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PROXES

トーヨータイヤは、日本ではあまりブランドイメージの高くないタイヤメーカーであった。

しかし、昔のトヨタのほとんどの新車に「TOYO Z RADIAL」が装着されていたので、生産量はとてつもなく多く、それなりに技術も蓄積されていたものと思われる。

さて、今や Audi や MAZDA に純正採用されるまでになったトーヨーの PROXES であるが、私が PROXES T1 Sport を買ったのは2014年2月であり、T1 Sport のデビューはその2年前である。

5年5箇月の期間が経過して、T1 Sport は PROXES Sport にモデルチェンジを果たした。基本的な方向性は高速ウェット性能を重視したもの(欧州向け)であり、変更はない。そして、カタログを飾る各種性能の評価点を見ると、両者はまったく同じ値なのであった

いったいどのような改良を受けたのか?

ちょっと疑問が生ずるところであるが、実のところ、PROXES Sport は現在(他社)の高性能タイヤでは当たり前になった「低燃費タイヤ」に新たに合致するようになったのである。そして、Wet のラベリング性能が「a」に改良されているのだ(T1 Sport は低燃費タイヤではなく、Wet は「b」である)

つまり、ゴム質を改良して、他社製品と同じようなレベルの低ころがり抵抗と Wet 性能(耐アクアプレーニング性能は不変で、浅い水深での高いグリップ力)を備えるようになったという話である。

顔(トレッドパタン)の変化は、意味があるものなのか分からない。単に「別物(新作)ですよ!」と訴えるための意匠変更なのかもしれない。

 

PROXES T1 Sport   PROXES Sport

INSIDE     OUTSIDE
 
INSIDE     OUTSIDE
 

 

PROXES T1 Sport のパタンには完全に分離したブロックがほとんど存在しない(溝が非常に浅い)が、PROXES Sport は大きいブロックに分かれている。これも Wet のラベリング性能に何某かの寄与をしているのか?

パタンが変更されているので、ノイズも少しは変わってくると思うが、静粛性の評価点は変わっていない。ただ、欧州のサイトを見ると、少し改良されているようだ。

https://www.toyotires.eu/tire/category/sports-tires

 

ちょっと時代遅れだけれど、今後もとりあえず T1 Sport と共に過ごすことで良さそうだ。

JULY 2017

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もう少しで浅い細溝は消えるので、そうなるとアウトサイド2列のブロックらしき体裁はなくなってしまう。

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