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「うちの車は大丈夫か」と不安になった これは興味深い客の言葉だ。いったいどういう意味なのか。不安になる･･･とは？ ディーラーから連絡がほしい・・・何を聞きたいのか。聞いてどうするのか。 2013年1月に買ったeK（H82W）だから、最新のカッコイイB11Wではないのは明らかなこと。5箇月後に新型が出て、何かを思ったはずである。 したがって、不正のあったB11Wと混同しているわけではない。 ということは、「H82Wでもカタログ燃費（JC08モード19.6km/L）に嘘があるのではないか」と疑ったのだろうか。 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - では、嘘があったら、どうするのか。 私は、このあたりの客の心理をよく理解できない。 「嘘をついていました」と告白を受け、真実を知れば納得するのか。 嘘に付随して被った損害に対して賠償を求めるのか（損害とはいったい何なのか）。
2013年6月にデビューしたB11W/B21WのeK／DAYZに試乗して、私はそのドライバビリティの悪さに驚いた（後発なのに駄作だなんて！）。そして、29.2km/Lの燃費は「JC08モードを極めた特殊な技能を持ったプロフェッショナルによるデータ」であると想像した。 しかし、そのデータが虚偽だとは思っていなかったので残念だ（嘘をついていたことが残念なのではなく、特殊な技能を持った運転手が存在しなかったことが残念なのである）。 燃費の実態は5〜10％のマイナスという話だが、それなら、27km/Lぐらいなのか。 27km/Lといえば、2010年12月にTNP27と銘打って発売されたMOVE（LA100S：10・15モード27km/L）を思い出す。 2011年11月にはLA100Sの燃費はJC08モード27km/L（10・15モード30km/L）に改良され、さらに、2012年12月にはJC08モード29km/Lになった。 まさにeK/DAYZの開発中の時期と思われる。三菱の技術者は、まさかMOVEが毎年燃費を更新するとは思っていなかったのだろう。 三菱は燃費の目標値を「27km/Lを超える」から「29km/Lを超える」に急遽変更せざるを得なくなり、不純なことを思いついたのかもしれない。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - カタログに掲載された燃費値と実態との間には大きな乖離がある。それは、クルマに高い関心を持つ人なら当たり前のように感じていることだ。 だが、乖離の度合いは様々であり、それは、ユーザーの使い方と車両の得意な領域とのバランスにもよるので、評価が難しい。 同じカタログ値を示すモデルであっても、「高速走行が得意な車両」や「発進-停止を繰り返すのが得意な車両」など、いろいろあるものだ。
燃費データをカタログで比較して、買う車両を選別していくのは一般ユーザーにとって普通の思考パタンではある。しかし、カタログ燃費を偏重して車両を選択するのは良くない。 やはり、実際に乗ってみて、走りの味付けを確かめてみる必要があるのだ。 実物（eK/DAYZ）に触れてみると、エンジン回転数の推移が思い通りにならず、とても乗りにくく、しかも遅いことが判った。これでは明らかに実走行での燃費が悪そうだ。そう思ったので、私はそれらを選ばなかったのである。 念のため、実際の使用者になる老母にもDAYZの乗り味を試してもらうと、わずか数十メートルで試乗を終えた。あっという間に「出来損ない」を見抜いたのだ。 最終的に選考に残ったMOVE/STELLAでも実際には18.2km/Lしか走らない。カタログ値（JC08モード31km/L）との乖離は非常に大きいのが現実だ。しかも、デビュー時のミライース（LA300S：JC08モード30km/L）より明らかに実燃費は悪い。仮令LA150S/Fの燃費が27km/Lや29km/Lであったとしても、大きな問題とせずに購入したはずだ（一般の人なら、そんな燃費のモデルは選択肢から外れるか？）。いずれにしても、軽自動車のカタログ燃費は非現実的で、実走行では届くはずのない値なのだから。 実用燃費を大雑把に把握するのに役立つ情報として、一般ユーザーの投稿によるe燃費がある。見てみると、eK/DAYZの燃費は確かにMOVEやWagon Rより悪い。
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