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Energy efficient technology

自動車のカタログを見ると、主要燃費向上対策という欄があり、電動パワステ、可変バルタイ、ロックアップクラッチなど見慣れた文字が多く並んでいる。

その中に最近見慣れないものが現れた。

それは、充電制御というものである。

2006年のマツダ アクセラのマイナーチェンジ時の資料を見て、その技術が1.5Lモデルに採用されたことを知った(2.0Lと2.26Lには採用されていないようだ)。トヨタ車はすでに多くのモデルに採用されており、だいたい2004ぐらいからカタログに記載されていたのを覚えている。その技術はトヨタ専用(DENSO)のアイテムだと思っていたのであるが、知らぬ間にマツダ車にも広がっていた。

では、充電制御とは何か

 

自動車の電装品への電力供給はバッテリが担い、バッテリ電圧が低下すると発電機を作動させて充電する。そんなことは当たり前である。従来は電圧が下がればその都度エンジンの力を使って発電機を回して充電をしていた。電圧が下がったら、いつでも・・・ それは加速中であろうと、減速中であろうと、お構いなしであった。それを「できるだけ減速中に発電機を回してやろう」という考えに改めたのが充電制御である。

減速中に充電すれば、何が良いのか?

減速という行為は、走行中に自動車が蓄えている運動エネルギーを何らかの形に変換することで起こる。通常はブレーキで熱エネルギーに変換して捨てるだけであるが、運動エネルギーの一部を発電機を回す力にしてバッテリを充電してやれば捨てていたエネルギーを有効活用できるとひらめいた人がいたのだろう。

車両が加速している間はバッテリ容量が減っていってもできるだけ充電せずに我慢して、スロットルバルブ全閉やブレーキランプ点灯となった瞬間に充電を開始する。なかなか賢いアイデアである。

この制御によって加速は良くなる(悪くなる要因が減る)し、燃費も良くなる(捨てるエネルギーが減る)。

上に書いたアクセラ1.5Lモデルでは、その排気量に似合わず大きいバッテリ55D23)を積んでいる。 なぜそんな大きいバッテリを積むのだろう、と思って考えてみた。おそらくその理由は「減速時に発生したエネルギーをできるだけ多く蓄えておきたい」と考えたからだろう。多く蓄えることによってフル容量から容量低下が許容できるレベルまでの差を大きく取ることができ、加速時に充電する機会を減らす(充電を我慢できる時間を長く取る)ことが可能になるのである。

コンピュータ制御の現在のクルマなら全車に付けてもいい装備だと思うが、トヨタ車以外で付いているクルマは少ない。なぜだろう。

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日産車のカタログには発電電圧可変制御という記載がよく見られる。これはどういうものなのだろう? 加速時に充電する場合は電圧を控えめにするのだろうか。詳しく知りたいものである。

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2007年に発売されたE92 BMW M3にも充電制御が採用され、広報資料には「ブレーキ・エネルギー回生システム」という名前で紹介されている。

確かにエネルギーを回生することに間違いはない。しかし、無知な雑誌記者等がこの資料を見て、「BMWは画期的なことを初めてやった」という記事を書いているのを見て呆れてしまった。トヨタでは(少なくとも)3年も前からその技術を広く採用しているのである(私は2004年にはすでにカタログで見ていた)

「回生」という言葉を見て、その記者はプリウスの回生ブレーキを思い出したのかもしれないが、それらが別モノであるという認識がないのだろう。まったく馬鹿げている。DENSOかトヨタの取材をしてみたらどうなんだ。

 

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