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X3

2.5

5AT

BMWからX5の流れを汲む新しいクロスオーバー、X3が発売された。

名前が示すようにX5より小さい車輌である。しかし、幅は1855mmもあり、「3」と呼ぶのはちょっと違和感がある。主な市場であるアメリカを意識したサイズなのだろう。

外観はOFF ROADも走ることができるように地面から底までの高さを充分にとってある。最低地上高は200mmはあるだろう。一方、タイヤのサイドウォールは薄く、ノーマル状態で「降坂制御(ヒルディセントコントロール)」を使うようなOFF ROADに入っていくことは難しいだろう。

高い位置にある運転席に乗り込んでみると、シート調整は318iと同じような手動調整式となっている。500万円になろうかというクルマなのに、電動シートがつかないというのはどういうことだろう。ダッシュパネルはZ4に似たデザインで、メーターもZ4とそっくりな意匠になる。試乗車にはオプションのウッドパネルが貼られていたが、化粧パネルの面積が狭いため、標準パネル(アルミ)から変更する意味はなさそうである。エアコンの温度調節は左右で別々にはできず、「3」と同じような設定である。ファンの調整は8段階に変化させられる。全般的に高級感の演出はなく、「3」のレベルに留まっている。

エンジンを始動して走り始めると、ステアリングがかなり重いことに驚いた。BMWは車種によっていろいろとセッティングを分けているようで、X3は背が高いので、急ハンドルを切りにくいようにしてあるのだろうか。スロットルペダルは「3」セダンよりもスムーズに動くようになり、発進時の飛び出しは抑えることができた。ATの変速の感触は「3」と変わりなかったが、加速感は重量増加が明らかに感じられるものであった。

脚の設定はかなり硬いようで、突き上げ感が強かった。ただし、凸凹が直接体に伝わるのではなく、動いたタイヤがバネを縮ませて、バネが車体を持ち上げて、ショックが乗員へ伝わるというタイムラグのようなものを感じた。タイヤ&ホイールがかなり重いのだろう。

走行中のステアリングのフィーリングはスッキリしており、悪くなかった。Xドライブがうまく機能しているのだろう。

リアシートの周りは広く、ホイールベースが長いことを有効に利用しているようである。荷室も意外に広く、使い勝手が良さそうである。ただし、リアハッチのガラスだけを開閉することはできない

X3という名前から想像する大きさと実物とはかけ離れており、「3」だから手軽に乗れるというものではない。最近のこの類のクルマは大きくなっているが、幅は1800mm未満に抑えてもらいたかった。

 

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