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ブローオフバルブ
ターボチャージャが付いたエンジンには、保護のための部品がいろいろ付いている。 過給圧の上限を定めるための排気バイパスや、スロットル全閉時にコンプレッサを急停止させないためのブローオフバルブである。 いまどきの車両において排気バイパスはECUの管理下にあるが、ブローオフバルブは単純なバネ圧と空気圧の関係で成り立っているようなので、硬いバネを持つ部品に交換してやるという簡単なDIYが流行した時期があった。もちろん、そんなことに興味を抱くのは、手動式トランスミッションを備える車両を所有する人である。 最近はLEVORGでもブローオフバルブを交換する人がいるという。トランスミッションがCVTのみであるLEVORGで(?)、という何とも変な感じがするが、果たして効果はあるのだろうか。 - - - - - トランスミッションが手動式の車両であれば、変速のたびにスロットルバルブを閉じるため、そのときに発生する過給した空気の逃げ道を用意しておかねばならない。 自動変速のトランスミッションを備える車両であっても、急にスロットル全閉ということはあるので、いちおうブローオフバルブは付いているのだろう。
通常、ブローオフバルブというものは、最大過給圧が掛かっているときに開くことはない(せっかくのパワーの元を逃がしたらもったいない!)。最大過給圧を制限するのは、排気バイパスであり、スロットルバルブが急に閉じられて高圧の空気が行き場を失ったときにだけブローオフバルブは開くのである。 したがって、CVTを備える車両において、ブローオフバルブが加速中に何らかの影響を及ぼすということは考えにくいのだ。
ところが、ブローオフバルブを交換すると、加速側に良いフィーリングを生みだすという人がいるので、興味を持った。 純正加工品が人気のあるCoto-Sportsのページを見てみると、次のような説明があった。これを見ると、何が何だか分からなくなってしまう。
http://www.coto-sports.com/blowoffvalve.html LEVORGの最大過給圧は2.0ターボで140kPa、1.6ターボで100kPaぐらいである。それなのに、0.6kPaでブローオフバルブがリリーフするという話は、理解不能である。
まあともかく、吸気側で過給圧制限をしているような内容なので、その設定を変更してやれば変化はあるのだろうと思われる。 昔のインプレッサ(GC8)で、低回転低負荷のときに排気バイパスが開いているという説明を読んで、理解できなかったが、SUBARUは今でも普通の整備士が理解できないことをやるようである。 ↑普通の車両は、最大過給圧になるまで排気バイパスは閉じたままである。私は、GC8の過給開始の唐突な動き(ドッカンターボ)は、これが原因だったと思っている。 BL/BPレガシィの過給応答が遅いのも、何か変な制御がなされているのが原因なのかもしれない。 APRIL 2017 |
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