純正以外のインクを使っても大丈夫か

プリンターのメーカーは高価なインクで儲けを出している。

年賀状の時期は一番の稼ぎ時であろう。

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子供の頃、自動車のエンジン油に純正油以外の製品を使っていた父親に「純正油以外を使っても大丈夫なのか?」と尋ねた。説明書には純正油を使うよう明記されていたからだ。

父親は何ら問題はないと言うものの、どうも気がかりで、初めて手にした50ccスクーターのミッションオイル交換時に、ホンダ純正四輪用エンジン油(指定油)の1L缶を購入したのであった。使用量は確か90mLだったはずで、 よく考えてみると馬鹿なことをしたものだと後悔した。残ったオイルの使い道はもはやないのだから(エンジン油の混用はしたくなかった)。

その後、純正油にこだわらなくなった私は、まったく別の分野ではあるが、インクジェットプリンターであっても「インクなんて純正以外のものでも大丈夫だろう」と思って安物の社外品を使った。 そしてあるとき、印字ができなくなり、外観がきれいなプリンターを粗大ごみに捨てる羽目になったのである。

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この苦い経験をした私は、再びCanonのプリンターを買った後、高くても純正インクを使っていこうと心に決めた。

5色パックで3500円程度。メーカーがインクで儲けるために打ち出した価格だが、どうにもこうにも高くて嫌になる。

すべての色が同時になくなればいいのだが、 カートリッジが空になるタイミングはバラバラ。減っていない色が主体になるよう年賀状の図柄を考えたり、モノクロ印刷でカラーインクを減らさないようにしたり、工夫をしてみてもなかなかうまくいかない。

そんな中、楽天で安いインクを見つけてしまった。色が174円というではないか。

買ってはならないと思いながらも、「 一度だけなら」という出来心が芽生え、つい買ってしまった(カラー3色)。5分の1という安さ の魅力にはなかなか抗うことが難しい。

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「一度だけ」と自分に言い聞かせて使い始めると、まあ普通に使えるし、色も変ではない。

ところが、世の中はそんなに甘くない。

年賀状印刷を開始しようと思ったそのときである。

残量がたっぷりあると表示されていたシアンの カートリッジは、知らぬ間に空になっていた(何らかの製品不良)。そして、残量が空になったという正常な警告が発せられたマジェンタのカートリッジと共にCanon純正インク カートリッジに入れ替えてみると、なんと、シアンの色が出なくなっていた。マジェンタも発色が薄い!

嗚呼、またやってしまった。。。

再びきれいなプリンターを粗大ごみに出すことになるのか!!!

安物のインクに手を染めるとろくなことはない。

 

テスト印刷を繰り返してみたが、シアン(Cの場所)がまったく出ない。Canon純正インクカートリッジをセットしたのに・・・

青色の文字をWordで書いて印字してみても、ピンクになってしまう。

それでもどんどんテスト印刷をしていると、突然シアンが出て正常な色目になり、一安心。

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これまでの経験によると、純正インクは固まりにくく出来ているようで、印刷の機会があまりなくてもノズルが詰まったりしないのが利点だと思われる。

それに対して、安物のインクは固まりやすいため、ノズルが詰まらないように頻繁に流してやらねばならないのだ。おそらく、毎日使ってやれば、安物インクであっても問題 が発生しないのではなかろうか。

品質の規格がある 自動車のエンジン油と、何の基準もないプリンターのインクとでは、事情が大きく異なるようだ。

 

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