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意図は分かるが、イケていない
本の表紙にお粗末な写真が使われていたことを過去に書いたが、そんな写真はあちらこちらに存在するようだ。 これは TOYOTA 86 を宣伝する写真であるが、なんともお粗末だ。 では、いったい何がイケていないというのか。 |
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写真:トヨタ自動車 ≪状況≫ ・このモデルは、GT-LimitedのMT仕様に見える。 ・運転手は都会的な普通の服を着て、ハンドルを素手で握っている。 ・道路のセンターラインは黄色であり、路外(土砂)はきれいに整地されていない。 ・走行速度は86km/hである。 ・ギアポジションは3速または5速である。
≪イケていないところ≫ 運転手の服装から考えて、ここはレース場ではないし、路面の感じを見ると、高速道路でもない。 つまり、一般道(山道)ということになるが、それなら、86km/hの速度はおかしい。 3600rpmぐらいの回転数で86km/hを出しているが、3速ではギア比が高すぎるし、5速では低すぎる。 GT-Limitedなら、4速のギア比であろう。つまり、シフトレバーの位置がおかしい。
≪お粗末だけれど≫ 写真の中に86km/hの表示を見せたかったのは分かる。 山道を楽しく走らせるのが86の魅力であると言いたいのも分かる。 写真のレイアウトから、シフトレバーを押した状態にしておきたいのも分かる。 3600rpmで86km/hというメーター表示は実物であろう(4速で撮った)。
天下のトヨタが作る宣伝物であるから、合成写真であることは明瞭に謳われているのだが、山道で86km/hというイメージは、どうにも違和感が残る。
燃費の良いクルマの宣伝のためにJC08モードの燃費を燃費計に表示させる(現実離れしている)のはよくあることだが、それとはちょっと意味合いが異なるだろう。
単に「TOYOTA 86 には小径ハンドルが付いているんだよ!」という宣伝に対して、こんなに噛み付くこともないのだけれど。 まあ、miscellaneousのページは、まじめな話を書かないところなので・・・ |