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ステアリングホイール センター付近の感触
ファミリア(BF5P)で運転の基本を学んでいた頃、街の遊撃手として人気が高まっていたFFジェミニ(JT150)に試乗して、そのステアリングホイールの動きに違和感を覚えた。 自動車を運転している間の大部分は直進である。また、特に操作を意識しないときには、できるだけまっすぐに走って欲しいと思うものである。 そんなこともあり、JT150のステアリングの設定は運転手に楽をさせようと思って作られたのかもしれない。しかし、ステアリングホイールから手を放すと、勝手にセンターにばね仕掛けで戻ってしまうような感触に戸惑ったのである。 それはまるでゲームセンターのテレビゲームのハンドルのような動きなのであった。 本来はキャスターの作用によって、ステアリングホイールは勝手にセンターに戻ろうとするものであるが、あのばね仕掛けの感触の裏に、いったい何が働いていたのだろう。 パワーアシスト付きのステアリングを備える前輪駆動車の経験がマツダ車(教習者と自家用車)のみであった私にとって、JT150の試乗は、マツダ以外の製造者のパワステ付きFF車のフィーリングを初めて知った瞬間なのであった。 それ以降、いろいろなクルマに乗ってきたが、ばね仕掛けのフィーリングでステアリングホイールがセンターに戻ろうとするクルマは、何か忘れたが、一車種だけ存在したことは記憶している。 - - - - - - - BF5Pに始まり、続いてパワーアシストのないステアリングを持つ後輪駆動車であるスターレット(KP61)、カプチーノ(EA11R)に乗ってきて、それらのフィーリングが私の中で標準的なステアフィーリングとして認識されてきたのである。 その基準に照らして、試乗時に違和感を持ったクルマに関する記録を残しているのだが、メディアの試乗記でそのような話題をあまり見かけることがないので、不思議だなという思いを抱いていた。 そんな中、國政久郎氏が明瞭に述べていることが判った。また、本題とは関係ないが、國政氏はちょっと踏んだだけでドンと利くブレーキ(ペダルフィーリング)にも異を唱えており、私の認識と通じるのである。
國政氏以外でも、同じような認識を持っている人がいるようだ。
高林秀亘氏のweblog https://www.heeday.com/car/power-steering/
渡辺敏史記者のWebCG試乗記 http://www.webcg.net/articles/-/36100?page=3
変なフィーリングであっても、それに慣れてしまったなら、それが当たり前になってしまうのかもしれないが、世の中のクルマが皆そんな感触になってしまったら、嫌だなと思う。 だが、違和感の強かったMercedesは、フィーリングを改善してきた。Cクラスのステアリングセンターの固着感は、その派生のGLCで解消していたのである。 変な設計が当たり前にならないことを望む。 MARCH 2017 |
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