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CVTの好き嫌い

CVTは好きか嫌いか。

そう問われると、好きでもあり嫌いでもあると答えることになる。

実用車であるオカンの原動機付き草履に関していえば、明瞭に「好き」である。

L150Sの4段ATでは、3速で上らない坂を2速で走らせると、駆動力に余裕がありすぎて(ギア比が低すぎて)、エンジン回転数が高くなるのが嫌であった(騒々しい、燃費が悪い)。

ところが、LA150FのCVTでは、急な上り坂でも適切な変速比を選んでくれるので、無闇に騒々しくならないのが良い。また、街乗りでは低回転域を維持してくれるので、良い燃費が得られるのだ※※

他方、道楽で乗るマイカーとなると、話が変わってくる。

もちろん燃費が良いことは期待したいところではあるが、あまり長距離走行をしないという実態において、燃費の優先順位は高くない。

速さ、楽しさ、気持ちの良さを優先すると、CVTは選択肢から外れてしまうのだ。

【速さ】 CVTの考え方として内燃機関の効率の良いところを抽出できるというメリットはあると思うのだが、ベルト(チェーン)を圧着させるための油圧ポンプにエネルギーを取られるためなのか知らないが、300PSのSUBARU(Levorg)はあまり速くないのだ。5段ATの260PS(Legacy)より速くないのであれば、選ぶ意味がない。

【楽しさ】 何をもって楽しいかというのは人それぞれだが、内燃機関は不完全な動力発生装置であり、運転手はその不完全なところを補ってうまく走らせようとして変速機を操作する。その中で、失敗したり成功したりするのだ。試行錯誤の結果、成功した時の喜びが楽しさに繋がるような気がしている。

【気持ちの良さ】 内燃機関は不完全なものなので、エンジン回転数によって音や振動や回転数変動の速さが変化する。良いフィーリングを感じられるエリアを選んで走行させると、気持ちが良いと感じるのだ。

August 2019

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最近のCVTは有段ATのフィーリングを真似したいのか知らないが、ステップ変速なる制御が増えてきている。これを私は非常に嫌うのだ。

無段変速だからCVTは良いのである。段を付けたらそもそもの意味(不完全な内燃機関の効率の良いところを使う)がなくなるではないか。

LEVORG 2.0に搭載されるCVTも有段でコントロールされるが、SUBARUの技術者は速さが削がれることを危惧したようで、無段で動くプログラムも入っているという。しかし、それを発動するには発進加速(速度ゼロ)時のペダル操作が必要になり、走行中に選択することができないのだ。それでは意味がない(非常に限定的)じゃないか。まあ、無段変速にすると5600rpmを維持するので、その点は合格である(300PSを発生する回転数は5600rpmである)。

CVTについて、私が勝手に提案するのは、次のようなものである。

SIドライブ、PWRスイッチ、SPORTモードなど、変速機の動かし方の選択肢はいろいろあればいい。いや、いろいろあるほうがなおよい。日常走行では、ステップ変速であろうが、なかろうが、好きなように設定すればいい。

アクセルペダル移動量(率)が90%までなら、電子制御スロットルの開度を如何様にしても(ECOを目的にスロットルバルブが30%しか開かないようにしても)、変速機の動かし方を如何様にしてもいい。しかし、ペダル踏み込みが90%を超えたら(運転手はフル加速を期待している)、一切合切の変な制御をやめて、持てる力を100%発揮してほしいのだ。つまり、最高出力が出るエンジン回転を維持してほしいのである(LEVORG 2.0は一面では良い例といえる)。悪い例はダイハツ タントである。6900rpmで最高出力を出すのにフル加速時にエンジンは5600rpmしか回らない。これでは不合格だ。

 

※   老母は急坂を上る際にはセレクタをからに移動したという。Dレンジでも走らないわけではないが、5200rpmで最大トルクを出すエンジンは、ある程度高めの回転数を使ってやるほうが良いフィーリングを得られるのだろう(そのためのSレンジなのかな)。何も考えずに運転していると思っていたが、老母もなかなかやるものだ。

※※ CVTには大きなエネルギーを使う場所(損失)があるのに、総合的にみると燃費が良いのは面白い。低いエンジン回転数を維持すると、摩擦損失やポンピングロスを大幅に低減できるのだろう。ただ、高速度(高負荷)域が主体になると燃費がどうなるのか分からない。

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