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ドライスタートが気になる

クルマに関心の高い人はエンジン始動時のドライスタートを気にするようで、モーターオイルまたは添加剤の宣伝文句に「ドライスタート防止」を謳った製品が多くみられる。

ドライスタートは、エンジンを長時間動かさなかった場合やオイル交換後の再始動時によく発生し、ガラガラ音が数秒間大きく聞こえることによって実感する。

   

長時間動かさなかった場合

エンジンを停止してしばらく経過すると、次の始動の際に流体潤滑が適正に成立するまでにある程度の時間を要する(瞬時に潤滑体勢を確立できない)ことは容易に想像ができる。

これはエンジンの潤滑を司るオイルポンプがエンジンそのものの回転によって作動するため、仕方がないことである。

ドライスタートを防ぐには、エンジン内部のオイルポンプによらず、他のポンプ等から送油することができればよい。スラッジナイザーのように、エンジン停止中に油を強制的にエンジン内に押し入れる装置を想像するといいだろう。しかし、そんなものが家庭用の装置として簡単に用意できるのだろうか。

なんだか大げさなことになってしまいそうなので、ドライスタートには目を瞑って週に1回はクルマに乗るようにすればいい、と諦めてしまいそうになる。

ところが、ちょっと探してみると面白いものが見つかった。

この製品は、エンジン稼働中に油を蓄えておき、ドライスタートが心配になる再始動の直前にその油をバネの力でオイルラインに押し出し、素早い潤滑を手助けするというのだ。もちろん車載可能である。こんなものが本当に必要か否かは別にして、マニアの心をくすぐる商品ではないか。

http://homepage3.nifty.com/ZIP-START/index.htm

  

【オイル交換後の場合】

オイルフィルタを交換すると、フィルタケース内のみならずフィルタの上流(オイルポンプ)および下流に蓄えられていた油が排出されてしまう。すなわち、通常の始動時と比較して油がエンジン内に行き渡る前にそれらの空隙を埋める時間が 余計に必要になり、流体潤滑が成立していない状態でしばらくエンジンが回ることになる。

これに対応する策はなかなか無いのだが、唯一できることといえば、オイルフィルタに油を満たした状態でエンジンにセットするぐらいのものである。

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【私のやり方】

1週間のご無沙汰:

これはいつものことなので特に何もしない。普通に始動させて何ら異状なし。

2週間ぶりの運転:

普通に始動させるのはちょっと気が引けるので、ソケットレンチでクランクシャフトを2〜3回転させて潤滑状態を確認する。それから始動。

長期出張の後:

燃料噴射を止めて(ヒューズを抜いて)、スタータをしばらく回し続け、油圧警告灯が消えたら準備OK。ヒューズを戻して始動。

モーターオイル(オイルフィルタ)交換後:

オイルフィルタを満たした状態でエンジンにセットするのは上述のとおりである。また、オイルポンプに油を回すべく、始動前にレンチでクランクシャフトを2〜3回転させている。 ただし、オイルラインに油を満たすためにはポンプの運動速度が低すぎる(気休めである)と思っている。

クランクシャフトを人力で回すなんて、大昔のような作業をしている、と笑われそうだ。

そんなことをして何かメリットはあるのか?

確かにエンジン内の流体潤滑を成立させるためには部品の運動速度がある程度必要である。レンチを手で回しただけでそれは不可能に決まっている。また、少し期待を抱いている「オイルポンプが油を押し出していること」さえ本当のところは分からない。

しかし、こんな作業をしていて気付いたことがあった。それは、使用しているモーターオイルによって工具を動かす際に必要な力が変わってくることである。

市販のモーターオイルを単独で(市販添加剤を入れずに)使用していた頃と現在とでは明らかにレンチを押す力が異なっている。なぜ、現在はこんなに軽く回るのだろう。

おそらくオベロンの添加剤A620が効果を発揮しているのだろう。手に付いたときのあのヌルヌルした感触がエンジン内でも有効に作用していると想像できる。

ドライスタートの心配をすべきなのかどうかは、この人力クランキングによってある程度は判断が可能であろう。今のところ2週間のご無沙汰なら心配はいらないが、次回使用するモーターオイルでどうなるのかを再確認してみようと思う。

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人力ではエンジン内にオイルを回すという目的は殆ど達成できないと分かっているので、以前の私はスターターモーターでクランキングして油圧警告灯が消えるのを待つという作業をしていた。以前というのは、GC8インプレッサやL150Sムーヴまでのことである。

エンジンを始動させずにクランキングをするためには、燃料噴射関係の電気を遮断しておけばいいのである。すなわち、EGI/EFIのヒューズを抜いておくだけでいいわけだ。

では、BL5レガシィではなぜ同様にやらなかったのか。それは、電子制御が複雑になった車両で「エラー履歴」が残ることを嫌ったからである。

だが、BL5はそんなに電子制御が発達したモデルではなく、バッテリ端子を外せばコンピュータをリセットできるので、今回、ちょっとヒューズを抜いてクランキングしてみようと思い立ったのだ。

ヒューズボックスを開いてみると、燃料噴射に関連すると思しきヒューズが2種類あった。FUEL PUMPとEGI+Bである。それらを取り外してからキーをSTARTまで回してみると・・・

    

短いクランキングの後、エンジンに火が入ったではないか。。。

いつものような燃料ポンプが回る音はしなかったのに、これはいったいどういうことか。

まあ火が入ったとはいっても、それはわずか1秒程度のことであり、すぐにエンジンは失速した。そして、もう一度STARTまでキーを捻ってもエンジンはただ空回りするのみであった。

この現象はやはり燃料の残圧がもたらしたものであると思われる。だが、EGIのヒューズを外せば残圧があったとしてもインジェクタが作動しないので、燃料を噴くことができないはずなのだが。。。

よく分からないが、BL5ではヒューズ外しによるクランキングはうまくいかないということが判明したわけである。29MAR2014

  

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