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Smooth driving

BMW Japanはドライバートレーニングという運転講習を実施しており、その一部である「スムーズ・ドライビング」を体験できるイベントがあったので、参加してみた。

そのようなレッスンを受ける気になった背景を少し述べてみよう。

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私は学生時代からスムーズなドライブが大切であると考えており、真夜中のドライブ で居眠りをしている同乗者が出ると、彼らを起こさないためにどういう運転をすればいいか考えながらクルマを走らせていた。自分なりの訓練を日々実行して、そのような低い(加速度の絶対値が小さい)レベルでの走りはまあまあできるようになったつもりでいた。

 

一方で限界域(加速度の絶対値が大きいレベル)でうまく走らせることも自分なりに訓練していた。

山道では限界の低いファミリアでスムーズなアンダーステアと戦いながら走ることに慣れた後、ジムカーナの練習会に参加するようになり、速く走らせるにはどうすればいいのか考えるようになった。

その頃、テレビでレース車両のドライバーの運転操作を映し出す場面がよくあり、ミラージュカップなどで活躍していた小幡栄 (トップドライバー)の運転を見る機会があった。その画面の中では一番速い選手なのに何ら特別なことをせず、普通に道なりにハンドルを切って曲がっているだけだったので驚いたものである。もちろんブレーキ操作との連携でうまく走らせているのだと思うが、当時はあまり分かっていなかった。

自分でもサーキットを走るようになって、自己流で限界を高めていく(タイムを縮めていく)走りを追い求めた。サーキット走行ではそんなに大きい操作をしないので、何度も通ううちにまあそれなりの走りができているつもりでいた。しかし、ジムカーナ場では素早い操作が必要になるため、ついつい激しい操作をしてしまいがちであり、良いタイムを出せなかった。

そこで、いつも1位になる先輩のクルマに同乗してみると、ものすごくスムーズに運転していることが分かった。すべての操作に角が立っていなかったのである。小幡選手の運転と同じだ。

とにかく上手に走らせることを考えていたある日、インプレッサがマイナーチェンジをしたのを機に、それが練習車両になるかどうか確かめたくなった。

そしてちょうどその260馬力インプレッサの発売記念として「清水和夫の運転レッスン」が岩見沢で開催されたので、2000円という費用の安さも魅力だと思って参加してみた。

レッスンでは清水選手のお手本走行の後に、彼の真似をしてコーナーリングブレーキや8の字での荷重移動をやってみたのだが、私の運転に対して清水選手は「荒っぽいよ。素の自分が出るよ。」と指摘した。確かにそのとおりだ。私の運転はブレーキングもステアリングもカクカクしていて、スムーズとは言えなかった。260馬力という初めての大パワーの乗り物に対して適正な操作ができなかったのは事実である。それをテレビ放送されたのだから恥ずかしい。まあ清水選手に「松!」という評定をもらったのは悪くなかったが( いろいろな経験を積んでいるため、素人にしては上手だったのだろう)。。。

 

その後すぐにインプレッサを買って、清水選手の運転を目標に練習を続けようと決めた。

 

清水選手のレッスンを受けてから、またいろいろなレッスンを受けたものだ。あるときは十勝の雪道レッスン。またあるときは鈴鹿南コースでのKYBドライビングレッスンなど。

KYBレッスンの同乗走行においては、ジムカーナの西原正樹選手が運転するMR2(SW20)の助手席で操作を間近に見ることができた。SW20はかなり操作が忙しいクルマであったが、クルマ自体の動きはきれいに理想のライン取りで走り、前後左右の加速度(G)は極めてスムーズに移動 することに感嘆した。さすがにチャンピオンの運転は見事であった。

TIサーキット英田での瀬在仁志選手の同乗走行、筑波サーキット2000(BMW Circuit Day)での中谷明彦選手の同乗走行でも「さすがにプロは違う」と唸ってしまった。

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【BMWのレッスン】

上述のような経験を積んだ上で菰田潔、萩原秀輝、佐藤久実、五味康隆の各氏が集まったレッスンに参加してみたのである。

参加者のほとんどはBMWオーナーのようで、BL5の脇には3のクーペ、5のセダン、そしてZ4が並んだ。

トレーニング用車両は325iであった。適度なパワーと6気筒サウンドを持つことから、練習と宣伝の両方でバランスの良いモデルとなるのだろう。

このスムーズドライビングレッスンは、高いGのもとでスムーズに走らせるものではなく、交差点や山道で普通に走る状況でのスムーズな操作を目指したものであった。

「初心者やオバチャンじゃないんだから、そんなことは出来ているぜ!」と思って運転してみたが、講義のとおりのBMW流ハンドル操作をするとなんだかうまくいかず、ちょっとカクカクした動きになってしまった。

模範走行(同乗)で萩原氏の運転を間近で見ると、それは極めてスムーズな運転であった。

単なる雑誌編集者だろ?と思っていたが、見方が変わった。BMWのインストラクターになる人は違ったのだ。

 

近頃の私の運転はズボラになっていたのかもしれない。このレッスンの受講は、もう一度初心に帰って角のない運転を心がけようと思う良いきっかけになった。

20NOV2009

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