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Halogen bulb

ハロゲン球という語に対して、今の若い人は「旧来の電球」というイメージを持っているような気がする。

自動車に使われる電球が白熱電球からハロゲンランプ、HID、LEDに変遷してきたのを見てきた者としては、「自動車を自分好みのスタイルにしよう」という若者を指南すべきサイトにおいてこんな記事が出ているのを見つけて、少なからぬショックを受けたのである。

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私が小中学生の頃は、まだハロゲンランプ(沃素ランプ)というものは特別な響きを有していたのだ。

その当時、不良中学生がよく乗っていたパッソル(原付1種:50cc)のヘッドランプは、まだ普通の電球(球の中に沃素が入っていない白熱電球)だったはずだ。

私はその頃(中学生)、走りの悪い(遅い)パッソルには見向きもせず(なにせイメージは八千草薫だよ!)、家にあった親父の原付2種(YAMAHA 90cc)に興味を持ち、「メーターは120km/hまであるけど、出るのか?」と言いながら親父を後席に乗せたり、1人で最高速チャレンジをしたり、2サイクル90ccというものに親しんでいた(YAMAHA純正オイルとHONDA純正オイルの比較もした)。まあ、100km/hしか出なかったが(ギア比が低すぎてエンジンが吹け切った感触)。これのヘッドランプは暗かった。

また一方で、小学生の頃から自動車に興味があった私は、親父が仕事で使っていたクルマ(1.4L自然吸気のFR)でテールスライドの練習をよくしたものだ。今はドリフトなどという誤った呼び方がなされるが、当時はテールスライド走法と呼ばれていた(フロントが滑らないので、ドリフトではない)。中学生の技術では、サイドブレーキターンはバッチリできたが、パワースライドはLSDがなかったこともあり、内輪空転をうまくコントロールできず、ほとんどリアを流すことはできなかった。親父に見てもらったが、指導を受けることはできなかった(親父はそういう走らせ方をしたことがない)。そのクルマのヘッドランプも暗かった。

 

私が高校生になり、自分用に原付1種(HONDA LEAD)を買ってもらった。それにはハロゲンバルブが付いていて、「Oh! 原付もハロゲンランプになっていたのか!」と感心したものだ。

もう一台、ちょっと古い原付1種(HONDA CB50)を友人から買って、ヘッドランプを見てみると、それは普通の電球であった。

自動車のハロゲンランプも一般的になった。ハロゲンランプは白くて(色温度が高く)明るくて、寿命が長く、画期的な技術だったのである。

 

最近は新車でHIDランプ装着例を見かけることがなくなり、LEDランプが主流になってきた。ただし、安物のクルマにはまだハロゲンランプが備わり、黄味掛かった(色温度が低い)ヘッドランプを見ると「まだハロゲンなのか」と思ってしまうのである。

そんな時代なので、若者にとってハロゲンバルブはまったく特別なものに思えなくなってしまっているのだ。

しかし、現代でもハロゲンバルブの採用部位は限られ、普通の電球との違いは依然として存在する。室内灯や車幅灯の多くには普通の電球が使われているのだ。

 

LEDバルブを販売する商店の宣伝文において、純正のルームランプ(オレンジ色のハロゲン球)が暗いとの記載があるが、この店主も若いのだろう。MAY 2020

 

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一昔前、車幅灯には白熱電球(普通の電球)が使われ、LEDというものは存在しなかった。そんな時代に、車幅灯にハロゲンバルブが採用されているクルマがあった。

そのクルマは色々な面で異端児だったが、6Wのハロゲンバルブを採用する理由は何だったのだろう。

 

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