------------------------------

プロの指摘が理解されない世の中

なかなか面白い記事を見つけた。

バスのブレーキ鳴きが気になるという話だ。

普通、ブレーキの鳴きというのものは、耳に不愉快なだけであり、ペダルや車体に振動が伝わってくることはない。

車体が震えるというのなら、「鳴き」ではなく「ジャダー」であろう。

ジャダーが出るブレーキを経験したことはないが、クラッチがジャダーを起こしたことはある。

クラッチと同じような振動がブレーキング時に発生するのなら、ちょっと耐え難いものがあると思う。

交通局が言うように、絶対的な性能としては、ジャダーが起きていようともタイヤがロックするまでの制動力を発生させることは可能だろう。しかし、全制動ができれば、安全なのか・・・・・立っている乗客がいれば、いや、座っている人も拘束されていないから、全制動なんてできない。したがって、話が噛み合うことはない。

車体が震えるようなジャダーが起きるブレーキを乗客の前で披露するのは運転手としては嫌なものであろう。

自分が管理している車両の中に人が立っていて、そんな状態なのに一般の交通の中で普通に振る舞わねばならないのだ。それはとても神経を使う仕事であるはずだ。

全制動の0〜30%ぐらいの間で滑らかに制動力が推移する制動装置を備えていないバスに対して改善を求めるのはプロとして普通のことだと思う。いったいどこまで整備ができているのか。

話が通じない人は世の中に多く存在するようである。

京都新聞ニュース

バスのブレーキ異音は「危険」、運転手が提訴 京都市バス

 京都市バスで数年前から、ブレーキ時に異音や振動が発生する「ブレーキ鳴き」が起こる車両があり、通常のブレーキ操作ができず事故の危険性が高いとして、市交通局烏丸営業所(北区)の運転手が13日までに、該当車両を運転させないことなどを市に求め、京都地裁に提訴した。

 訴状などによると、原告は昨年6月4日、乗客を乗せてバスを運行中、下京区烏丸通塩小路で信号が赤になり、停止線を目指してブレーキを踏んだが車両全体に振動を伴う異音が発生。異音をおさめようと、ペダルを戻して再び踏む動作を2回行ったため、停車までの距離が長くなり、交差点に進入した。

 原告はその後も北区などで計3回、別のバスでブレーキ鳴きを経験し、横断歩道に進入したり、追突しかけた。事故は起きていないが、「異音がするのにペダルを踏み続けるのは不安だ。急ブレーキが必要な場合、事故を起こす可能性が高い」と主張する。

 烏丸営業所のバス88台のうち、2002〜04年式の特定の車種15台でブレーキ鳴きがあり、交通局は原因究明のため該当車両をメーカーに出すなど対応したが、解消していないという。

 原告側が証拠提出予定の交通局の書類には、原告と営業所長らの面談時、他の運転手も「ブレーキ鳴きを何回か経験しており、(原告と)同様の操作で対処している。前兆がなく起こるので怖い」と証言している。

 市交通局自動車部は「市の主張は訴訟で明らかにしたい」とした上で、「今運行している車両は安全というのが前提だ」と説明した。ブレーキ鳴きの有無は「コメントできない」という。

 日本バス協会技術安全部は「一般的にブレーキ鳴きは、ブレーキの基本的性能には影響しない。ただ異音は乗客を不安にさせるので、異音をおさめるための操作が必要なケースはあり得る」としている。

【2016年09月14日 08時15分】 

 

戻る

 

 

 

 

inserted by FC2 system