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X Limited

FWD

CVT

132万円(5%税抜)

2010年12月、MOVEがモデルチェンジし、LA100S(FWD)/110S(4WD)となった。

最近流行の事前宣伝(teaser site)を見る機会がなかったことから、今回のモデルチェンジは突然の出来事に思えてしまったが、MOVEのモデルチェンジサイクルは通常4年なので、驚いている私のほうがおかしいのである。むしろ4年2ヶ月もL175Sが販売されていたことのほうが異例といえる。

今回のモデルチェンジにおける話題は、軽量化と燃費改良である。

まずは車両重量を見てみよう。CVTを搭載したX Limitedで比較すると、L175Sに対してLA100Sは30kgも軽くなっている。また、燃費は22km/Lから27km/L(アイドリングストップ機能がないモデルは25km/L)へと改良されている。

同じような部品を使いながらわずか4年ほどで大幅な改良ができるとは、ダイハツはなかなかの技術を有していると考えられる。

http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/pickup/20101213/1033917/

一方で新型の内容によく理解できないところが存在する。それはホイールベースの短縮である。MOVEは初代からL175Sまでモデルチェンジのたびに一貫してホイールベースを伸ばしてきたのに、今回初めて35mm短縮したのである。

その理由は今のところどこにも書かれていない。そこで素人が推測をしてみると、軽量化と車体剛性確保の両立のためではないかと考えるのである。

L175Sのように四隅にタイヤを配すると、サスペンション取り付け部のたわみを少なくするためにはボディの広い範囲を高剛性にしなければならない。しかし、ホイールベースを短くすると、高い剛性を必要とする範囲を狭くすることができ、軽量化に繋がると考えられるのだ。また、オーバーハングを伸ばすことで衝突時に潰れる部分を増やし、 対人・対物・乗員の安全性のバランスを取りやすいとも考えられる。

こんな想像をしたが、果たして正解なのか。

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ダイハツの販売店を訪れ、さっそく販売員に尋ねてみると、ホイールベース短縮の理由を「知らない」という。

今まで培ってきたポリシーに逆行するような商品設計になっているのに、販売員は何も思わないのだろうか。情けないものだ。

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ともかく、ノーマルタイプのX Limitedに乗ってみよう。

これはXにカーナビゲーションが付いて10万円アップというとても魅力的なモデルである。ただし、132万円という軽自動車にしては高い価格設定がなされている。

まずはエンジンが冷えた状態で乗り込み、極めてゆっくりと信号まで走らせたところ、冷間時のマナーはとても良かった。エンジン冷却水の早期温度上昇を目論んでエンジン回転数を高めに維持するようなことはなく、ギクシャクすることもないし変な音も出さなかった。軽自動車なのに良く出来ている。

試乗車は燃費が27km/Lのモデルであったので、赤信号で待っている間に燃費計を表示させてみたところ、8.4km/Lを示していた(累積燃費)。そして、その数値はみるみる下がり、信号が青に変わるときには8.0km/Lになっていた。まだ下ろしたての新車であり、店舗内での短距離移動や短時間のエンジン稼働などが多く、まともに走った距離が短いと思われるので、悪い数値は仕方がない。

燃費計のリセットの方法が分からなかったので、そのままで走らせた。

国道を少し高めの速度で走らせていると、ヒューヒューという変な音が聞こえてきた。窓が開いていたのか?  いや、乗り込んでドアを閉めるときに私も販売員も一度は半ドアにしてしまうほどの気密性の良さを感じたので(これには驚いた)、窓は閉まっていたはずだ。

試乗車にドアバイザーなどの付属品は付いていなかったので、風切り音の発生源としてはドアミラーが怪しい。そう思ってミラーを畳むと(電動格納機能が付いている!)、たちまち静かになった。こんなにも明瞭な騒音発生源を残したまま販売してしまった理由は何なのだろう。不思議なものだ。

一方で低速走行における静かさは格別であった。L175Sで気になったCVTの音が出なくなったのは重要なポイントである。

また、L175Sで気になっていたフロントの三角窓周辺の視界は格段に良くなった。

信号で止まると、エンジンが停止した。特にブレーキペダルの踏み込み量を意識していなかった(私の運転ではあまり踏み込むことはない)のにアイドリングストップするということは、水温が基準以上であって基準以上の速度から停止すれば必ずエンジンが止まるようになっていると思われた。

それを他の赤信号で検証すると、確かにそのとおりで、出来る限り穏やかに停止させてもエンジンは止まった。一方、再始動のタイミングは、ブレーキペダルを戻していく途中にあり、タイムラグに不満を抱くようなことはなかった。

新型MOVEはターボ付きモデル以外は全車タイヤサイズが14インチ(155/65)になった。フラフラして頼りない13インチをやめたのは良い判断だと思う。交換時のタイヤ代は少し高いが、14インチは寿命が長いと想像するので(オカンの原動機付草履で実験中)、維持費はそんなに差が付かないだろう。

HANKOOKタイヤを履いた試乗車はとても乗り心地が滑らかで感心した。KUMHOの14インチを履いたオカンの原動機付草履(L150S)のガタガタした乗り味と比べて格段に進歩していることが感じられた。

しかし、良いところばかりではない。前席シートの座面長が短く、ちょこんと腰を掛けるようなスタイルで運転することになり、体が安定しないのだ。L150Sのシートは座面長にまったく不満がないというのに。 。

後席は従前と似たようなもので、ロングスライドとリクライニングが可能で、様々な状況に対応できるはずだ。LA100SのホイールベースはL150Sより65mmも長いので、広さに不満などあるはずがない。

荷室はスペアタイヤの廃止によって床下収納が増えた。パンクしたら修理キットを使うというが、ホイールナットレンチが車載工具に含まれているのはなぜか(謎)。

あまり走行環境が芳しくないコースの試乗を終えて店に戻ったとき、燃費計は17km/Lを示していた。この結果を見ると20km/Lは現実的な数字だと思われる。

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L175SからLA100Sになって、同じ型式のエンジンなのにパワーがダウンした。全力走行をしていないのでなんとも言えないが、ちょい乗りで不満を覚えることはなかった。燃費改良のためにEGRを大量に入れるようになった(スロットル開度を大きくさせてポンピングロスを減らす)というが、それ以外にもカム仕様も変更されているのではないだろうか。

LA100Sには助手席下の物入れ(←L150Sにも付いていたかな)やインパネアッパーボックスなど、ワゴンRの装備を新たに採用してきたのが目立つ。強敵に対して同じ武器を持って戦いを挑む新型MOVEはどんな成績を上げるだろう。L175Sのモデル末期には顕著な販売台数低下があったので、これから楽しみである 。

オカンの原動機付草履(L150S)と比較して格段に乗り心地が良くなり、静かになり、燃費が良くなっていた。果たして老母は原動機付草履を買い換えるだろうか。18DEC2010

【ホイールベースを短縮した理由】

私の推測をお読みになった方から次のとおり情報をいただいた。

 先代は、ホイールベースを2490mmと長くして室内空間を最大限に広くしたプラットフォームを採用していた。新型ではこのプラットフォームを刷新し、ホイールベースを35mm削減している。先代のプラットフォームは、車両質量が重くなることと、エンジンルームが狭くなるため冷却性能に劣る点が課題であり、今回質量を軽くして燃費を高めるためにホイールベースを短くした。

この内容は日経BPのTech-Onに記載されたものである。

部分的に想像が当たったが、冷却性能には目を向けていなかった。

トータルバランスを考えると、クルマの設計は難しいものだと思う。

FALKENタイヤを履いたノーマルMOVE

先日、LA100Sのノーマルタイプとカスタムの乗り味を比較してみたところ、大きな差があった。しかし、それらが履いていたタイヤ銘柄が異なっていたため(HANKOOKとFALKEN)、車両自体の差異がどれぐらいのレベルで存在するのか判断できなかった。

そこで、HANKOOKタイヤに銘柄を揃えた上で乗り味を比べたいと考えていたが、それは叶わず、FALKENタイヤを履いたノーマルタイプを山道で試す機会を得て、HANKOOKタイヤとFALKENタイヤの比較をすることになった 。

FALKENを履いたX Limitedは、走り始めから路面に対するタイヤの当たりが硬いような印象があった。タイヤの感触を詳しく知るために選んだ急な上り&急なカーブの道では、あまりに遅いRX450hに行く手を阻まれたため、残念ながら何も得るものはなかった。

RX450hが消えてからフルスロットルで走らせた中速カーブが連続する山道ではタイヤのグリップ感に特段の問題は感じられなかった。タイヤが鳴くまで速度を高めようとしたのだが、脚の柔らかさが目立ってしまい、上屋の揺れ方がちょっと不安定な感じになったため、 タイヤのグリップ感が変化する領域まで踏み込むことができなかったのである。ノーマルタイプでは脚に対してタイヤのグリップが勝っているようだ。

山道のカーブによくある減速帯の凸凹塗装の上を走らせると、そのショックはかなりダイレクトに伝わってきて、ここでも「FALKENは硬い」という印象を持った。ただ、同じ道をHANKOOKタイヤで走らせたわけではないので比較できない。

今回は何とも中途半端なことをしてしまったものだ。本日訪問した店にはFALKENを履いたノーマルとFALKENを履いたカスタムが用意されていたので、それらで車両の乗り比べ(ノーマル vs. カスタム)をすべきであった。

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本日は100km/hまでの加速を試してみたが、ドアミラーの風切り音は聞こえてこなかった。全力加速中にはノイズが高まるため、それに隠れてしまうのだろう。15JAN2011

Custom

G

FWD

CVT

140万円(5%税抜)

 

上記のノーマルタイプがある店にはカスタムのGグレードも用意されている。

カタログの上で見て取れるノーマルとカスタムの差異は、フロントのスタビライザの有無である。タイヤサイズは全車共通である(ターボモデルを除く)ので、スプリングとダンパーの設定も全車共通ではないかと想像していたが、果たしてそうなのか。ちょっとひと回りして乗り味を比較してみることにした

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カスタムの室内はよくある黒と銀の組み合わせであり、販売員はスポーティなイメージを出していると説明するが、あまりにも普通で面白くない。ダイハツはコペンで色々と面白い試みをしているし、L150Sでは青色のシート地が印象的であったのに、どうしてこんなことになるのだろう。ワゴンRに勝つためには差別化を図る必要があると思う。

カスタムにはタコメータが備わるので、エンジンの稼働状態が分かる。普通に走らせている分には2000rpm以下で事が足りる。急な上り坂(10%程度)や意図的な強めの加速中であっても3000rpmぐらいまで回せばいい。低速での一定速度では1100〜1200rpmぐらいでトコトコと転がってくれるのはとても興味深い。3気筒エンジンで、しかも負担が重い(0.66Lで830kgを動かすということは2.0Lで2500kgの車体を動かすことに相当する。つまり、レガシィの1.7倍の負担が掛かっているのである。)のに、こんなに普通に走ってしまうとは、素晴らしいというしかない。

カスタムの乗り心地は予想していた以上に硬かった。ノーマルタイプの滑らかな感触と比べると、ツンツンと突っ張った感触が印象に残った。スタビライザが存在すると左右のタイヤの ストロークが制限され、脚が動き難い感じになるのだが、左右で同時に段差を踏み越える場面でも突っ張っていたので、この乗り味はスタビライザの影響ではなさそうだ。 また、ノーマルタイプでも通った下りの連続カーブを走らせると、凸凹による上屋の揺れはカスタムのほうが大きく、感覚的な安定感は劣っているように感じられた。

試乗車のタイヤ銘柄はFALKENであり、ノーマルタイプのHANKOOKとは異なっていた。だが、14インチタイヤは様々な銘柄の中からカスタムもノーマルタイプも区別なく装着される(時期によって異なる)というので、偶然と考えられる。

タイヤはダイハツの基準に合致した仕様で納入されているはずだが、乗り心地が同じであるとは限らない。今までFALKENが乗り心地の面で良い評価を受けているのをほとんど見たことがないので、もしかするとカスタムとノーマルタイプの乗り心地の差はタイヤ銘柄に起因する可能性はある。また、タイヤの内圧の影響も考えられる。試乗車の管理はあまり厳密になされているとは思えないので。

そこで、もう少し具体的に検証をしてみようと思い、車体を揺すって脚の硬さを確認してみることにした。L150Sでは洗車後やオイル交換時に車体を揺することがあるので、それと比べることにする。まずはノーマルタイプの運転席ドアを開けてルーフの端を間歇的に上に押し上げてみると、L150Sよりも揺れのリズムが少し速く、バネがやや硬い感触があった。カスタムでも同様にしてみると、さらにリズムが速くなっていた。この作業はローリング時の動きをみているため、スタビライザによる影響も含まれており、バネ定数にはほとんど差がないような気がした。

カスタムとノーマルタイプではバネの設定に顕著な差はないと感じたので、現時点では乗り味の差はタイヤ銘柄によるものと推測する。HANKOOKを履いたカスタムがあれば試してみたいものである 。

風切り音と運転席の座面の短さはカスタムでも同様であった。05JAN2011

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販売員は前回の私の質問を覚えていたようで、ホイールベース短縮の理由を対人衝突安全性の向上とエンジン冷却性の改善であると述べた。まともな対応のできる人であることが分かって良かった。

"SA"

FWD

CVT

写真:ダイハツ工業

113万円(5%税込)

2012年12月にLA100/110SのMOVEがマイナーチェンジを受けた。

LA100/110Sは発売からちょうど2年経過したので、予想通りのタイミングではあるが、変更内容は意外にも大きいものであった。

最も目立つところとしてインパネの刷新が挙げられる。普通は小さな部品の変更でお茶を濁すことが多いものだが、新MOVEでは変速機のセレクタ以外に同じ部品はないのではないかと思えるほどの大変身となった。その変身が良かったかどうかは何とも言えないが、個人的にはセンターメーターを好まないため、良い方向になったと感じている。

外装については大きく変わっていないが、標準系とカスタム系のマスクが似てしまったことが残念である。ボンネットを共用部品にしたのはコスト削減のためであろう。

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試乗車は標準系とカスタム系(ノンターボ)の両方が用意されていたが、乗ったのは標準系である。オカンの原動機付草履(L150S)の次期候補としてはそのほうが適当と勝手に思っている。

まずは運転席のドアを開けてボディを手で揺らしてみると、L150Sのように大きく緩やかに揺れることはなく、早い周期で小さく揺れた。スタビライザが新設定されたことが動きに反映されているようだ。LA100Sのデビュー時にも標準系とカスタム系を揺らしてみたのだが、2年も経っていると記憶から消えてしまっており、残念ながら変化の度合いを述べることができない。

動かしてみても、初期のLA100Sとの差異は分からず、L150Sとの比較になってしまう。まあ買い替えにあたってはそれでいいのかもしれない。

ゼロ発進では、気を付けていないとドンと飛び出すL150Sに対し、LA100Sはまったりと穏やかに動き出した。これは今回のマイナーチェンジで燃費向上のために高められたファイナル比の影響なのだろう(5.444→4.523)。ペダル操作に気を遣わなくていい反面、グンッと加速したいと思ったときに期待に応えてくれないのは困る。

走行中のエンジン回転数は分からないが、街乗りでは総じて静かに走ってくれることは分かった。初期のLA100Sも静かではあったので、ファイナル比の変更によって使用するエンジン回転数が変化したかどうかは不明である。無段変速機を使用しているので街乗り(20〜60km/h程度)で使用する回転数はおそらく同じようなものと思われるが、高速走行時には違いが出るだろう。

車体の安定感が高まったというので、ちょっと素早いレーンチェンジをしてみると、L150Sと比べると確かに車体のロールが小さいことが分かった。乗り心地は悪くないので、これはなかなか良いチューニングである。

ブレーキのサイズは前後共に大きくなったらしい。L150Sではフィーリングや摩材の減り具合に不満を感じていないので、どれぐらいのメリットがあるのか想像しにくく、実車で違いを確かめようと思っていた。新MOVEで軽いブレーキングから強めのブレーキングまで試してみたが、街乗りではペダルタッチの改良を認識することはできなかった。フロントローターが通気式になり、リアドラムが大きくなったことで連続使用時の信頼性が高まった(フェードを起こしにくい)と考えればいいだろう。

"SA"というのは最近流行のぶつからない技術を搭載したモデルに付く名称である。これにより、先行車と20km/hの速度差があっても止まってくれるという。公道でテストするわけにはいかないので、特に装着されていることを意識していなかったが、信号待ちで停止する際に「ピピッ」と警報が鳴った。何だったのだろう。あまり際どいブレーキングをしたつもりではなかったのだが、先行車との距離と走行速度からセンサーは危険を察知したのだろう。だが、ブレーキングに対してアシストが入ることはなかった。

アイドリングストップが作動する速度が9km/hとなり、停車する前にエンジンが止まるという。実際の走行では、余裕をもって減速していくと確かにエンジンが早めに止まることが分かった。しかし、混雑した道路環境では、多くの場面で赤信号で停車する場合に減速Gが高くなってしまい、停車と同時にエンジンが止まることとなった。本日の環境ではあまりメリットを感じ取ることができなかった。

新MOVEは乗り心地の良さと車両がふらふらしないことをうまく両立したモデルであり、ワゴンRよりも良くできていると感じた。軽自動車の競争は熾烈である。

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初めに見た新MOVEはカスタムXであり、それにはBSのECOPIAが装着されていた。スズキに負けられない燃費(29.0km/L)を出す為にタイヤにお金を掛けたのかと思っていたのだが、標準系のタイヤは相変わらずHANKOOKであった。HANKOOKでも良い燃費が出せるというのはなかなか素晴らしい。04JAN2013

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【余談】

CVTオイル(fluid)の温度管理

今回の燃費改善の主要な手立てはファイナルギア比変更に留まらず、CVT fluidを素早く温めることも含まれるという。そんなことはすでにJatcoが実施済みのこと(日産モコに採用されているということは、MRワゴンやワゴンRのCVT7にも当然採用されているはず)であり、普通のATなら昔からエンジン冷却水でfluidの温度安定化を図っている。どうして今になってダイハツ(AISIN AW)はそんなことをわざわざ宣伝するのだろう(黙っていればいいのに・・・恥ずかしい)

普通のATは、もしかすると油温が高くなりすぎるのを防ぐためにエンジン冷却水を利用しているのかもしれない。それに対して、CVTは油温があまり高くならないため、本来は対策が要らなかったということか。。

LEDヘッドランプ

カスタム系のヘッドランプにはHIDではなく、LEDを採用したという。レクサスLSに採用されたときにはかなりの高コスト部品であると聞いていたが、その後のプリウスの大ヒットによってLEDヘッドランプの出荷数が増大し、原価が下がったのだろう。

サスペンション

店頭にあった新MOVEはカスタムXと標準系のLであった。これらは同じエンジンを積んでおり、タイヤサイズも同一であるため、脚のセットアップに差をつけているのかという点が気になった。LA100Sデビュー時にはスタビライザの有無によってダンパーやばねの設定を別々の仕様にしていたらしいが、新MOVE(マイナーチェンジ後)にはスタビライザが全車に装着されたので、カスタム系と標準系の其々の性格に合わせて微調整をするという丁寧な仕事がなされているかということに着目したのである。

店長に尋ねてみたところ、「共にローダウンサスと書いてあるから同じでしょう」という何とも無責任な回答を出してきた。店長という肩書きがありながら「車高が同じだから同じ脚だ」と言ってのけるとは、かなりの人物だ!! 

また、副店長にも尋ねてみたところ、「そんなこと(脚の設定)が購入の決め手になるのか?」と聞いてきた。この輩はとんでもない莫迦である。ホンダNシリーズの躍進とスズキの技(ワゴンRの燃費28.8km/L)に対してダイハツ工業がどれだけ危機感を抱いているのか分かっていないのだろうか。。。かなり低下してしまったムーヴの売り上げを回復させようと、あれだけTV-CMで頑張って操縦性・安定性(つまりは脚の設定)の改良を宣伝しているというのに。

サービス部門に ダンパーとスプリングの部品番号を確認してもらうと、「標準系とカスタム系の自然吸気エンジンモデルの脚は同一である」との見解が示された。

スマートアシスト

低速域衝突回避支援ブレーキ体験

ダイハツ販売店の敷地内で緊急停止の体験ができるという話があったので、老母と一緒にちょっと試してみることにした。

まずはほとんどクリープの状態で的に向かって進むと、直前で強いブレーキが作動して緊急停止した。その際、ABSのような音と振動がとても騒々しく感じられた。

次に、約20km/hで的に向かうと、先ほどより少し早目に緊急ブレーキを開始し、ぶつからずに止まった。

老母は「もっと穏やかに止まるものと思っていた」と感想を漏らした。こんな装置は不用だという。04AUG2013

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老母はアイサイトの前走車追従機能を使って走らせた経験に基づいて自分なりのイメージを作っていたようだ。今後、アイサイトの緊急ブレーキを経験したら、アイサイトも要らないと言いそうだ。

"SA"

FWD

助手席にて

販売店でオカンの原動機付き草履(L150S)をチェックしてもらった。時間があったのでLA100Sに老母が試乗 することになり、私は助手席に乗り込んだ。

私は1年前に同グレードの車両に乗って良い印象を抱いたものだが、今回のMOVEはあまり良い印象を残してくれなかった。基本的に仕様変更はなさそうなので、ちょっと不思議だ。

最も大きなマイナス点は乗り心地にしなやかさを欠いていることであった。タイヤ銘柄を見なかったので実際のところは不明だが、もしかするとFALKENを履いていたのかもしれない。 様々な銘柄のタイヤが装着されるモデルにおいては、タイヤの目視確認をしておくべきであった。

老母はLA100Sの加速応答性には不満を述べなかった。また、毛嫌いしていたアイドリングストップ機能にも特に違和感を抱かなかったようだ。ただ、ステアリングが軽すぎて安定しないという不安を漏らしていた。

L150Sと比べて良い点は静かさ(エンジン)、滑らかさ(CVT)、そしておそらく低燃費であることだ。しかし、乗り心地は若干悪い(荒い)のが欠点だ。

消費税率や軽自動車税が高まる時期を考慮し、購入を念頭に乗ってみたが、この内容では買う気が起こらなかった。今回はオカンの原動機付き草履を修理し、あと2年ぐらい乗ってもらい、その頃に次期MOVEが出ていたらまた考えよう。03JAN2014

Custom

RS  "SA"

FWD

CVT

写真:ダイハツ工業

148万円(5%税込)

2013年は新車販売台数のうち軽自動車が約40%を占めるまでになり、軽を扱う各メーカーは自社のシェアを高めるために試行錯誤をしているようだ。

その策のひとつとしてターボ付きエンジンの搭載モデルを増やすことが挙げられる。登録車(白ナンバー)から軽に乗り換える人も多いようなので、「思い通りに走らない」という不満が出ないよう商品を用意しておかねばならないのだ。

昔は「カスタム」などというスポーティを謳うモデル以外でもターボ付きエンジンを選択できたものだが《オカンの原動機付き草履(L150S)のラインアップに「Lターボというグレードがあった》、最近、またそういう考え方が復活しつつあるのは面白いことだ。

ホンダは特にターボ付きエンジンの搭載に積極的で、Nシリーズ(N-BOX、N-ONE、N-WGN)ではノーマルタイプにおいてもターボを選択できる。

スズキではノーマルタイプでターボ付きエンジンを選択できる車種は限られている。ラパンではターボを選ぶ人は多くないと思うが、スペーシアはターボが良かった。しかし、ワゴンRでターボは今のところStingrayだけに設定される。

ダイハツではタントのノーマルタイプにもターボ付きエンジンが載った。これはホンダとスズキの影響を受けたものだろう(ターボ仕様を出さなければ他社に逃げられる!)。そして、MOVEでも同様にノーマルタイプにターボが追加された。

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MOVEのノーマルタイプのターボに乗ってみたいと思っていたのだが、試乗車検索をしても近所には「Xターボ」がまったくなかった(東京にはある)。そこで、とりあえず従前からターボ付きエンジンが搭載されている「カスタムRS」に乗って雰囲気を味わってみることにした。LA100Sのターボ 仕様に乗るのは今回が初めてである。果たして軽で一番の乗り味なのだろうか。

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カスタムRSの試乗車は近くの2店舗にあるという。クルマを数分走らせてダイハツの店に着くと、カスタムRSが待っていた。

試乗車はスマートアシストとアイドリングストップが付いた最新モデルであり、総走行距離はなんと22km。1月3日から稼働している新車だという。

新車なので乱暴に扱わず、各部の当たり付けをすべく穏やかに運転することに決めた。販売員も同じ思いだったのか知らないが、入念な暖機運転を実施してくれていた。

まずは上り坂でスタートするので、ゆっくり走らせると、2000rpmを上限にしてトコトコと進んでくれることが判った。CVTとターボの組み合わせは良いものだ。

ブレーキパッドとローターを馴染ませるため、下り坂でしばらく軽いブレーキングを実施し、それから踏力を強めたり弱めたりしながらペダルタッチを確認してみた。その結果、RSのブレーキはタッチが とても柔らかく、ローター温度が上がっても制動感にほとんど変化がないことが判った。制動力に温度依存性がないのは良いことだが、もっとペダルタッチをしっかりさせて欲しいものだ。

乗り心地は先日のLグレードよりも良いような気がした(走行場所は異なる)。RSのサスペンション設定がLより柔らかいことはないので、DUNLOPの15インチタイヤがうまく衝撃を吸収してくれていたのかと思う。ただ、 思っていた以上に脚がソフトだということは、ブレーキングテストでの前後揺れや高い速度での左右揺れが大きくて安定しないことから想像できる。

国道に出るまでの急な上り坂に向かうと、非常に遅いAQUAに行く手を阻まれた。そんな状況では1600〜2000rpmで走らせることが可能であった。4000rpmで最大トルクが出るエンジンではあるが、実のところかなり低回転域から過給の効果は得られるようだ(エンジン性能曲線は残念ながら一般人に公開されていない)。

曲率が小さく傾斜も小さい山道でハイスピード走行を試すと、軽自動車らしい不安定感はあるものの、100km先の海(いつもの釣り場)まで走らせてみてもいいかなと思える快適性は確保されていた。

発進から緩やかに加速すると、1600rpm程度をしばらく維持しながら速度を増していき、ギア比が最小になってからはエンジン回転数の高まりに応じて速度が増し、2000rpmでは約75km/hになっていた。

国道を逸れて狭く曲率の大きい山道に入り、セレクタをDからSに移動すると、高めのエンジン回転数を使うようになり、加減速の反応が良くなった。Sレンジは有用ではあったが、Dとの差異が大きすぎるので、その間にもう一つの選択肢が欲しい。また、ステアフィーリングが希薄で、脚が柔らかいため、フロントタイヤのグリップ感(粘り具合)が認識できない不安感があった。

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MOVE Custom RSといえばちょっと尖がった軽自動車だという認識があった。しかし時代は移り変わり、今のLA100SのRSはまったくそういう感じがなく、まったりした軽自動車らしいモデルに成り下がっていた。

一昔前はダイハツの軽の乗り味が一番であったが、今はホンダのN-WGNカスタムターボが良いと思う。N-WGNは軽自動車らしい不安定な動きがなく、安心して乗っていられるのだ。

11JAN2014

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【余談】

ターボ付きエンジンをラインアップに持つ車種では、トランスミッションのギア比は一般的に自然吸気モデルよりターボモデルのほうが高く設定されている。それは、大きいエンジントルクが高いギア比をカバーできるからである。

LA100S型MOVEもデビュー時はそうなっており、最終減速比は自然吸気モデルで5.444、ターボモデルで4.800であった(CVTの変速比は同一)。

ところが、マイナーチェンジ時には燃費が良くなったように見せかけるため、自然吸気モデルの最終減速比が4.523に変更された。ターボモデルは相変わらず4.800であるため、逆転現象が起こったというわけだ。

29km/Lだ30km/Lだと燃費競争が熾烈を極めるため、ダイハツはギア比を高めるという安易な手段を選んでしまい、自然吸気モデルは発進加速がとても鈍くなってしまったが、ターボモデルは先代(L175S)からギア比を変えずに来ているので、性能のバランスは良い。

ターボモデルでも燃費競争をするようになると、ダイハツはまたギア比に手を付けることになるかもしれない。

LA100Sのターボモデルでは燃費を良くするためにアイドリングストップ機構を付けた。それによって現在のRSの燃費は25.2km/Lというなかなかの値になった。だが、今回の試乗(13km走行)中にアイドリングが止まることはなかった(アイドリングストップ準備完了の表示がメーター内に出なかった)。いったいどんな条件が整えばアイドリングストップするのだろう。外気温8℃、充分な暖機時間、少し高めのエンジン回転数も使用した連続走行を経て、それでもなお準備完了にならないのだから不思議だ。

ステアリングホイールにはMOMOのロゴが誇らしげに光っている。それなのに、グリップ部に巻かれている革が安っぽく、手触りが悪いことに幻滅した。こんなことではMOMOの名が泣くではないか。我が家のレガシィに純正装着されたMOMOのステアリングの革もあまり良いものではないが、せめてその程度の質感がMOMOブランドとしては欲しい。

X Turbo "SA"

FWD

CVT

写真:ダイハツ工業

135.7714万円(8%税込)

いつ入ったのか知らないが、「Xターボ」の試乗車があったので、ちょっと乗ってみた。

Xターボにはボンネットの前端に空気取り入れ口があるので、それと認識できるが、なんだかデザインに違和感がある。標準系(カスタムではないタイプ)へのターボ導入は当初から計画されていたものではないのだろう。

走らせてみると、ステアリング(パワステ)の感触が昔ながらの電動アシストのものであることが判った。他のグレードでこんなに変な印象を受けた記憶がないのだが、どうしてXターボだけこんなに変なのだろう。常に何か引っかかった感じがあり、止まっていても走っていても回した感触が同じなのである。

また、ブレーキペダルを踏むと、利き始めるポイントまでのストロークが大きいところが気になった。LA100Sはこんなに変なクルマだったのかな。COPEN Robeで過大な遊びを感じたように、最近のダイハツ車はそういうセッティングをするようになったのだろうか。どうも腑に落ちない。

加速性能は一般的な自然吸気エンジンのタイプを遥かに凌ぐという感触があった。ただし、他社のターボ付きモデルと比べて良いか悪いかはよく分からなかった。また、カスタムRSと比べて脚の差異を見出すほどの試乗環境ではなく、あまりよく分からずに終わった。

アイドリングストップの洗練度はなかなかのものであり、クーラーの停止が気になるとき(夏)以外はスイッチをOFFにする必要はないと思う。

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オカンの原動機付草履を買い替えるタイミングが難しい。

LA100S MOVEは2014年末ごろに終了するので、次期MOVEを見てから決めたいと私は思っているのだが、老母はMIRA Cocoaの外観が気に入っているという。そのCocoaのパワートレインが新しくなり、燃費が改善されたというのも気になるポイントだ。

どうしてダイハツは今ごろMIRA Cocoaにテコ入れするのか。

MIRA CocoaはL175S MOVEの時代の車台であるから、素性は悪くはないのだが、次期MOVEが出ると、2世代も古くなってしまうので、そんなモデルを買うのはちょっと嫌な感じがするものだ。

Cocoaのフルチェンジはいつ?

13SEP2014

 

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