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RS200

デビュー時

6MT

(M/C前)

LEXUS IS200の評判が先走り、ものすごく盛り上がった国内デビューだった。新世代FRスポーツを期待して発表前に予約をした客が非常に多かったと聞く。

そして発表試乗会で乗ったのは最もホットモデルであろうと思われるRS200の6MTであった。和製BMW3erという噂に大きい期待を持って乗ったのに、その実体はコロナがFRに舞い戻ったのかという程度の出来であった。 雑誌評価で読んだ「硬めの足回り」というのは一体何を指しているのかまったく分からなかった。脚はカローラ、マークUと同じような硬さ(柔らかさ)でプリメーラ、スカイラインと比べて明らかにソフトタッチのものだった。アルテッツァより柔らかい脚を探すのが苦労するほどで、雑誌記事は信用できないとつくづく感じた次第。

乗ってみて満足したところは、空調のダイアルが大きく軽くて使いやすいこと、アリストから流用したブレーキの効きがいいことの2点のみ。不満を感じた点は数え切れないので主なものだけを挙げると(1)着座位置が高すぎる (2)排気音が大き過ぎる (3)1-2-3のステップ比が一般的な5MTよりも離れすぎていて、4-5-6が近すぎるという変なギア比セッティング (4)ステアリングが軽すぎて路面状態を全然伝えてこない (5)タコメーターが小さすぎて走行中は見にくい (6)足回りが柔らかすぎてピッチング、ローリングが激しすぎる (7)リアシート頭上空間が狭すぎる (8)運転席のサポート性が悪い、といったところ。

FR SPORTというのが売り文句だが、どこにスポーツを見つけたらいいのかよく分からない仕上がりで、ライバルといわれるBMW3シリーズと比べて、似ているところは勇ましい排気音以外にはなかった。ニュルブルクリンクで「2.0Lであの速さ!」とBMWを驚かせたそうであるが、パワーだけではダメなんだということがこのクルマに乗ってよく分かった。

外見だけで注文した人(一般の人がクルマを選ぶ理由は残念ながら大体そうなのかもしれないが)はクルマが届いてどんなふうに感じているのだろう。感想を聞いてみたいものだ。また、発売後に試乗してから買った人がいるのなら、何が決め手になったのか聞いてみたいものである。

上記不満点(1),(2),(6),(8)は好みの部品を買って自分で交換できるが、それ以外は簡単に変更することはできない。そこで、TOM'Sでは「タコメータとスピードメータを入れ替えたパネル」と「3速クロスミッション」をすぐに出してきた。さすがにトヨタ車をよく分かっている会社である。雑誌には、見にくいタコメータとおかしなギア比の記事が殆ど見当たらないのは、大トヨタに文句をつけられないからなのだろうか。とても不思議である。また、トヨタに気を遣ってか TOM'Sが作った部品もあまり記事に取り上げられることはなかった。

↓↓↓ マイナーチェンジ後のRS200の感想はGitaの次に記載 ↓↓↓

Gita AS200

Z Editon

4AT

ワゴンと言わずスポーツクロスと呼ばれるGitaが追加されたので、試しに2.0L(6気筒)のAT車に乗ってみた。意外にもこれは上に書いたようなこれまでのALTEZZAの悪いイメージを払拭するほどの良い仕上がりだった。トヨタはこの度(セダンのマイナーチェンジおよびGitaの追加がなされた時)、アルテッツァに大幅に手を入れたようである。感想は次のとおり。

着座位置が変更されたのか定かではないが、Gitaでは位置が高いとは思わなくなった(最近 Brevis、Verossaに乗ったため感覚が変になったのかもしれない)。ステアリングを回した際の感触は、しっかりとしたフィーリングを持っており、フロントタイヤが駆動力の影響を受けずに旋回の仕事をこなしているという感覚が良いと感じた。ステアリングギア比とギア本体の製法を変えたことが効いているのだろう。これぞFRの美点。足回りはバランスよく固められた印象で、無駄な動きがなく、しかも乗り心地もよく、気分が良かった。また運転席の見た目は同じようであるが、シートバックはしっかりと背骨を支えてくれるようになっていた。なお、ワゴンボディの長いルーフのおかげでリアシートの頭上空間には余裕があり、直接日光もあたらないのでセダンよりも居住性が良い。ただし荷室は変な段差があって広くなく、使い勝手は良くない。ワゴンと呼ばないのはセダンより荷物が入らないからか。

これらのように改良点が非常に多くあるようで、日常の街乗りの範囲では今のALTEZZAはBMW318i(ただし1.9LのE46)と同程度の良い感触であった(限界域は不明)。だが重くなったワゴンボディに2.0Lではパワー不足の感は否めない。2.0Lの 318i、C180、A4 2.0 に比べて遅いわけではなく、むしろ速いぐらいの性能を持っているのだが。。。現在、エンジンが2.0L(1G-FE)と3.0L(2JZ-GE)しかないのは選択肢が少なすぎるので、2.5L(1JZ-GE)モデルもあるといい。トヨタのほうがBMWよりもラインアップが少ないというのはいただけない。

試乗中にふと脳裏をよぎったのは、初期モデルを持っている人は M/C後のモデルに興味本位で試乗しないほうがいいということ。買い換えるつもりがあるのならいいが、そうでない場合は明らかに良くなった出来映えに強いショックを受けることになるから。Gitaは初めて乗ったのにもかかわらず、狭い道でもまるで自分のクルマのように扱えたという点で良いクルマだと思ったので、ワゴンらしい荷室容積を求めない人にはお薦めできる。荷物を積むならLegacyワゴン、軽快な走りを望むのならGitaを選択するといいだろう。

 RS200

Z edition

6MT

M/C後

デビュー時のALTEZZAは上に記載したとおりひどい代物であった。

期待を裏切られた客の文句を聞いてようやく行ったマイナーチェンジ(2001年5月)からしばらく経っているが、Gitaの試乗で感触が良かったことを思い出したので、RS200にも乗ってみた(2002年2月)。

Gitaの試乗時には変更の有無が不明確であった着座位置であるが、販売員に確認するとやはりM/Cで下げられたという。ステアフィールはGitaと同じくしっとりと重い感触で、路面感覚は薄いもののフィーリングは大いに改善されていた。エンジン(3S-G)の特性はフルスロットルでは6000rpm以上での回転上昇が良くなったように感じた。ただし、ハーフスロットルでは4500rpmで性質が変わる段つきが不快感として得られた。VTECの真似をしたいのかもしれないが、VVTi(連続可変バルブタイミング)はフラットトルクを得るために使うべきであり、吸気と排気の両方にVVTiが付いているのに段つき加速があるというのは不可解としかいえない。M/Cの目玉であるファイナルギア比変更は試乗コースのせいで残念ながら感じることができず、件の6段MTの2→3のステップ比について語ることができるような走り方も残念ながらできなかった。

常に不安定だった奇妙な脚の設定は、Gitaと同じくしっかり感を出したものに変更され、平常走行ではショックの吸収性はよく、気持ちのよい仕上がりになっていた。排気音はギア比変更に伴って(騒音規制に合わせるため)完全に変更されていた。トヨタにしては珍しいぐらい常に喧しい音を発するM/C前モデルに比べると静か(といっても普通のクルマよりうるさい)になっていたが、スロットルを踏み始める瞬間に出る「雑音」が気になった。タコメータはパネルの真ん中に大きく表示され、以前よりは見やすくなったが、その中にゴチャゴチャと小さいのが存在するのが邪魔であった。せっかく油圧計が装備されていても非常に見にくくては宝の持ち腐れである。ブレーキは以前より甘くなり、停止直前にキュッと制動感が高まる気持ち悪いものになっていた。M/Cに合わせて摩擦材の特性を変えたのだろう。改悪である(何よりコスト、ダスト、鳴きが大事! このへんはトヨタ流)。

BMW318i(現行2.0LエンジンのE46)と比べると、動きに重み(しっかり感、厚み)が伴う318i、軽薄なALTEZZAという感じがする。

RS200は以前より出来は良くなったが、乗り味は軽々しく安っぽい。一番の悪者は排気音である。もう少し造り込みが上手になればそれだけで印象が変わると思うのだが、とにかく安直に作られた印象が全般に感じられるのが欠点である。RS200のATなら乗り味はまた違うだろうが、ワゴンでの好フィーリングを思うとAS200のATがベストかもしれない。

レガシィB4(BE5)が発売されてから販売不振に陥ったが、これからもますます差をつけられることになろう。ワンプライス販売は止めて、30〜40万円引にしないとライバルと競争はできないと思う。( 2002年秋、RS200のベーシックモデルがタイヤを17inchから16inchに変更して値下げした。)

Gita AS300

5AT

2JZ-GEエンジン(3.0L)を載せたジータで、2〜3km走ってみた。

ゆっくり走っている限りAS200との区別は殆どできない。静かなスポーティワゴンである。全開加速をしてみても、静かで穏やかなのであまり面白みはない。3.0Lらしい厚いトルクは全然感じられなかった。レガシィGT30のEZ30エンジンのほうがトルク感はある。BMWのM54型3.0Lエンジンとは比べることすらできない。

ATの変速操作はステアリングのスポークに付けられたスイッチで操作できるが、表と裏にボタンがあるのはとても使いにくい。他車との差別化が目的なのかもしれないが、そんなつまらないことにこだわらず、操作しやすいように表側にシーソースイッチを付けてもらいたい。

エンジン特性は2.0Lとさほど変わらず、3.0Lエンジンを載せる意味がよく理解できなかったので、1JZ-GE(2.5L)を載せて安く売るほうが良かったのではないだろうか。2.5Lなら3.0Lより燃費も良くなるので、全体の販売台数には寄与したのではないかと思う。余談であるが、セダンにも2.5Lを載せてもらいたい。

 

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