~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

STUDLESS TYRE

北海道に住んでいた1993年11月ごろのことである。古い話を書いて恐縮であるが…話題としては今も通用するものと思う。。

北海道ではだいたい11月下旬から4月上旬まで冬タイヤを履いているが、いくら寒いといっても冬の間じゅう路上に雪があるわけではないので、ドライ路面を走ることは多い。したがってタイヤメーカーでは乾燥路での性能もある程度考えてスタッドレスタイヤを作っているようであり、日常走行では冬タイヤのグリップ力に不足を感じることはない。しかし、その構造から夏タイヤよりもグリップ限界が低いのは想像に難くないので、危険な状況に陥らないように心がけて運転していた。

自分では心がけをしていても、やはり社会には考え方の異なる「他人」が存在し、考えの及ばない状況は訪れるものである。そういう状況に遭遇して初めて冬タイヤの性能が予想よりも低いことを体感することになるのであった。概略は次のとおり。

秋晴れの十勝の道路(幅員15m以上の乾燥路)をのんびりと80km/hぐらいで流していたときのこと。信号のある交差点を通過しようとすると、対向車線で並んでいる右折待ちの列の中ほどから突然前方を横切るクルマが現れた。もちろんびっくりして反射的に急ブレーキを踏んだ。ところが、意に反してタイヤは簡単にロックしてしまい、ステアリングで避けたつもりがそのまま真っ直ぐに相手のクルマ目がけて突進。あまり減速できないまま横っ腹に突っ込んで止まった。衝突の場所はセイコーマート(コンビニ)の目の前。運転していたおじさんはそこに入りたかったようであったが、対向車の存在を確認せずに道路を横切るなんて、とても予想することはできなかった。

ABSが付いていれば避けられた可能性もあったと思われる事例ではあるが、スタッドレスタイヤのグリップ性能の低さをこのような形で知ることになった。このことから、年間を通してスタッドレスを履く人(スタッドレスを1年で履き潰して毎年取り替える人は北海道では結構多い)には気をつけるよう話している。

なお、私が乗っていたクルマは、安全性評価で「膝に損傷を与える可能性が高い」という結果が出ていた。そのとおり、今回の激突によって私の膝もキーシリンダに当たって痛みを感じることとなった。

 

戻る

 

inserted by FC2 system