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AT車のブレーキペダルを踏む足は?

MTで運転免許を取った人であればブレーキペダルは右足で踏むのは当然ということであるが、昔から徳大寺有恒氏の本には左足ブレーキのことが書かれており、気になっていた(当時は小学生)。カート(ゴーカート)は左足でブレーキを踏むことになっているように、ATの2ペダルを2本の足でコントロールするのなら、それぞれの足に仕事をさせるのが自然であろう。インターネットで検索してみてもこの話題については色々な考え方を見ることができる。

免許を取って最初に乗ったクルマはATであったが、免許を取るまでの運転経験(MT車/中学生)や教習所での教え(MTのみ)から私もブレーキは右足で踏むのが当然と考え、左足ブレーキを試そうと思うことはほとんどなかった。しかし徳大寺氏の言葉は記憶の片隅に常に存在し、一度友人のAT車に乗ったときに左足ブレーキングを試してみたことはある。そのときは、フル加速中にセレクタを操作する左手と連動して左足がつい動いてしまい、クラッチを踏むようにブレーキをドンと踏んで同乗者ともどもビックリしてしまうという失態を演じてしまった。それを反省してしばらく自粛していた。

左足ブレーキを本格的に練習するようになったのは就職してからである。会社から与えられたクルマはATであり、北海道の交通量の少ない道を1日に200km以上運転することが多かったので、練習するには都合が良かった。左足はそれまで重いクラッチペダルしか知らず、しかもさほど繊細に扱うこともなかったため、微妙なコントロール能力に乏しかった。最初は力の加減が難しく、とてもギクシャクしたが、それでも練習するうちに少しずつ左足が繊細に扱えるようになり、1年も経てばドライ路面で普通にブレーキをコントロールすることができるようになった。しかし、凍結路面でのロックコントロールは意識していても難しいもので、右足ブレーキのほうが信頼できた。

転勤で会社のクルマに乗ることがなくなり、自分のMT車が主たる移動手段になってからは左足ブレーキの感触を忘れつつある。そこで、AT車に乗る機会を得たときには、感覚を忘れないよう積極的に左足でブレーキを踏んでいる(ペダル配置が適正な場合のみ)。

左足ブレーキのメリットとして危険察知からペダルを踏むまでのタイムラグの少なさを挙げる人がいるが、実際はフットレストから移動するわけであり、アクセルペダルから移動するのと何ら変わらない。ただ、飛び出し等を予想してあらかじめ足を乗せておくという使い方をするには便利だと思うので、普通に踏めるようになっておいて損はない。また、長距離走行のときに左足ブレーキを使うと、右足の疲れが相対的に軽減されるのは実感できるので、AT車の左足ブレーキングにメリットはあると考えている。

今後は一生AT車しか運転しない人が多くなると思われるので、左足でブレーキを踏めないペダルレイアウトのAT車はなくしてもらいたいものである。また、教習所でも右足ブレーキに固執せず、AT免許なら最初から左足ブレーキで教えてもいいと思う。多くの人は免許を取る前にクルマを運転したことはなく、左足も右足もペダルの感触を知らないだろうから。。。

 

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