悪徳業者 世にはばかる
【不用品あり】 過去に使ったタイヤ4本を長年ガレージの緩衝材として使ってきたが、作業の邪魔になることが多く、美観も損ねるため、廃棄を考えていた。 これまでタイヤ交換の際にはいつも廃タイヤが4本出て、どのタイヤ販売店でも2000円(1本500円)ほど取られていた。2000円というのはタイヤ購入者に対する優遇措置(安価な設定)なのか、それとも、単に廃タイヤを持ち込んでも同じ扱いなのか、それは分からない。 次回のタイヤ交換に合わせて余分な4本を出すのも一案だが、タイヤ交換時期は2〜3年後になりそうなので、ちょっと遠い話になると思っていた。
【いいモノ、見つけた】 ある日、職場の福利厚生の業者のパンフレットが配布され、その中に1万円分(税抜)までの不用品回収を無料で行うという案内があった。 これは朗報で、すぐにタイヤ回収の手配を行った。 1万円分ということなので、残りの8000円分で何か回収してもらうものはないかと思いを巡らせながら電話応対をした人にタイヤ回収の費用を聞いてみた。すると「分からない」という。
今のところタイヤ以外に不用品は特にないため、8000円分のことは考えないことにした。
【他にもいい話が舞い込む】 さて、10日ぐらい待って予定していた回収の日が来た。そんなに待たせるとは、よほど人気がある業者なのだろう。 いつものようにガレージで作業していると、よく通る廃家電等の回収車が近くで止まった。どうやら向かいの家の自転車を引き取ったようだ。価格はどうだったのか(売ったのか、廃棄料金を払ったのか)は不明である。 声がして振り向くと、回収のオジサンが「そのタイヤを回収しましょうか」と言ってきた。料金は1本300円だという。タイヤ屋より安いではないか! もっと早く言ってくれ。 300円で儲けが出るということは、処分場に払うのは100〜150円ぐらいなのだろう。 タイヤ屋は500円で引き取ったら結構儲けが出ていると推察できる。 福利厚生で予約をしていなかったら出してもよかったのだが、「無料で引き取ってくれる業者がもうすぐ来るんだけど」と告げて帰ってもらった。
【予約した業者現る】 小型トラックに乗った赤い服の2人組が現れた。 あらかじめタイヤ4本という連絡をしてあり、ガレージの外に目立つように置いておいたので、作業確認のサインをするだけで遊撃隊員がぱぱっと持ち帰ってくれるものと思っていた。 チーフという兄ちゃんは、いちおう値段を示しておくという感じでサイズも確認せず「タイヤは2000円ですので・・・」と話し出した。電話では値段が分からないと言っていたが、サイズにかかわらず2000円なんじゃないか! やっぱり2000円か、と思いながら「ハイハイ」と聞いていると、何か違和感が。。 1本が2000円、4本で8000円、出張費が3500円。合計で11500円というのである。 「オイオイ、タイヤ4本で11500円だなんて、馬鹿にするにも程があるぞ」と思いつつ、「さっき来た業者は1本300円だったよ」と言ってやると、「ウチはこれでいつもやっている」とのこと。そんなことは知ったこっちゃない。 他にも不用品を出そうかなという目論見は完全にぶっ飛んだ。タイヤだけで1万円をオーバーしてしまうなんて。 「じゃ、3本だけ持って帰ってくれ」と不快感を示した。 そして1本は路上に残された。 これは緩衝材に使ってもいいし、300円のオジサンに持っていってもらってもいい。次はいつ来るだろう。 そう思いながらサインする書面が出来上がるのを待っていると、チーフはもう一人の若い兄ちゃんに目で指示を送り、若いのは最後の1本もトラックに積んだ。
書面には出張費が3000円、値引きが500円とあり、合計は10500円となっていた。税込みなので、上限とぴったり一致し、自己負担なし。 それにしてもタイヤ4本で1万円を超えるなんて信じがたい。朝に来たオジサンだったら1200円であり、約10倍の違いがある。 こんな業者が福利厚生事業の中に入っているなんて、いったいどうなっているのだろう。
【業者もいろいろ】 いつも家の前を通る古紙回収のオジサンは古新聞を持っていくときに15円ぐらい置いていくが、最近は紙の価格が高くなったのか30円も置いていくことがある。古紙の相場変動に合わせて変化させるということに「誠実なオジサンだなあ」と感心していた。タイヤ300円のオジサンもそんなに悪くなさそうである。 そんな近所の巡回業者と比べると、この不用品回収業者は悪質である。 申し込み時には価格を明示せず、作業員が家にやってきて初めてぼったくり価格を知る。しかし、一般の人はわざわざ来た人に「高いから帰ってくれ」とは言いにくいので、大抵は契約に至るだろう。
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