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ALLION

A20

2.0L D-4

CVT

足のいいヤツ、カリーナの後継車。プレミオ(コロナ)の兄弟車。

トヨタのセダンの売れ行きが良くないため、小細工を色々と加えて何とか魅力を出そうと頑張っている。雑誌の評価において面白いのは、小細工を褒めているものと小細工のせいで本質的なクルマの出来が悪くなったと書いているものの両面があることである。

セダンタイプのクルマを求める客は相変わらず多数おり、プレミオとアリオンを足した販売量は月間平均1万台強(2002年上半期)もある。

今回、実車に乗ってセダンとしての出来具合を判断したいと思い、最上級グレードの2.0L 直噴エンジンにCVTを組み合わせたA20を試してみた。

まずはアリオン/プレミオの一番の「売り」であるリアシートアレンジについて。リクライニングすることをTV-CMで宣伝しているが、これには驚いた。倒れる角度は最大20度であるが、通常の位置と最大に倒した位置との中間が存在しないのである。倒せばいきなりバタッと寝てしまう。あまりに寝過ぎるため体が落ち着かないし、安全ベルトによる拘束が利かなくなることが心配される。

アリオンにはトルクコンバータと組み合わせたCVTが採用されており、これはスバル、日産、三菱と同じようなものであるが、変速プログラムはまったくもってトヨタらしいスタイルであった。ゆっくり発進したときの状況は、トルコンを使って(滑らせて)2000rpm強まで一旦回して加速し、そのままのスロットル開度を保っているとロックアップクラッチが働いて(トルコンを介さず直結)、CVTがどんどん変速し、回転数が一気に下がる。50km/hでは1100rpmぐらいしか回らない。とにかく定常走行でのエンジン回転数の低さは群を抜いており、燃費を稼いで静かに走ろうというのが明らかに感じられるものであった。10・15モードの燃費は16.4km/Lで、2リッターエンジンではとても優秀である。この数字の影にはCVTがあるのだろう。

セダンとしては高めの1470mmの全高をもっているため運転席の着座位置はかなり高く設定され、お年寄りでも乗り降りに不自由を感じないよう考えられている。ただし、ステアリングホイール等の操作系との位置関係を考えるとバランスが悪い。シート高を20〜30mm下げるか、インパネを上げないとダメである。シート自体もまったくダメである。古いカローラやカルディナと何ら変わらず、体の収まる位置が存在しないブヨブヨクッションは気持ちが悪い。

走ったときのクルマの動きもシートと同じで捉えどころがなく、ステアリングに情報は伝わらずドライバーとの一体感に乏しい。セダンなのに運転が面白くないなんだか中途半端なクルマである。これで1万台/月も売れる理由はどこにあるのだろう。ミニバンのほうが広くて快適で、ハンドリングは大して変わらなければ客はミニバンに流れてしまうのは自然である。。。果たして、WISH大成功!

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先日、観光地の駐車場でプレミオが置いてあったのでリアシートを見てみると、予想通り背もたれは倒されていた。倒した状態で乗車するのは体がキツイと思うが、一般の人はそれで普通だと思っているのだろうか。

VOLTZ

4AT

FWD

カローラをベースに1ZZ-FEまたは2ZZ-GEの1.8Lエンジンを搭載したクルマで、クロスオーバーと呼ばれる形らしい。GMと共同開発され、アメリカで組み立てた後に輸入されるモデルであり、アメリカでの販売実績は6000台/月という。カローラフィールダーと比較して全長が45mm短く、全幅が80mm広く、全高が85mm高く、最低地上高は10mm増しの170mmとなっている。格好はSUV風に仕立てられているが、中身(メカニズム)はFWDを主体とするカローラそのものである。室内高は75mm増しなので、カローラのような窮屈さはなく、広々とした雰囲気があるのが良い。

試乗車は1ZZ-FEを載せたAT仕様であったが、ATのギア比はこれまで見たことのない数字を示していた。このミッションはアイシンAWの製品ではなく、アメリカの会社の製品なのかもしれない(6MTと4WD用のATはカローラと同じギア比なので、アイシンの製品を輸出して組み立てているのかもしれない)。それでもATのフィーリングはトヨタ流の滑らかなもので良かった。低速走行時のエンジンフィーリングは可もなく不可もなくごく普通のトヨタ車のフィーリングである。しかし、高回転時には音と振動が非常に大きく、とても最新のエンジンとは思えない出来であった。1ZZの騒音のひどさはMR-Sの試乗の際にも感じていたことであったが、それから2年を経た今でも改良がなされていないことを確認することになってしまった。全開加速中はとても勇ましい音を放ち、室内のあちこちから内装が共振する音が出ていた。こういう点はトヨタらしくないが、エンジンをあまり回さない普通の街乗りでは静かなので、フルスロットル時の騒音はたいした問題ではないのかもしれない。

脚の設定は大径タイヤに合わせてチューニングされているようである。低速走行時には特に違和感はなく、普通のトヨタ車のフワッとしたやや頼りないフィーリングがそのまま継承されていた。しかしロールスピードはそれほど速くなく、安心してカーブを曲がることができる。

荷室はX-TRAILの真似をして、表面はすべてプラスチックでできており、スノーボードなどの濡れ物を積むのに気を遣わなくてよいようにできている。他車にない工夫としては、通常の荷物固定用フック以外にも好みの位置にフックを取り付けるための溝(レール)が床板と後席バックレストに切ってあることがあげられる。載せるものによって固定用フックの位置を自在に設定できるのは、安全を考えると良いアイデアだと思う。ただ、トノカバーは引き出し式ではなく、脱着式なのは置き場所に困らないだろうか(そのまま床に置くことはできないみたい)。

アレックス、ランクス、フィールダーを出しても、カローラという名前によって若者に振り向いてもらえないことから、GMと共同開発ということで名前と化粧を変えて出てきたSUV風カローラである。トヨタが考えたターゲットはよく分からないが、おそらくデザインからみて若者向けとして設計されたのだろう。しかし、ちょっとやりすぎの感がある。だが、これもトヨタの戦略なのだろう。少ないけれどニーズが見込めると考えられれば、こんなクルマでも開発できるのは凄い。さすがに大メーカーである。客の取りこぼしは許されない!

COROLLA

RUNX

試乗したのはストリート用コンプリート仕様

 

通常販売されるTRD Sports M はやや趣が異なる↓

TRDの部品を満載したコンプリートカーに乗ってみた。これはデモカーという位置付けで、この状態で市販はされていないと思われる。市販される「TRD Sports M」のカローラはこちらから↓

http://www.toyota.co.jp/Showroom/customize/corolla/trdsportsm/index.html

ランクスのノーマル2ZZ-GEは190PSの出力を誇るが、TRDはハイコンプレッションピストン(圧縮比11.5→13.0)、ポート加工、タコ足、マフラー、軽量フライホイール等で20PSアップさせるチューニングメニューを用意しており、デモカーにはそれが搭載されていた。作業料込みで55万円也。詳細はこちらで↓

http://www.poweraxel.com/trd/news/news2002/trd256.html

脚回りは「Sportivo」というストリート用のキットが装着される。前後約4kg/mmのバネレートをもつスプリングとハードダンパー、補強用部材の設定もある。タイヤは205/50R16を履いている。

内装はステアリングホイールがエアバッグ付きの小径のものに替わっており、シートはFRP製フルバケット型となっている。

NCVカローラに乗るのは今回が初めてなので、残念ながらTRDの変更点がどれぐらい効いているのかは分からない。

4キロのバネとフルバケットという出で立ちから、かなりハードな乗り心地なのかと想像して走り出したが、意外にも乗り味はソフトで驚いた。シャシー補強が効いているのかもしれないし、ダンパーの精度も高いのかもしれない。エンジンは、軽量フライホイールと強化クラッチカバーのせいか低回転ではギクシャク感が強く、クイックシフトもスムーズではなく意図的にカチカチ感を出そうとしているため、あまり乗りやすいものではなかった。また、高回転まで(少なくとも6000rpm以上)回さないと本領を発揮しないエンジンなのに、今回はちょい乗りだったので6000rpmぐらいまでしか回せず、何も感じるものはなかった。ブレーキはPADのみがTRDストリート用に交換される。これは初期制動が強力で(ちょっとやり過ぎかも)、サーキットの往復での一般道における使用では十分なものと思われる(サーキット用PADもTRD製品の中に存在する)。

5分ぐらいの試乗では、変なエンジン音を出す乗りにくいカローラでしかなかった。もっとハードな使い方をしないと本性を発揮できないのだろう。もしも可能ならば山道で乗ってみたいものである。

 

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