--------------------------------------------------------------

150r

4AT

157.5万円(税込)

これは「ドア」という名前のクルマである。最大の売り物が大開口の助手席側ドアなので、こんな名前になったが、フランス語を使えばいいというものではない。まあフランスに輸出はしないだろうからいいか。。。

プジョー1007の両側スライドドアのヒントになったかもしれないポルテに乗り、1007と比べてみよう。

ポルテの外観は丸いキュートな普通の形であり、1007のようなエキセントリックなものではないので、一般人の受けはいいだろう。

全長3990mm、全高1720mmというサイズから分かるように、居住空間は長さではなく高さで稼ごうとしている。床面の高さが地上から300mmということもあり、室内高は十分にあり、ウォークスルーが自在に可能になっているのが面白い。

運転席のポジションを設定するためにステアリングホイールを調整しようとしたが、これは上下にしか動かせず、センターメーターのポルテではチルトステアリングの意味はあまりないと思った。ハンドルが遠いのは常なので、背もたれをかなり立てて適正なポジションを取った。

静かに動かしてみると、スロットルペダルのヘニャッとしたタッチが気になった。遊びが多いだけだったのかもしれないが、剛性感のない小さいペダルはまるで軽自動車に乗っているかのようであった。

駐車ブレーキは、この室内のレイアウトからして当然足踏み式となっていた。AT車を運転する時には私は左足でブレーキペダルを踏むので、フットレストから左足をブレーキペダルに移動しようとすると、つま先が駐車ブレーキのペダルに引っかかってしまった。日産のコンパクトカーではこのような事例があったが、トヨタまでもが同じような設計をしているとは思わなかった。あと2cmだけでいいからリリースした駐車ブレーキのペダル位置を高くして欲しい。

やや混雑した国道の上り坂を走ると、トルコンのルーズさからCVTかなと勘違いしてしまった。だが、VitzやRactisとは異なり、ポルテには普通の4段ATが載っている。フィーリングは普通で、特に述べるようなことはない。

たまに走る通勤路を巡ってみると、クルマ全体がドタバタして、車内のあちらこちらからギシギシ、ゴトゴト、バタバタと音が出て、落ち着かない走りを披露してくれた。ポルテは1007よりも車体が大きいのに重量が軽いため、ボディが華奢なのかもしれない。背が高いのにロール感が気になることはなかったので、脚が硬いのだと思うが、ピョコピョコした乗り味は疲れてしまう。

室内はシンプルで、取り立てて面白いものを見つけることはできなかった。4人がゆったりと乗れる広さがあり、歩き回ることができるのが取り柄と言えよう。もちろん大開口スライドドアは最大の特長であり、助手席のポジションを運転席(身長175cmで設定)と同一にしてみると、助手席に乗員が座っていても左側のスライドドアから後席に出入りするのは容易であった。

ポルテは予想していたとおり、長距離を一気に走破するクルマではなく、奥方が短距離の街乗りのみに使う小道具であり、1007とは似て非なるクルマであると分かった。手軽な足として使うのならMOVE等の軽自動車でも何ら問題はないので、スライドドアにこだわらなければ、わざわざ選ぶこともない。

 

戻る

 

inserted by FC2 system