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C2

1.4 VTR

写真は1.6 VTR

2004年9月、大阪府北部を受け持つ販売店が近所に新設された。これまでは辺鄙な場所に店舗があったため訪問する人が少なかったが、今後は多くの客が訪れることになろう。

まずはC2である。これは2003年12月の大阪モーターショーで出品されているのを見て以来気になっていたモデルである。先行発売されたC3と同じ車台が用いられているが、Junior WRCで戦う車輌のベースにするため、C3よりコンパクトにまとめられている。

C2のトランスミッションはエンジン(1.4と1.6の2種類)に関わらずセンソドライブ(ロボット操作式MT)が備わるのが特徴である。今回乗った1.4 VTRは、1.6 VTRと比較すると、見える部分の違いはタイヤ&ホイールだけである。なお、これらVTRというモデルは外観がスポーティな設定になるだけであり、エンジンは普通のチューニングのものである。高性能エンジンを搭載したモデルはVTSという名で欧州にて販売されている。

外観はVitzと同程度の大きさで、欧州では1人か2人しか乗らないカテゴリのクルマなので、2ドアモデルしか用意されていない。室内はVitzよりも狭い。しかし、リアシートの作りは良く、4人乗りができない訳ではない。ただし、後席乗員のすぐ後ろの天井に理解し難い出っ張り(ヒンジ部分か?)があるため、背が高い人は頭が当たる危険性がある。ヘッドレストが対応できる165cmぐらいまでの身長の人なら、リアに座ることに問題はないだろう。

C2で一番気掛かりであったセンソドライブは、ATモードではやはり変速操作が遅くてスムーズに走るのが難しいが、手動で操作してやればMTを操るよりも的確に走ることができる。ただし、低回転域でのダウンシフトでは操作から実行までかなり待ち時間が必要になる。この手のロボット操作MTは、ギアの数が5段しかない場合にはどうしてもシフトアップ・ダウンともにタイムラグが出てしまう。6段、7段と増やしていくと、もっとスムーズにつなぐことができるだろう。

エンジンはC3の1.4と同じものであるが、トランスミッションが異なるので、走りに違いが出るのか興味があった。C3は普通のトルコン式ATであるため駆動力ロスが多く、満足に走らなかったが、C2は直結ミッションなのでロスが少なく、かなり活発に走ることができた。試しに3人乗りの状態で 2ndギアでフルスロットルにして5500rpmまで回してみたところ、「1.4Lにしては良く走る」と素直に感じた。エンジンは5400rpmで最高出力を発生するという低回転型のため、伸びを期待することはできないが、実用上の不満はあまり出てこないだろう。

また、乗る前は雑誌の評価から脚が硬いというイメージが頭にインプットされていたが、実は185/55R15のタイヤを履く1.4 VTRでは文句を言うほど硬くはなかった。不整路面で車体は大きく揺れるが、シートがショックを吸収してくれるため、体には不快な振動はあまり伝わってこないのである。ただし、この感想は日常的に硬い脚のクルマに乗っている者が述べるものであり、Vitzに慣れている人にとっては非常に硬い脚と感じることは想像に難くない。なお、1.6 VTRはタイヤが195/45R16になるため、本当に硬い乗り味になるらしい。動力性能を重視して1.6Lを選んでしまった場合は、購入後にタイヤサイズを185/55R15に変更するといいかもしれない。

ステアリングには電動パワーアシストが付いているが、普通に走っている限り何ら不満を述べるものではない。パーキングスピードではとても軽くて扱い易い。

シトロエンのイメージといえば従来はソフトな乗り心地というのが一般的であったが、今はWRCでの活躍もあり、「SPORT」という一面も見せている。C2はSPORTの面を強く打ち出した最初のクルマであり、なかなかうまくまとまっている。欧州と同じように1人か2人でしか乗らない家庭環境であれば、このクルマは面白い選択ではないかと思う

XSARA Picasso

ピカソは5人乗りのクルマである。大きい空間を優雅に使うタイプであり、せせこましい7人乗りにしていないところがいい。

前席はソフトなクッションを持ち、従来のシトロエンらしさを備えている。後席は独立した同じ椅子が3つ並んでおり、また床が平らでトンネルがないため、センターに座る人が窮屈な思いをすることはない。

運転席からの眺めは初めて経験するタイプのもので、視界がすばらしく良い。天井もガラス面積が大きく、明るいのが良い。ただ、ボンネットフードはまったく見えないので、前端がどこまであるのか全然分からないのが難点である。

インパネにある空調のパネルに見覚えがあった。それはPEUGEOT 307と同一である。こんなところで部品を共用するという手があったのか。。

走りは穏やかで、先へ先へと急がされることはまったくない。とにかくゆったりと走るのが似合うクルマである。ATはプジョー・シトロエン流のスケジュールでシフトを行い、なかなか4th(TOP)ギアに入らない。だいたい60km/hぐらいで4thに入る。タコメータが付かないのでギア比が分からないが、高速走行時には割りにノイズが大きくなってしまう。シフトレバーにはTipシフトの機能が備わっているが、雪道での発進に困らない限り(1stギアでスリップしてしまうとき以外に)使う機会はまずないだろう。

室内が広くて物を置くスペースも多く、健全なファミリーカーであるといえる。

 

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