-------------------------------------
NISSAN
WINGROAD S Aero 1.5L FWD 4AT 160.8万円 |
ちょっと日産車を見てみようと思い立ったので、徒歩10分圏内の最も近い青い看板の店に入った。ここを訪れるのは3年ぶりぐらいである。 ウィングロードの試乗車は、立体駐車場の上段に置いてあったので、まずは後ろから下回りを覗いてみた。床下はとにかくシンプルで、サスペンションはとても簡単な構造のトーションビーム式であった。脚まわりが簡単な分、マフラーは効率が良さそうなレイアウトになっていた。 室内のチェックは、まず荷室から。X-TRAILと同じように洗える床板が備わった ラゲッジルームはなかなか広く、使いやすそうである。次に運転席。ダイヤル式シートリフターが備わるが、 座面だけが動くもので、また、最下位にしても非常に着座位置が高いので、まったく意味をなさない。エンジンをかけて空調を触ってみたところ、ちょっと驚いた。 調整ダイヤルがなんと電気式なのである。インプレッサは昔から電気式であったが、カローラクラスでは手動式が主流なので、これは珍しいと思った。セレクタをDに入れて街乗りに出かけてみた。各種操作をしながら適当な運転姿勢を探したが、どうしてもまともな姿勢をとることができなかった。 ブレーキペダルに対してフットレストがかなり奥まっており、左足ブレーキングをするときに足の移動量が大きくなってしまうし、ステアリングが遠くに存在し、かなり背もたれを立てないと手が届かない。背もたれを立てると、着座位置が高いことから不自然な姿勢になってしまうのである。家の周りをぐるっと回ってみると、路面が悪いせいもあってとても騒がしいクルマだと感じた。エンジン音、ロードノイズなどが盛大に室内に入ってくるのである。ATのシフトショックや脚のフィーリングも洗練されていない。 エンジンのトルク感は、1.5Lにしては上出来である。街乗りではゼロ発進のときにピックアップが鋭すぎるのが気に入らないが、それ以外は問題ない。2ndギアで全開加速をしてみると、5000rpm以上で伸びない。低速重視の設定なのだろう。4段目(TOP)ギアでロックアップが働くのは55km/hであった。 一回りして店に戻ってから、リアシートに座ってみた。私(身長175cm)の運転席の後ろでは、膝の前に2〜3cmぐらいの隙間しかなく、やや狭苦しい。荷室を広くしたしわ寄せが後席に出ているのだろう。ルーフが長いため、頭上には余裕があった。 ウィングロードは一見乗用車ふう (登録は乗用車)であるが、その実はトラック(バン)である。サニーバンと思えば、商用車臭い乗り味にも合点がいく。ラジオもアルミホイールも付いていないのに、160万円とは驚きのプライスである。CMのように、汚れ物を積んで走るのに都合は良いが、それならADバンでも同じなので、敢えてWINGROADを選ぶこともない。 ADバンなら134万円で、FM/AMラジオが付いてくる。 |
NOTE 15S V-package 126万円(税抜) |
TIIDAと同じ新型パワーパッケージをマーチを少し伸ばした車体に載せた簡単なクルマである。全長が4.0m未満なので、フェリーに乗せるときに安いのが嬉しい。 TIIDAと比べると前席のサイズはとても小さい。座面は左右に余裕がなく、背もたれは上端が肩甲骨までしかないため、違和感を持った。 後席は背もたれをリクライニングすることができない。TIIDAは10段階の中から自分の好みの位置を選ぶことができたが、NOTEのシートは始めから寝すぎていて居心地が悪い。 走りはTIIDAのパワーパッケージを使っているので、同様に静かでスムーズなものであった。フルスロットル時はあまりパワー感はないが、それほど不足はないだろう。全開加速時にCVTのセレクタをDレンジとLレンジに切り替えてみたが、どちらも同じ設定になっていた。変速パタンはTIIDAと同様にD、SPORT、Lの3種類を選べるので、日常の使い勝手が良い。 乗り心地はきれいな路面ではとても気持ちよく、滑るように走ってくれるのが快適であった。しかし、大きい入力はあまり得意ではないようで、突き上げはやや強かった。 パワステの違和感は、TIIDAと同じく残っていた。 MARCH、CUBE、CUBIC、TIIDAの仲間であることが乗り味からよく分かるクルマであり、共用プラットフォームによるコストダウンをようやく日産もできるようになった。とにかく安易に作られた安物であるが、ライバルよりも大きい1.5Lエンジンが強力な武器になって売れることだろう。 |
戻る