落ち着きのない人

私の周りの親しい人たちは、実はみんな運転が上手だったのである。

唐突だが、今日、ふとそんなことに気が付いた。

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会社の営業マンの運転で得意先に行く機会が偶にあり、そのときに操作を観察してしまうのであるが、「どうしてそんな操作をするのか?」と感じることが多い。

今日の営業マンBさんは、発進直後にグイッとアクセルペダルを踏み込み、すぐに完全に戻してしまう。そしてまたグイッ、戻す、グイッ、戻す、を繰り返すのであった。

初めのうちは、前走車が遅すぎるため、それに近づきすぎて戻すのかと思っていた。「加速をしたいのに、加速をできないもどかしさ」、そんな葛藤がBさんにはあるのだろう、と。。

しかし、それは思い違いであった。

前走車がいなくなり、信号で先頭に立ったのに、操作は先ほどと同じく急加速の後にスロットル全閉という不穏な走り方を続けるのであった。もっと加速したいんじゃなかったの???

これはいったいどういうことだろう。「同乗者の快適性を考える」というページで書いたタクシー運転手やJOGの同級生と同じなのである。

高速道路に入っても走り方は同様で、ON-OFFを頻繁に、しかもそれが一定しないリズムで繰り返されるので、気分が悪くなってしまった。

頭の中の回路と足先の神経がうまく連動していないのか。

普通は走行抵抗と釣り合うだけの駆動力を発生させるべく、微妙にアクセルペダルを踏んでいくことになるのだが、それができないなんて、私にはよく分からない 。特に高速道路では、空気抵抗の増大に伴い走行抵抗が大きくなるため、必要な駆動力を得るためのペダルストロークはかなり大きなものになるのだ。

アクセルを少しだけ踏んでみたつもりが、実際は踏み過ぎてしまったと感じて戻す。しかし戻してみると、その量が思ったより多すぎて全閉になってしまう。彼の体にはそういうことが起こっているのだろうか。もしそうなら、かなりストレスフルな作業になっていると思われる。自分の思ったとおりにクルマが走ってくれないのだから。。

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若い営業マンAさんも変なリズムでタコメータが揺れ動く操作を繰り返す人であった。

スロットル開度のわずかな変化によってCVTが変速比をすぐに変化させるのは日本車の悪い癖だと言われるが、スロットル開度をあまり変化させない私の運転スタイルでは、そんなCVTの癖が気になった記憶がないのだ。しかし、Aさんの運転でそれを実感した。

空いた高速道路を巡航しているだけなのに、タコメータの針が頻繁に上がったり下がったりする。ルーズなCVTのせいで前後Gの変化はさほど大きくないが、エンジン音の変化が頻繁に発生することにより、おそらく乗員の快適性を損ねる。しかし、当人にはそれを感じ取るセンサーがないのだろう。退職してしまったため、真相はもう突き止められない。

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私の学生時代からの友人(男性数人)、家内の子供のころからの友人(女性)、そして、老母までもが、走行抵抗と釣り合うだけのアクセルペダル踏み込み量をきちんと把握しており、無駄なON-OFF操作はしない。そして、速度維持に要するペダル位置から加速に必要な踏み込み量を判断したり、急減速をしないようにゆっくりとペダルを戻していったり(急な全閉を避ける)して、滑らかにクルマを走らせるのである。

そのような運転スタイルが普通だと思ってこれまで生きてきたため、会社の営業マンやタクシードライバーの運転に対して私は強いストレスを感じてしまう。他の同乗者はあまり気にする様子がみられなかったのだが、気にならないのか、それとも運転手に気を遣っているだけなのか、不明である。

今日はちょっと疲れた。

 

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