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Manual or automatic?

私が自動車の運転免許を取得したときは、マニュアルトランスミッション(手動変速機:MT)を操ることができるという点に何ら疑問を持たなかった。

しかし、その時点において世の中にはオートマチックトランスミッション(自動変速機:AT)の車両が多く出回っており、新車のMT車とAT車の比率は拮抗するまでになっていた。

そして、我が家にも新しいAT車がよいタイミングでやってきていた。

AT限定免許なるものは、当時から噂になっていたが、現実になるまでにはかなり時間を要した(1991年)。

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さて、マニュアルトランスミッションやオートマチックトランスミッションという呼び方は四輪自動車に対して使われるものであり、特に何も意識することなく、マニュアルまたはオートマチックと略して呼んでいた。

一方、二輪車については、自動変速のタイプは原付1種が主体であり、原付2種や自動二輪車には自動変速のタイプは少なかった。

ところが、BIGスクーターなるものが流行し、普通のオートバイに乗る人が減り、手軽な原付2種スクーターが大ヒットした。

そして、ついに二輪の世界にもAT限定免許というものが現れた(2005年)。

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二輪のATという呼び方は特に違和感はなかったが、それに対比するために二輪のMTという語が使われるようになって、強い違和感を抱いた。

四輪でMTという呼び方に馴染んでいると、二輪ではMTと呼んではいけないんじゃないかと思ってしまうのである。

なぜなら、MTはマニュアルトランスミッション(手動変速機)の略号だから。手で操作するからマニュアルなのである。エンジン回転数と車速を頭で判断して、手でギアを選び出すのである。

一方、二輪車では、頭で判断した結果に基づき足でギアを選ぶのだ。である。なのに、なぜMT(手動変速機)なのか。

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四輪車のATは完全自動ではない。頭で判断して、前進/後退を手で選択する必要がある。そして、MTのほうは、手で操作するのは名前のとおりだが、足も大いに活躍している。足をうまく使えないから(クラッチ板の滑らかな断続が面倒だから)、AT車(限定免許)が流行したと思っている。

一方、二輪車のMTでは、クラッチ板の滑らかな断続を手で行う必要がある。そして、足は大した活動をしていない(上下に揺らしているだけ)。

そういえば、二輪のAT限定免許があればSuper Cub 110に乗ることができる。Super Cubには左手で操作するレバー(クラッチ)がなく、変速操作は足のみで行うのだ。つまり、手を使う技能が不要なのである。

AT限定免許は手を使わなくていい 手の技能を使うのなら、MTの免許が要る。そうか! MTは手の操作が大事なのだ。マニュアルで間違いないのだ。

August 2019

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ちょっとすっきりした。

でも、私のようにCB50に長年乗ってきて、左手の技能に問題のない人間であっても、AT限定免許(小型二輪)ではスクーター(のようなもの)にしか乗れないのだ。弟が乗っていたアフリカツインというオートバイに乗ってみると、排気量が大きいからとても扱いやすく、クラッチ操作など50tに比べれば非常に容易なものであった。

低料金・短期間で免許が取得できるというメリットを重視してAT限定を選定したが、本当にそんなものを選んでよかったのかというモヤモヤは残る。

 

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【余談】

四輪のAT限定免許があれば、AMT【セレスピード(アルファロメオ)、AGS(鈴木)】の車両に乗ることができる。つまり、AT限定免許はノークラの(クラッチペダルのない)クルマになら乗っていいのだ。

手で変速操作をするクルマに乗ってはならぬ」というより、「足でクラッチ板の断続をするクルマに乗ってはならぬ」ということなのだ。

二輪車でMTという語に違和感を抱いたが、実は四輪車においてMTと呼ぶのも変なのだ。

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