新宿のホテルといって最初に思い浮かべるのは、京王プラザホテルである。

子供の頃に超高層ホテルということで有名になったので、一度だけ泊まったのだ。ホテルの様子はあまり覚えていないのだが、向かいのビルの窓がミラーのようで美しかったということだけは鮮明に記憶している。

2番目に出てくるのは、ヒルトン東京である。

10年ほど前に東京を去る際、寝る場所を確保することだけが目的で普通にツインの部屋を予約していたのだが、何がどうなったのか、とっても広い部屋に通された。

バスルームが２つあり、トイレは独立で２つあり、ベッドルームがあり、和室があり、応接エリアには立派な音響装置があり、「どのように過ごせばいいのか？」と迷ってしまうぐらいの部屋であった。

引越業者が荷出しに手間取り、チェックイン時刻が遅くなったのが幸いしたのか。。。

最近、東京での仕事のために泊まる場合は都庁の近くの安いホテルにしている。

だいたいは「お得プラン」というようなシングルで六千数百円の安い部屋なのだが、そんなに悪くない（狭くない、汚くない）ので他を当たることがないのである。

そして先日、そのホテルに予約しようとサイトをチェックしていたところ、21時以降 のチェックインで4700円という「超お得プラン」というのがあったので、 一度試してみた。

予定どおり21時過ぎに到着し、チェックインしてルームナンバーを探すと、部屋は廊下の突き当たりにあった。部屋に入ってみて驚いた。「このホテルにこんな部屋があったのか」と思うぐらい狭いのだ（部屋の情報は何も記載されていなかったので、知る術がなかった）。

クローゼットがない（壁に突き出ている棒にハンガーを掛ける）、バスタブが狭い（身動きが取れない）、テレビはきれいに映らない（画面が途切れる）、テーブルでパソコンを開いたら椅子とベッドの隙間がない、など、とにかく狭苦しい部屋であり、「21時以降のチェックイン」というだけではない条件設定がなされていたのだ。 これでは蒲田の安ホテルよりもひどい。

寝るだけだからいいじゃん、と安易に思って選んだけれど、これはいただけない。次からは六千数百円出して普通のお得プランに戻そう。

新宿で4700円というのはあまりに安くて「何かあるのでは」と薄々思っていたが、やはり世の中は甘くないものだと身に染みた。

DECEMBER 2011