ブレーキキャリパピストンシールのゴムはなかなかの役者だった
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【ゴム部品の交換について】 BL5レガシィのフロントブレーキキャリパのゴム部品一式を交換したのは、ダストカバーを破ってしまったことがきっかけであった。 破らなかったら交換しなかったのか、というと、それはちょっと微妙なところではある。 整備書にはシビアコンディション車以外は「無交換」でいいことになっているのだが、私は基本的に、ゴム部品は5年ぐらい経てば一新しておくほうがいいという考えを持っているのだ。 GC8インプレッサでは、年間1万kmほど乗っていたし、サーキットにもよく出かけていたので、ゴム部品は5年で交換していた。しかし、BL5は年間5000kmほどしか乗らず、サーキットにもあまり行かないので、タイミングを測りかねていたのである。 つまり「5年で交換するのは早いのでは?」ということである。 ところが、ブレーキのゴムを交換して判ったことがある。 左の写真のゴム部品は、実は大事な仕事をしてくれている陰の役者だったことが判明したのだ。 結論:ゴムは5年で交換しよう! |
【ゴム部品交換時期】 BL/BPレガシィの整備書には、ブレーキ関係のゴム部品の交換時期が指定されていない。つまり、交換不要ということである。サーキット走行をたびたび実施していれば、シビアコンディションになるが、通常の使用なら何もしなくていいのだ。本当かな??? |
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【ディスクブレーキ】 ディスクブレーキというものはなかなか微妙な設計がなされており、ブレーキパッドとローターの隙間が大きければ初期タッチが曖昧になるし、隙間が小さければ引き摺りが発生して余分な走行抵抗となる。 ブレーキを踏むとピストンがパッドをローターに押しつけるが、ブレーキをリリースしたらパッドはローターから離れる。いったいどうやって離れるのだろう。それは次のリンク先に詳しい。 http://www.advicsaftermarket.co.jp/support/brake/detail/80/index.html この説明にある「シールの変形」で示されているシールというのが上の写真のゴムである。
【新しいシールの効果】 ジャッキアップしてタイヤを手で回すと、大抵はパッドとローターが擦れてシャーッという音が発生する。ドラムブレーキが装着されるタイヤを手で回すと、ほとんど抵抗がなく、クルクルと回り続けるものだが、ディスクブレーキ装着のタイヤはブレーキの引き摺り抵抗ですぐに止まってしまう。 小型車に前輪ディスク&後輪ドラムという形式が多いのは、ブレーキの負荷の大小もあるが、走行抵抗を減らして燃費を良くしたいという思いが一部には含まれているのではないかと思ってしまう。 S&Eブレーキの説明の中に「ピストンシールが劣化するとゴム弾性がなくなり調整機能が失われてくる」と書かれている。 ゴムの劣化は日々僅かずつ進むので、なかなか実感として得ることはできない。だから定期交換をしなさい、ということになるのだが、今回、それを身を持って経験したということである。 GC8インプレッサでもBL5レガシィでも、年月を経ると、タイヤを回す抵抗が新車の頃と比べて何となく増えてきているような気がしていた。そして、解決策は存在しないものと思っていた。 ところが、ピストンシールを交換してみると、タイヤが軽く回るようになり、ブレーキがシャーッと鳴ることがなくなったのだ。大人しく乗っていても、5年半でゴムは劣化していたということが判明し、ちょっと驚いた。 現在、シビアコンディション以外ではシールの交換時期が示されていないのに。 新車時は燃費が良かったのに・・・と思うのは、気のせいや運転が荒っぽくなったわけではなく、ブレーキのシールが劣化して引き摺り抵抗が大きくなったのが原因の一つになっていたのだ。 そういうことだったのか! それなら、リアブレーキのゴムシールも交換してやろうじゃないか。 クルマの燃費改善というものは細かなことの積み重ねが大事なのだ。
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ブレーキの引き摺り抵抗を減らして燃費を良くしようという策は、見えないところで色々となされている。 http://www.akebono-brake.com/product_technology/technology/next_generation/index.html http://www.carworld-jp.info/car/mazda/demio07/html/index4d.shtml |