------------------------------------------------------------------------------------------------------

同乗者の快適性を考える

私は学生時代からどうすれば同乗者に車内で快適に過ごしてもらえるかを考えながら運転していた。

高い快適性を得るために重要なことは加速度(G)の変化を小さくすることであり、現在でもトランスミッションの変速に由来する加減速のGをなるべく出さないよう努力を続けている。

そんな行動に至る動機は、同乗者に「運転が上手だね、気分よく移動できたよ」と思ってもらうことであり、延いては、燃費効率や車両の耐久性にも影響を及ぼすと考えるからである。

---

ところが 、世の中には色々な人がいるものである。まあ自分と異なる考え方をすることに対して全面的に否定するものではないが、ちょっと頭の中身が・・・ではないかと不思議な気持ちで観てしまうことがある。

【タクシー】

2種免許を取れば誰でもなれるので、働き口の乏しい現在(本当にそうだとは思わないが)、運転手に転身する人が多くいるようだ。そういうプロになりきれていない未熟な運転手は運転が下手 で、とんでもないところで(赤信号の直前なのに)アクセルを入れたりして快適性を損ねるのだ。特に年寄りの運転手はAT(トルクコンバータの性質)に慣れていないのか知らないが、アクセルペダルの操作が荒っぽく(ON-OFFが頻繁で激しい)デフがガキンガキンと音を立てているのに何とも思っていないのである。

いったいこういう運転手は何をもって収入を得ていると思っているのか。客の快適性をまったく考慮していない莫迦な運転手を選ばない方法は今のところない(予約の電話で「運転の上手な運転手を寄越して欲しい」と言ってもたぶん話が通じない)ので、もどかしい。

稀に快適な運転をする運転手に出会うと、嬉しくなってチップを出してしまいそうになる。

【バス】

路線バスでも上手下手はあるが、短時間なのであまり何とも思わない。しかし、長時間乗車する観光バスや空港バスなどで下手な運転手に出会うと不幸である。

高校生のとき、学校からバスで駅伝の応援に向かった。そのバスが高速道路を走行している間、とても不快な気分になり、初めて「バスの運転手にも下手な人がいるんだ」と思ったものである。

どう下手だったのかを述べると、そのバスは一定の速度を維持することができなかったのである。原因は運転手のアクセルペダル操作にあった。踏んでは戻し、踏んでは戻し、を一定のリズムで繰り返し、その微妙な加減速の連続に私は目的地に着く前にくたびれてしまったのだ。

それから年月が流れて、羽田空港からバスに乗って帰宅する際にも同じようなアクセルペダル操作をする運転手に出会った。これはいったいどういうことなのだろう。脳と足がうまく繋がっていないのだろうか、と想像してみたのだが、どうやらそうでもないようで、巡航速度に達するまでの加速時のアクセルペダル操作は適正であり、ブレーキングも上手なので、理解不能なのであった。

タクシーの運転手に比べて、下手な人に出会う確率はかなり低い(極端に下手な人はいない)理由は、誰でも簡単に採用されるわけではないということと、それなりに訓練を受けているということが考えられる。

【JOG vs. LEAD】

高校生のとき、私はホンダLEADに乗っており、友人はヤマハJOGに乗っていた。通学時にたまに会って一緒に走ると、彼の運転スタイルがとても気になった。

彼は、常にアクセルコントロール(捻ったり戻したり)しながら走行していたのだ。

アクセルONで何か良い音が出て面白いというのなら分かるのだが(暴走族のように)、当時のJOGはアクセルONでチャリチャリという何か変な音(謎の異音)が出るだけであり、そういう意図はなかったはずだ。そうなると、JOGは一定速度で走ることができないモデルだったのか。

ちょっと借りて乗ってみると、とても乗りやすいモデルであり、一定のスロットル開度で普通に巡航できることが判明した。

これらの例から、運転というのはその人の資質が出てしまうということが考えられる。

私の運転はハイスピードを求めると加速度変化が大きくなってしまうことを自覚しているので、それを滑らかにできるよう、国政久郎氏製作のG-Bowlを使って訓練してみたいと思うところである。

 

戻る

 

inserted by FC2 system