W-30が指定されている。

純正のエクスターF 5W-30は、ハイドロクラッキング油にエステルとモリブデンを配合したなかなか良さそうなオイルだ。

http://www.suzuki-sds.jp/msds/ProductManagement/productList/440371

エクスターF 0W-20は低粘度オイルらしくILSAC GF-5を取得しているが、5W-30はGF規格(省燃費)を取得していない。これはどういうことか。一般的に、5W-30製品にはGF-5の表記がなされている例が多いものだが、鈴木ではおそらく、ターボに対応するために油膜強度を高めたことにより、省燃費をクリアできなかったのかと思われる。それなら、わずか500qで排出したのはちょっと勿体ないと思う。

↑↑↑少し誤認あり、下の青文字部に修正記載

 

 

初回交換(507q走行時)に新たに使用したオイルはトヨタ純正SN 5W-30 GF-5である。

https://toyota.jp/after_service/car_care/yohin/sds/

これはハイドロクラッキング油を一部使用したオイルで、ZnDTPの使用が明記される。私はFM-21(モリブデン)を追加してやったので、減摩作用に役立っているだろう。

 

 

トヨタディーラーの整備士や専門性の高いオイル屋によると、5W-30よりも少し粘度の高いオイルを使う方が良いという見解が示された。

私は、以前のようなスポーツ走行をする機会を持たなくなり、街乗りだけになったので、もはやメーカー指定の粘度で充分なのではないかと思っている。だが、R06Aの構造上、フリクション低減のために高さ(長さ)が低く(短く)設定されたピストンの首振りが気になる(抑制したい)という話がある。

そのため、少し粘度の高いオイルが有用になるようだ。

 

我が家にあるエンジン油の在庫は主にこの2品である。R06Aには5W-30(NAFCO)を、そして、原付2種には5W-40(Castrol)を使うつもりであった。

 

当初、スズキ純正5W-30の早期排出の次にはNAFCO 5W-30を短期使用するつもりであったが、ちょっと訳あってトヨタ純正5W-30を使うことになった。トヨタ純正はスズキ純正よりちょっとグレードが下がったような気がするが、NAFCOよりは良さそうだし、まあ、慣らし運転ということなので、あまり気にしないでおこう。

この次に使用するオイル(在庫)は、安さに負けて買ったNAFCO SN 5W-30 GF-5になりそうだが、1098円/4Lという製品なので、ちょっと心配だ。やはりターボ付きには安物を使わず、NAFCOはオカンの原動機付き草履(自然吸気)に使おうか。

 

 

では、R06Aにはどのような性質のオイルを使うべきなのか。

5W-30の粘度にするのなら、ACEA C3の規格品が良いのではないかと考えている。なぜなら、C3はHTHS粘度が高い(3.5 mPa・s 以上)から。

そのほか、C3の規格は触媒への毒性が低いという特長もあるが、そういう性能はこの際どうでもいい(長期使用で役立つかもしれないが)。また、油膜強度が高いことを重視すると、燃費が悪くなるが、それも二の次だ。

 

さて、C3規格の5W-30を探すと、日本ではなかなか見つからない。だが、NAFCOで販売されるインドネシア産「Fastron」のGOLDというタイプはC3(省燃費を優先しないタイプ)なのだ(先般、GOLDという呼称は廃止されたらしい)。以前からある(併売されていた?)GOLDではないタイプのFastronは省燃費タイプになるので、今(GOLDという呼称が廃止された後)のラインアップはどうなっているのだろう。Fastron「5W-30 C3」とFastron「5W-30 SN GF-5」というふうに分けられているのか?

 

Fastronの例で示したように、5W-30を表示しているオイルでも「油膜強度の高いC3」と「粘性抵抗の低いGF-5」は別々の商品になるのが普通である。

 

 

ところが、GF-5とC3の両方を備えるオイルを見つけた。パルスターが扱っているので、まあ信じてもいいだろう。ちょっと高価だが、油膜が強いのに燃費が良いというのは魅力だ。13MAY2020 

我が家にはSUBARU elf 0W-30 A3 の在庫もあり、HTHS粘度が3.5 mPa・sなので、C3を求める理由に合致するのだが、R06Aに入れるのは勿体ないと思ってしまう。だが、ほかに使うクルマがない。

いろいろ考えてきたが、実のところ、何も考えずにスズキ純正5W-30を使うのが正当な気もする。あまり気にしていなかったが、GF-5を取得していないことに意味があるのかもしれない。

GF-5について誤認あり。鈴木自動車に確認したところ、純正のエクスターF 5W-30はAPIおよびILSACの認証を受けていないと判明した(実はドーナツマークもスターバーストも缶に記載なし)。SNの表記でさえ自社判断の「SN相当」であり、また、GF-5相当でもあるという。すなわち、私が期待した「高い油膜強度」を有しているわけではない。

 

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<余談>

JB64Wに載るターボ付きR06Aの素性がよく分からないので、いろいろと想像することになる。

かつて燃費スペシャルとして登場したアルトに搭載されていた自然吸気のR06Aには、ピストンリングのDLCコートやピストンスカートの樹脂コートの仕様変更(波の模様)がなされ、摺動抵抗が減らされている。燃費向上策としていろいろな手が加えられているが、一般的にスカートの樹脂コートの模様(水玉模様)に効果があるのか効果がないのか、よく分からない。

もっとも、JB64WのR06AにはDLCは施されない(アイドリングストップからの再始動時の摩擦軽減を目的としているものなので、その機能がないモデルには・・・)だろうし、ピストンスカートの樹脂コートに手間を掛けているとも思えない。

ということで、ターボ付きR06Aに使うオイルではモリブデン濃度(DLCに影響を与えるらしい)を気にする必要はあまりない(後入れ添加剤のFM-21等を使っても問題はない)と推定できる。なお、スズキ純正5W-30、0W-20、0W-16にはMoDTCが含まれている(DLCに影響がない濃度設定なのかと思う)ので、Moをむやみに追加してはならぬ。

機械の構造、部品の加工、潤滑油の成分、それらに必要なコストなど、複合的にいろいろな要素が絡まって目的とする何か(低燃費など)を達成しようと調整されているので、どうやらバランスを考慮することが大事なのだと思う。そんなことなので、今の時代、素性の分からない後入れ添加剤に手を出すのが怖くなってしまう。

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