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トー調整

トー角は進行方向にすぼむような形でつけられることが多かった。それはキャンバ角がポジティブにセットされたタイヤの進む方向を補正しようと考えられていたからだというこちら(画面左の構造検査基準→サイドスリップ)が参考になる。

しかし、キャンバ角がネガティブにセットされることがある現在でも、トーをインに向けることが依然として多い。詳細はこちらで。

今までの経験では、ネガティブキャンバを大きくつけているクルマにおいて、トーアウトではステアリングが落ち着かずにフラフラし、トーインにすればセンターの節度が強く感じられるようになった。

高速走行での抵抗を減らすことを考えると、トー角はゼロが良い。しかし、BL5のようにセンターの節度感が少ないクルマの場合はトーインをつけたくなる。車検(画面左の不合格時の対応→サイドスリップ)のことを考えると、ネガティブキャンバの車両にトーインはあまり大きくつけられないので、最大1mmぐらいで考えるといいだろう。

  

@まずは平坦な場所にクルマを停め、ステアリングホイールをまっすぐにしておく。

そして、人力でクルマを前後に動かして、ストレス(ブッシュのねじれやバネの縮みなど)を発散させておく。

直進状態でステアリングホイールがずれている場合は、FとGにあるタイロッドを回して、ステアリングホイールがセンター位置で直進するよう調整する。

Aトー測定には次の道具を使う。

メジャーは当然だが、ガムテープはメジャー固定のため、サノバガンの容器はメジャーの高さを一定にするために使う。サノバガンの中身はいらない。

B始めにタイヤ接地面より前側で測定する。

タイヤのトレッド面にメジャーをテープで貼り付ける。貼る位置は、本来ならタイヤの前後の端(ホイールセンターの高さ)が良いが、それは物理的に不可能なので、 可能な限り高い場所にする。

そして、その高さを測定するたびに一定に(メジャーを水平に)するために何らかの 基準となる物体を用意しておく(ここではサノバガン)

このテープは測定終了まで剥がさない。

C測定可能な最も高い位置がサノバガンの高さなので、反対側のタイヤのトレッド面でサノバガンの高さでメジャーをピンと張る。

そして、自分が決めたポイント(たとえば最も外側の溝の外寄りの縁)の数値を記録する。

D次に、メジャーをタイヤに貼ったままで車両を前に進めて、接地面より後ろ側にメジャーを移動する。これにより、測定誤差を なくす。

なお、メジャーの高さは前側と同じにする。これはキャンバによる誤差をなくすためである。

E反対側のタイヤトレッド面において、Cと同様に自分が決めたポイントでの数値を読み取る。

前後の数値の差でトーの向きが分かる。ただし、タイヤの前後端で計ったのではないため、得られた数値は実際のトーの量より小さいことを考慮すべきである。

F今回は前後の差が0以上0.5mm以下のトーイン(前すぼみ)であったので、これでOKとする。

Gもし、測定値に1mm以上の差があれば、タイロッドを回して調整する。ロッドを回した量とタイヤが動く量の関係はクルマによって異なるので、調整しては測定するということを繰り返す。こちら(不合格時の対応→サイドスリップ)が参考になる。

調整するにはジャッキアップが必要であるが、タイヤを外すことはない。下に潜るのが嫌ならタイヤを外してもいい。

ステアリングホイールがセンターで直進し、トーがゼロ付近になることを目標にするが、極端なトーインとトーアウトの感触を知っておくのもいいだろう。

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