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透明の傘が流行しているのは?

ビニール傘

学生のころ、透明なビニール傘をさす人はあまりいなかった。

それは外見がとてもみすぼらしく、さらに傘を持って出るのを忘れてしまったことを衆人に明かしてしまうため、恥ずかしい思いをしてしまうのが理由だと思われた。

私も数回は恥ずかしさに耐えながら透明な傘を使ったことがある。しかし、一度使った傘は倉庫に仕舞われた後、二度と出番はなかった。緊急用という認識に加えて、 次に使おうとするとビニール同士がべったりと貼りついて開くことが困難だったということもある。 二度目の使用は、不意の雨降りのときに業者や来客に持って帰ってもらうという場面に限られた。

このたび、古い透明の傘が手に入ったので、ちょっと広げて観察してみた。

日光の下に置くと、透過した色がきれいである。

 

通勤電車の中で吃驚

2008年4月以降、クルマ通勤から電車通勤に変わった。電車に毎日揺られるのは6年ぶりのことである。そして、いろいろと知らない流行があることに気付いて、愕然としてしまった。

何度か雨の日を経験しているうちに、あることに気付いた。

暗いうちから雨が降り出していて、朝、家を出るときにはすでに傘が必要な状態であるにもかかわらず、透明な傘を持って電車に乗る人を数多く見かけたのである。

初めのうちは夜勤の人が仕方なく買ったのかと思っていたが、どうやらそうではなさそうだ。あまりにも比率が高いし、休日でも同様なので、やはり、朝、家から透明の傘を持ってくるのはほぼ間違いないと考えるに至った。彼らは透明の傘を何度も繰り返し使うのだろうか。乾いた後、再使用に堪えるものなのか。

東京や横浜では、たまに変なものが流行するが、今は透明の傘が流行っている時期なのかなあと自分の中で勝手に決め付けた。実際、横浜のホームセンターの傘売場に行くと、透明の傘の比率がとっても高かった。でも、私はそれを手に取ることができず、黒い傘を買ってしまった。

 

大阪では

朝から雨が降りしきる日の電車内で周りを見渡してみると、やはり透明の傘を持つ人がいた。実のところ、大阪でも流行しているのであった。ただし、東京・横浜と比べると比率は圧倒的に低い。

若い男性が持っていることが多いのは東京と同じ傾向だが、いい年のオジサンまで透明の傘を持っているのには目を疑った。ただ、オバサンで持っている人は見かけない。ある程度の年齢の女性は恥ずかしいと思う心をまだ持っているのかもしれない。

流行の透明の傘をよ〜く観察してみると、それらは昔のビニール傘とはちょっと毛色が異なるように見えた。まずは大きさ。昔のビニール傘は最小限の大きさしかなかったが、今はかなり大きいものも目にする。次に構造。昔のビニール傘は手動で開いたが、今はジャンプ傘も存在する。

 

 

考察

私が気付いたのは2008年だったが、透明傘の流行が始まったのはもっと前のことなのかもしれない。会社でも普通に席に置いている人がとても多い。

昨今、他人の目を気にせずに生きている人が多くなったと感じるものだが、透明の傘を持っていても恥ずかしいという思いを抱かない人が多くなったのだろう。

1万円の傘をさしていてもそんなにカッコイイものではなく、100円のビニール傘でも雨を除けられればいいじゃないか、と考えるのだろうか。

クルマでも同じような話を聞くことがある。500万円のBMWに乗っていても120万円の軽自動車に乗っていてもそんなに変わらないじゃないか、と。

不況といいながら実は本当にお金に困っている人は少なく、いつでも500万円のクルマなんて買うことは可能だが、そんなもので見栄を張れると思う方が恥ずかしい、ということなの か。

どうやら、いろいろなものの価値観が変わってきているようである。

  

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