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ならし運転について

いまどきのクルマでならし運転の必要があるのか

ならしをしなかったから10万kmまで使えなかったという話を聞いたことがない。また、同じ車種を使う仲間の中で燃費や速さを厳密に競うこともない。それなら、わざわざ面倒なことを考える必要はないのではないか、ということもできる。

しかし、私個人としては初期には丁寧な運転を心がけたいと思う。初回のエンジン油交換、ギア油交換の際に出る金属粉の量の多さを見ると、機械の精度が高くなったとはいえ、やはり多くの部品が絡み合って動く機械において、当たりがつくまでは大きい力を加えたり高い速度で擦り合わせたりすることを避けようと考えるのが自然だと思う。

やり方としては、AT車なら暖機を充分にしてやるだけで、あとは普通に流れに乗って走るだけでよい。負荷をあまりかけない(アクセルをあまり踏まない)ようにすれば、3000rpmも回ることがないので、自然にならし運転ができてしまう。

MT車の場合も同様であり、暖機を充分に行ったうえで、ギアをいたわりながら丁寧な変速をして(ゆっくり行えば良いというのではない。シンクロに頼りすぎないようにギアの噛み合いの様子を感じながら)、3000rpmまで使って交通の流れを大きく乱さないように走るだけでよい。

ならしの時期では、ややもすると最高エンジン回転数ばかりが注目される傾向があるが、低回転で高い負荷をかけるのは避けなければならない。エンジン回転数を気にするあまり、高いギアで大きくスロットルを大きく開けて加速する人がいるが、それはダメである。回転数が多少高くなっても、負荷が少ないほうがエンジンには優しい(自転車を想像すればイメージが湧く)。基本的に2000rpm以下は使わないよう心掛けると、エンジンに無理をさせることは少なくなるだろう。

ならしの時期に限らず、とにかく暖機が肝心で、水温50℃までは緊急性のある時以外は動かさない(AT車をクリープ走行 させて50℃になるのを待てるのなら動かしてもいい)と心がける。エンジン内部が適温になって、ピストンやシリンダが正常な形状になるのを待ってからゆっくりスタートするのである。スタートしてからも、他の部分(トランスミッション等)が適正な温度になるまでは、すべての操作を丁寧にすることが大事である。

 

オイル交換はどうするか

1000km走行時に初めてエンジン油を交換するのが一般的であるが、部品 の削り粉が出るのは早期に起こるので、300〜500km時点でゴミ排出を兼ねて交換するのが良いと思う。銘柄は問わないが、できるだけグレードの高い油を使うのがいいだろう。そのときに 減摩剤を入れてやり、摩擦部位が滑らかに磨耗するよう助けてやるのも良いかもしれない。オイルフィルタはまだ替えない(ただし、一度外してフィルタ内とオイル経路中に残っている油を捨てる)。フィルタを替えない理由は、初期には削り粉が多く出るが、その量はフィルタの捕捉能力を一杯にするほどではないと思われるから。2回目のオイル交換は2000〜3000km走行時に行う。オイルフィルタも新品に交換するとよい(その次でもいい)。MT のオイルは1000km、デフのオイルは200kmぐらい走ってから交換して削りカスを排出し、その次は1万kmぐらいで交換して金属粉の状況を確認し、その後の計画を立てれば良い。

2005年7月に購入したMOVEのエンジン油を450km走行時に交換したところ、オイルに浮遊する金属粉がほとんど見えないことに気付いた。現代のエンジンでは、部品が削られて当たりが出るということを意識する必要はないのかもしれない。

どうやらダイハツのエンジンは精度が高いようである。2006年9月に買ったLEGACYのエンジン油を621km走行時に交換すると、金属粉は従前どおり見られた。

 

エンジン回転数は

積算走行距離100kmまでは3000rpm、1000kmまでは4000rpm、2000kmまでには5000rpm程度を上限と設定して徐々に上まで回すようにしてやるとよいと思う。ただし、それほど厳密に上限に縛られることもない。なぜなら、出荷時に高回転まで回るかどうかをメーカーでテストされているはずだから。初期に気にすべきことは負荷をできるだけ少なくすることである(負圧計があると分かりやすい)。ならしが終わったら、必要もないのに 突如としてフルスロットルを試したくなるが、それは2000〜3000kmで交換したオイルが十分に馴染んでから実施する。 しかも徐々に回転数を高めてやるほうがいいだろう。

ならしを終えたあとは、高速道路への進入時などに高回転(Rev limitの9割ぐらい)まで回してやるといい。常に低回転しか使わないエンジンは高回転を嫌いになってしまう気がするからである。変なクセがつかないように多彩な乗り方をしてやると良い調子が維持できるだろう。ただし、高負荷運転はエンジンやミッション等が十分に暖まってからにすること。

 

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