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初めての雪道(BL5にて)

【四駆】四輪駆動車を初めて運転したのは、北海道で仕事をするようになった時で、クルマはAE104カローラであった。

http://www.goo-net.com/catalog/TOYOTA/COROLLA/1002980/index.html

四駆にスタッドレスタイヤを装着しておけば鬼に金棒で、ピカピカツルツルのアイスバーンでも、バンパーで雪を押しのけるぐらいの深い雪でも、何ら問題なく走らせることができたのだ (ただ、1度だけ帯広駅前で怖い思いをした:ESPIA E7の性能は低かった)。

また、サイドブレーキを掛ければリアタイヤのロックが容易で、狭い道でUターンを決めたり、砂利道や新雪で四輪スライドでコントロールを楽しむことが簡単にできた。カローラ4WDというやつは本当に良く出来た相棒であった。

冬道(雪道)の安全運転講習会で前輪駆動のカローラ(AE100)に乗る機会があり、そのトラクション性能の低さ(4WDとの差)に愕然とした。他社の営業マンがFWDカローラに乗っているのを見ると「冬場、彼らは辛いだろうなあ」と思ったものである。

 

【夏タイヤで雪道】四駆の性能を知ってしまったら北海道で二駆は買えない。そこで自前のクルマはGC8インプレッサにした。購入の主目的はハイスピード (サーキット)での運転の訓練をするためであったが、一方で冬道の安全運転というのも重要なポイントであった。スタッドレスタイヤ(GRASPIC)は性能が高く、真夜中の雪道 (石狩新港)で遊んだり、札幌から近場(ニセコ、余市、支笏湖、帯広)に行く程度なら大きな不安はなかった(網走まで流氷を見に行きたかったが、それは怖くてチャレンジできなかった)。

北海道を離れて東京・北多摩に移った時、スタッドレスタイヤは当然のように持って来なかった。東京で雪が積もるなんて思いも寄らなかったのだ。でも、意外に。。。

ある日、湘南に行った帰り道、夕刻から降りだした雨は北上するにつれて少しずつ雪が混じり、そのうちに完全な雪景色に変化した。自宅までの距離は30km以上も残されている中、雪による交通麻痺 (渋滞)や深い積雪をかき分けて何時間もさまようという経験をした。そこで色々と新たな認識ができた。インプレッサ(四駆)なら夏タイヤを履いていても5〜10cmぐらいの積雪(アスファルトはまったく見えない)なら、たとえ坂道であっても(→渋滞を避けているうちに見知らぬ山道に迷い込んだ)何とか切り抜けられる( =FWD車が放置されている場所でもスタックしない)ことが分かった。夜中になってほとんど交通のなくなった野猿街道(←モーテルがあった)に降り積もった新雪の上で 必要のない加減速をしながら車両の動きを確かめると、それはサーキットでのウェット路面における動きと基本的に変わりはなく、アンダーステアに仕立てられた扱いやすいものであった。

 

カローラとインプレッサで四駆の安心感を知った私が次に選んだクルマは、やはり四駆であった。

駆動系の構造がシンプルで、燃費が良くて、サーキットで遊ぶことができる。そんな条件を出すと、インプレッサかレガシィしか残らなかった。

 

市町境の短いトンネルを抜けると、そこは・・・

こんな天気なのに山間部の食堂の駐車場には多くのクルマがあり、賑わっていた。

雪を除けてくれる前車が居てくれるとアスファルトが顔を出すので助かる。

暖かい季節にはこの国道を通って日本海まで釣行に出るのだが、冬場には家から北上したことは今まで一度もなかった。わずかな距離でこんなに世界が変わってしまうのだ。

甘い考えで行動を起こしてはならないと思ったが、無事に帰ってきた今ではBL5レガシィの雪道テストができてよかったと 思える。ともかく、いざというときにクルマを置いて帰る必要がないというのは、安心して遠出ができるということにつながるので、クルマ選びの大事なポイントと言える。

ワイナリーに辿り着けず、昼食を摂ることができなかったので、その代わりにこの国道沿いにあって今までず〜っと気になっていた食堂(熊、鹿、雉、猪、鴨などの肉を出す)に入ってみた。店内は 意外にもお客で賑わっており、肉はおいしかった。このあたりならまだまだ山深くはなく(家から11.5km)、深雪になることはないだろうから、今度、友人たちとぼたん鍋を食べに行くのも面白いだろう。

今朝、窓の外には雪がちらついていた。居間から見下ろす隣家のカーポートの屋根は真っ白になってきれいな景色を窓に映していたが、道路を見るとまったく積もっていなかった。そして、11時には雪は完全にやんで陽射しが眩しくなっていた。

ここ数年、クルマで出かけられないほどの雪が積もったことはない。今年も暖冬なのか。

 

週末、私は家から北に40kmほどの距離にあるワイナリーにランチを食べに行こうと計画していた。朝の雪に不安を抱きながらも幸いに雪は早々にやんだので、計画どおり11時30分には家を出て国道を北上した。

のワイナリーはメディアで紹介されていたものを見ただけで、 実際に行ったことはないのだが、いつも海釣りに行く際に通る国道から少し逸れたところにあるのは分かっており、その交通量の少なさから、まあ1時間もあれば到着するだろうと踏んでいた。

ところが・・・20kmぐらいはいつものように順調な走りができていたのに、路面が濡れてくるにしたがって風景がどんどん変わっていった。家では青空だったのに、少し北に行っただけでまだまだ冬将軍は活躍中なのであった。

今回も東京の大雪と同じことになってしまう(雪道テストをすることになる)のか。そんなことを思いながら北上して行くと、だんだんアスファルトが見えなくなってきた。

対向車にはこんもりと雪を被ったクルマが現れ、この先の雪の多さを暗示する。

そして彼らは高い速度で走ってくる。スタッドレスタイヤを装着しているのだろう。我が家の周辺では冬タイヤは不要なのに、少し離れただけで冬装備が当然になされている世界があるというのは面白いものである。

レガシィのタイヤは少し減ったRE050である。

ワイナリーに行くためにはいつもの釣行のルートから逸れる必要がある。その分岐点にやっと辿り着いた。目的地まであと数kmだ。

そこで交差している国道(1桁)は、いつもならこれまで私が通ってきた国道(3桁)とは比べ物にならないぐらい交通量が多く、「路面に雪はないだろう」と予想していた。しかし、降り続く雪は私の甘い考えを吹き飛ばし、さらなる白い世界へと誘うのであった。

そうなると、もはや私も無理にワイナリーへ行く必要はないという境地に達し、交差点脇のLAWSONに入ってUターンして家路に付くことにした。ワイナリーもこの雪では営業していないかもしれない。。。

LAWSONで熱い缶コーヒーを買い、その広い駐車場でグルグル転回してみたところ、まずはフロントが逃げ始めるが、続いてリアの蹴り出しが強くなってテールスライドが発生するという特性が感じられた。これは ミニサーキットで感じた挙動とまったく同じであり、BL5レガシィはGC8インプレッサよりもさらに素直な扱いやすさを持ったクルマであることが確認できた。

また、 ブレーキング時のABSの感触はGC8のような「抜け」が少なく、減速感をある程度維持したままロックを解除してクルマを曲げるように働いてくれた。BL5(BOSCH製)は優秀だ。

BL5はGC8よりも確実に進化しており、悪条件下でも何ら苦労なく、あまりにも簡単に家に帰ることができた(少し走らせてワイナリーを見てもよかったか)。

やはりSUBARU AWDは雪道の安全のために存在するのだと思う。ドライ路面ではどんなクルマでも大きく変わらないが、条件が厳しくても安心して運転できるというのは良いものだ。

06FEB2010

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雪の心配をしながら北上していた峠(路肩に積雪あり)の途中で、私と同様に北上していたと思われるDC2インテグラtypeRが対向車線を通り越して道路脇の溝に落ちていた。

ワイナリーを諦めた帰路(1時間後)に見てみると、まだ同じ場所にDC2は留まっていた(外に出ていたお兄ちゃんは車内に戻っていた)。救援は来たのだろうか。

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