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530

Hi-Line package

6AT

710万円

外装デザインは7シリーズに比べると奇抜さが薄く、実車はそれほど変でもなかった。ただし、サイズが旧型よりも大きくなりすぎたのが気に入らない。Eクラスに対抗するにはこれぐらいの車格が必要になるのだろうか。まあボディが大きくなった恩恵はリアシートにおいて明らかで、かなり広々としていた。

運転席から見える風景は、外観とは異なって何ら奇抜なところはなく、ごく普通のクルマであった。iDRIVEは今回の試乗中には触れなかった。触れる必要がなかったということでもある。

新型の最も大きい特徴はアクティブステアリングで、日本仕様車には標準装備されている。それは明らかに大袈裟なもので、少しのステア操作でクルマは大きく動き、違和感たっぷりの反応であった。これは低速度のときだけではなく、80km/hぐらいで走行していてもクイックすぎるステアリングギア比に奇異な感じを持った(120km/hぐらいまではクイックなギア比はあまり変わらず、200km/hを越えるレベルになってようやくノーマルより鈍くなるらしい)。

搭載されるエンジンは330i(E46)と同じM543.0Lである。530iは意外に重量が軽く、330iとは男性1名分(70kg)の差でしかない。したがって速さは330iとさほど変わりがないはずなのであるが、3シリーズと5シリーズでは全然フィーリングが違った。530iのスロットル特性は穏やかで、330iのように唐突にドカンと発進することはなく、とても扱い易くなっていた。また、排気音は絞られ、3のようにボーボー吼えることはなくなった。めっぽう速いクルマであると感じられた過剰演出の330iに対して、530iはフルスロットルにしても全然びっくりすることのない普通の味付けのクルマになっていた。大人の乗り物になったという感じである。

6段になったATはとても滑らかに変速し、トヨタ クラウンの6段ATよりも良いように思えた。乗り心地も滑らかで、硬くて重いランフラットタイヤを履いているのが分からなかった。ステアリングの違和感はしばらく乗ると慣れるというので、上級ファミリーサルーンとして使うのは悪くないのかもしれない。

 

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