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OEMの製品について

オカンの原動機付き草履を新調するに当たって、いろいろな軽自動車を見てきた。

軽自動車は利幅が小さいせいか、自社生産のモデルが減少(マツダ、富士重が撤退)し、
OEM(original equipment manufacturing)が増えた。消費者にとっては本質的なバリエーションが少なくなるというデメリットが生ずるが、それでも、各製造者がシェアを高めるべく車種を増やしてくるので、選択肢が少なくて困るという状況ではない。

MOVE(L150S)の次に乗るモデルは、やはり全高1.6m級の中庸なタイプに目が向き、MOVEを中心に、そのライバルを検討することになった。

OEM製品というものは、外観が僅かに異なるだけであり、本質は同じものであると思っていたので、検討するのは一方だけで良いという認識であった。しかし、実態はそんなに単純なものではなかった。


ダイハツMOVE/スバルSTELLA

LA100S/Fの前期モデルにおいて、ノーマルタイプのMOVEのサスペンションにはスタビライザーが備わらなかった(カスタムには装着されていた)が、ノーマルタイプのSTELLAにはスタビライザーが備わっていた。
また、MOVEの廉価版には装着されないシートリフターとチルトステアリングがSTELLAには標準装備であった。富士重の技術者は「走り」のために重要なポイントを軽視できなかったのだろう。このこだわりはなかなか面白い。
ところが、LA150S/Fになると、MOVEとSTELLAに差はなくなった。廉価版にはシートリフターとチルトステアリングは備わらないが、富士重でも「イニシャル設定で運転姿勢に問題がないならそれでいい」ということになったのか。

スズキWagonR/マツダFLAIR(AZ-Wagon)


マツダはスズキと手を組んで久しい。
AZ-●●という名に親しみを持っていたが、オートザムの専売ではなくなったことから、改名したようだ。
WagonRとFLAIR(AZ-Wagon)の差異はフロントグリルとバンパーの微妙な形状だけのようだ。
「WagonRより安くしますよ」という話がマツダの店でよく聞かれた。販売時に利益が出なくても、アフターサービスで儲かればいいという考えなのだろう。
マツダは軽にあまりこだわりを持っていないようだ。

三菱eK Wagon/日産DAYZ


eKとDAYZの関係はOEMと呼ばないのかもしれないが、ハードの部分は三菱自工のものであり、日産の技術は殆ど入っていないはずだ(アラウンドビューモニター/マルチアラウンドモニターぐらいか・・・あっ、これはハードというよりソフトかな)。
eKとDAYZでは各グレードにおける装備内容の組み合わせが異なっているのが面白く、購入する際に販社を問わないのなら、装備品を選んでいく楽しみがある。例えば、ノーマルタイプで革巻きステアリングホイールが選べるのはeKだけである。
また、eKではノーマルタイプでもブラック内装(カスタム仕様)を選ぶことができる。
さらに、三菱の10年10万km保証は、eKにも適用される。


オカンの原動機付き草履の最終決断の日、老母の気持ちは「ダイハツでMOVEを買う」であったが、ダイハツの店舗の手前にあるスバルの店舗に念のため立ち寄ったところ、販売員の好感度の高さと支払額の低さに気持ちが揺れ、STELLAを買うことになった。

不要になったSTELLAとMOVEのカタログを処分する前に見比べてみると、ノーマルタイプのフロントバンパーの造形が大きく異なることに気が付いた(いまごろ・・・)。
STELLAはフロントフェンダーのデザインがバンパーまで流れてくるようにデザインされており、カスタムと同じような考え方になっている。
ノーマルタイプとカスタムの意匠を別物にするか類似性を持たせるか、ちょっとしたことだが、富士重のデザイナーも意見を出したのだろうか。
私も老母もそんなことはどうでもいいのだが、微妙な差を気にする人もいるのだろう。

OEMで開発費が抑えられ、クルマを安く買うことができているのなら良いのだが。

ClO2

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