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ルームエアコンはどうやって選べばいいのか?
灯油の価格が高騰して以来、石油ストーブよりも電気のエアコンのほうが経済的であるという話をよく耳にすることから、冬場でも電気エアコンを買う人は多いと思う。 では、どんなエアコンを選べばいいのだろう。 宣伝文句によく出てくるエネルギー消費効率(COP)というのは大まかな目安になる。エコポイントの基準もCOPなのだが、その値が高 ければいいのだろうか。ちょっと考えてみよう。
【最大能力】 電器店のチラシには部屋が6畳なら定格2.2kW(機種名に22の表示)、8畳程度なら定格2.5kW(機種名に25の表示)を使うとよいと分類されて おり、それが一応の目安にはなる。しかし、今のエアコンはインバータ式(能力可変式)なので、定格能力に対して実際の能力は その上下に幅広く推移するため、定格能力をあまり気にすることはない。これは昔の固定能力のエアコン(コンプレッサのON-OFFでのみ温度調整ができるタイプ)で考えられた基準だろう。 例として下に定格2.2kWモデルの能力を並べてみたが、実際の能力の幅はいろいろとあるものだ。 冷房は3.4kW、暖房は6.1kWまで能力を高められる機種もあるので、もはや2.2kWなんていう数字に意味はない。メーカーによっては、2.2kWタイプと2.5kWタイプでほとんど能力幅に差がない場合もあるので、よ〜く比較検討すべきである。
【運転可能な最小能力】 我が家では知り合いの電気工事屋さんに適当に見繕ってもらったエアコンを1995年に導入し、転勤のたびに(3回)移設して使ってきた。 最初の部屋は8畳だったことから、知り合いは2.5kWタイプのインバータエアコンを選んでくれた。しかし、現在の住環境はあまり冷房を必要としないこともあって、10畳以上の部屋で あるにもかかわらず、そのエアコンは充分過ぎる能力を持っており、設定温度に達するとコンプレッサが「OFF」になり、温度が上がって「ON」になるという昔のエアコンのよう な運転になり、煩わしかった。これはインバータ式であっても古いタイプなので、能力可変幅が小さかった(最小能力が大きすぎる)ということだろう。そして、何度も移設する うちにコンプレッサの潤滑油が漏れ出したりするのか、わずか11年でスイッチが入らなくなってしまった。 そこで、買い替えに当たって求めた内容は、能力可変幅が大きくて設定温度になってもコンプレッサが「OFF」にならないことであった。つまり、最小能力が充分に小さいことが大事なのである。 |
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FUJITSU 2006 我が家で買い替えたエアコンの性能はこのようになっている。冷房も暖房も最小能力は0.5kWである。 市場にはまだまだ最小が0.7kW〜0.8kWの機種が多いので、これぐらいでまあ良いほうだろう。 もっと小さい値のモデルもないわけではないが、販売価格との折り合いが付かず、妥協してしまったのだ。 実際にはこれでも設定温度に達してから運転「OFF」になる機会はある。でも、かなり頻度は低くなった。 最小能力運転時の消費電力が冷房/暖房で125W/100Wというのは優秀である。電気ストーブなんてもう使えない。 ---------------------------------- なお、高価なモデルであれば性能は様々なものがあり、下の表に示すような特徴を有する。 |
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FUJITSU 2009 これは富士通ゼネラルの2009年製品である。 2.2kWモデルにおいては、私が買った2006年製品と比べて性能アップはわずかに留まる。いや、定格運転時を見ると効率はむしろ落ちているではないか! |
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Panasonic 2009 最小が0.6kWというのは取り立てて目立つものではないのだが、その時の消費電力が75Wだなんて !!! これはすごい! COPは8.0だ! |
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SANYO 2009 三洋は以前から最小能力の小さい製品を出しており、なかなか魅力的である。でも、120Wも電力を消費するなんて効率が悪いじゃないか (COPは2.5)。富士通のほうがマシだ。 |
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TOSHIBA 2009 パナソニックは素晴らしいが、もっとすごい製品があった。これはもしかすると一番かな。 昨年、実家で買い換えたエアコンも東芝だったが、ちょっと安物を買ったので、こんなに良くはない。 |
最近のエアコンにはフィルター自動掃除などいろいろと便利な機能が付いており、それが付加価値になって選択されることも多いだろう。でも、そんなことよりも基本の冷暖房性能 が大事ではないだろうか。それはメーカーによって様々である。 何を基準に選ぶのかは人それぞれであるが、単に省エネ基準○○%達成という表示だけではなく、細かいところまで見て買うのがいいだろう。NOV2009 |