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一色のうなぎ

うなぎのイメージ

 子供の頃、九州の民宿で主人が川で獲った天然うなぎを開いているのを見たことがある。初めて見た生のうなぎは丼に乗っているものとはまったく異なり、ちょっと気味が悪かった(頭を釘で打って、開いた身の赤い色・・・)。ただ、それを食べたかどうか定かではない。

 蒲焼のうなぎといえば、スーパーマーケットで安く売られていてほとんど手を加えることなく食べられる手軽さゆえ、よく食卓に上ったものだが、小学校4〜5年生の頃、伊勢にハゼ釣りに行った際に入ったうなぎを出す店で食べた浜名湖産のうなぎはものすごく高価で驚いた思い出がある。

 それ以来、うなぎと言えば浜名湖産が上等というイメージを抱くようになり、成人になってからも浜名湖サービスエリアを素通りすることができず、レストランに入ることが多かった。

 

うなぎを求めて愛知県へ

 うなぎを食べたいと思ってインターネットで探してみると、思いがけず次のような情報を見つけた。

 うな丼530円、場所は知立。

 「ちりゅう」が愛知県なのは分かるが、どの辺にあるのだろう。そして、530円でどんなうなぎが食べられるのだろう。 ★ウドちゃんの旅してゴメン★

 調べると、知立は名古屋と岡崎の間にあった。「岡崎といえば中嶋悟の出身地だね!」と家内に話すと、普通は徳川家康の出身地だと言うけど・・・という。まあ優先順位は人それぞれということで。

 さて、目当ての旭屋に着いてみると、良い匂いが漂っていた。外観はあまりきれいではなく、大丈夫かなと思いながら入ってみると、店内は普通の食堂という感じだった。なお、ウド鈴木の取材を受けたことも小さく示されていた。

 当初、ウドちゃんと同じように530円の並を頼むつもりでいたが、メニューを見るとあまりの安さにびっくり。そして、つい特上を注文してしまった。これは値段の割りにとってもおいしく、さらに量もたっぷりあり、満腹になってしまった (家内が残した分も食べたからか)。

 うなぎの産地を聞いてみると、この店では浜名湖産ではなく一色町の養殖うなぎを使っているとのことであった。(一色? そんなところでも養殖をしているのか。。。)

 

養殖うなぎの現実

 知立のうなぎを食べた翌年、養殖うなぎ産地偽装の事件がニュースになり、愛知県一色町という地名が頻繁に出てきた。どこかで一色町という名を聞いたなあと思っていたら、それは知立のうなぎ屋であった。そのときは聞き流していたので、一色が主要な養殖地だということをまったく認識していなかったのだ。浜名湖は、実のところ一番ではなかったのである。

 偽装事件によって一色はうなぎの町として一躍有名になったことだろう。

 今まではスーパーマーケットで買うときには国産か中国産かの区別で選んできたが、これからは国産でも産地を見なくてはならないと意識が変わった。

 

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 知立の「うなぎの旭屋」はインターネット検索ではほとんどヒットしなかったが、あれから2年経ったある日、食べログに出ているのを見つけた。

 http://r.tabelog.com/aichi/A2305/A230503/23012205/

 残念ながら530円だった並は630円に値上がりしていたが、それでもまだ安い。また食べに行きたいと思ってしまう今日この頃である。

 

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