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Battery

バッテリの話題はMaintenanceの項に入れるべきかもしれないが、軽量化を目論んで交換したので、こちらに記載することにした。

スバル4WDには寒冷地仕様という設定がない。すべてが寒冷地仕様なのである。したがって、温暖地で使用するにはバッテリ容量に余裕があると考えていい。スバルは「走りの楽しさ」を重視しているというわりに車両の前後重量配分に無頓着のようで、LEGACY、IMPREZA、FORESTERには大きく重いバッテリがエンジンルーム前端に無造作に載っている。トランクルームにバッテリを移動させ、少しでも前輪荷重を減らそうとしているBMW(3シリーズ/E46)と大違いである。私は常にワォッシャータンクを空にしておくほど前側のオーバーハングの重さに気を遣っているのだが、バッテリの移設については配線の準備などに手間がかかるのでWRXでは実施していない。昔のクルマでは重量軽減のためリアシートを外し、重量配分適正化のために助手席の後ろにバッテリを移設していた。ただ、室内にバッテリを置くのは、水素が発生していると思うだけで気分的に良くなかった

新車で買ったときからWRXの大きく重いバッテリは寿命が来たら必ず軽いヤツに交換してやろうと考えていた。これまでの経験からバッテリの寿命は3〜4年と思っていたが、節電走行を心がけていることに加えてバッテリ容量が十二分にあることが重なり、最終的には6年11ヶ月も使うことになった。実はちょうど6年経った2000年の冬、しばらく乗っていない間に一度は始動困難になってしまった(そのときは 50ccバイクにケーブルをつないでしばらく充電するとスターターは回った)のであるが、東京-大阪の往復を1回行ったところ回復した。そして2001年秋、気温が下がってきてスターターの回転が悪くなり始動不能を再発したので、これを機にようやく交換することになった。

軽量化をしたいという目的から DRY Batteryを想像されるかもしれないが、そうではない。普通の電解液が入った最も安価な 38B19 に替えたのである。「B19」という小さいバッテリを標準装着するクルマは少なくなってきたが、シルビア、アルテッツァなどは 34B19 を使っているので、同じ2000ccのWRXでも始動性に問題はないものと判断した。重さは 13.5kgから9kgになり4.5kgも軽量化ができた

38B19L

W129×L190×H203

55D23L

W170×L232×H200

装着を終えるとすぐにエンジンをかけてみたくなるが、新しいバッテリは店に並んでいる間の自己放電があるので果たして始動できるのかと心配した。しかしそれは杞憂だった。キーを回すと、「こんなに速くスターターが回ったことはあったか」と驚く勢いでエンジンは始動した。

38B19は最も普及しているサイズであるため一般的に3000円程度で手に入る(今回購入価格1980円)。小さいものに変更すると寿命が短くなる可能性は否定しないが、それでもトータルコストは少なくて済むだろう(55D23は1万円ぐらいが相場なので)。

2001年12月、GDBインプレッサの軽量化モデルtypeRA specCが出た。これのバッテリは34B19である。スバルはバッテリ小型化に消極的だったが、大幅な軽量化目標を達成するために仕方なく手を入れたようである。他社の事例を見るまでもなく通常の使用で何の問題もないことが明らかなのに、スバルはこれまで寒冷地での使用を考慮して慎重な判断をしていたということなのだろう。

 

バッテリ交換に際して

 コスト度外視で 安定した電力と軽量化を両立したい方

パルサーパワーパック、POMECなどのドライバッテリは5kg程度の製品が乗用車用に設定される。小さい鉛蓄電池である38B19でも上記のように9〜10kgもあるので、かなりの軽量化は可能である。ただし、費用は安いものでも38,000円もする。バッテリ端子を交換したり、大きさにあわせて設置方法を考えることも必要。

 

 面倒であってもいいので、コストを抑えて軽くしたい方

WRXにオートバイ用のバッテリを使用してサーキットを走っている人がいる。冬季の始動性にも問題ないというが、日常的に使うには不安がある。サーキット走行に限って重量5kg程度のバッテリを使うのがいいだろう。バッテリ端子を交換したり、大きさにあわせて設置方法を考えることも必要になる。また、普段は別の大きめのバッテリをつけているほうが安心なので、サーキットに行くたびに取り替えることになると、ちょっと面倒である。

 

 お金をかけずに軽くしたい方

WRXのように「D」の型のバッテリを標準装着しているクルマが最近は多い。この場合は種類を変更して「B」の型の中で小さい製品にすると軽量化が可能である。ただし、バッテリターミナルの太さが異なるので車両側の端子の交換が必要になる。標準装着品より容量が小さくなるが、東京の環境ならWRXに「(34〜38)B19」を年間を通して使用するのは全く問題ない。その大きさのバッテリは最も安いのも魅力。さらなる軽さを求めるなら、価格は若干上がるが 軽自動車で使われる「(28〜32)B17」でもいけそうである(保証はしないが)。

 

 軽くするのに興味はあるが、端子を換えるのも面倒な方

あまり冒険はしたくない または 端子交換等面倒なことを避けたい向きは、バッテリターミナルが同じ型でサイズが小さいものを選ぶという手がある。

ノーマルサイズが 55D23 であれば 50D20 という型番に変更することで2〜3kgの軽量化が可能である。これの場合、能力は85%ほどになるだけなので、極寒地で使用しない限り心配無用。また、若干安く(8000〜9000円)買えるのもよい。

同様にノーマルがB19であれば、B17に変更することで1kg程度軽くできる。

 

2001年10月に導入した上記のHITACHIバッテリ(38B19L)は、2004年秋タイヤ館における無料点検で弱っていることが判明した。強制的に放電させた後の電圧回復が遅いのだという。標準よりも小さいバッテリではやはり寿命も短くなってしまった。

余談であるが、近所のタイヤ館は品揃えが良くないため来客が少なく、経営を心配してしまう。しかし、初めて受けた無料点検はとても配慮がきめ細かくて気に入った。たとえ商品が多少高くてもタイヤ館で買おうかなという気になってしまうほど、接客は良かったのである。

暖冬とはいえだんだん寒くなってきた2004年12月下旬、3日間放置したエンジンの始動性が少しだけ悪くなったと感じた。バッテリ本体を見てみると、インジケーターには「液不足」の表示が出ていたが、実際はLOWERよりも数mm上まで液はあった。交換を実行する前に液を補充してみることも考えなかったわけではないが、タイヤ館での点検結果を考慮し、もう寿命であると判断して3年2ヶ月使用したバッテリをYUASA(コーナン商事)に交換することにした。今度は40B19Lである。1880円也。

性能表示が38Bから40Bになったが、当然ながら何も変わらなかった。

 

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