で日本市場にフィエスタが投入された。
外装デザインはフォーカスに似ており、弟分という感じがするが、内装はフォーカスとはまったく別の趣で、このクラスのヨーロッパ車らしく簡素な作りである。後席側の窓の開閉は、例によって手回し式となる。日本仕様だけでもパワーウィンドーにすればいいと思うのであるが、コストを割けないのだろうか。また、タコメーターにはダンピングの悪い指針を使っているようで、エンジンの動きとうまく合致しないのも安物臭い雰囲気を出してしまっている。
エンジンはフォーカスと同じものを使っている。フォーカスの1.6L車は意外に活発に走ったので、そのエンジンを少しだけ車両重量が軽いフィエスタに積めばなお良く走るだろうと乗る前から想像できた。
実際に乗ってみると、やはりキビキビと走ってくれた。フィエスタは、スロットルペダルの踏み込みが比較的浅い状態でもシフトポイントを高めに設定しているようで、ストロークの半分ほど踏んだときには4000rpmぐらいまで引っ張ってシフトアップする。そういうセッティングのおかげで活発に感じられたのだろう。
走行中の騒音は、エンジン回転があまり高くない状態であっても大きいと感じられた。タイヤや風切りの音よりもエンジンノイズが耳につくのである。TOPギアで80km/hで走るときのエンジン回転数は2200rpmぐらいであったが、3rd ギアに入っているのか確かめてしまうほどの音量であった。
ハンドリングはとても骨太な印象を受けた。ボディや脚がしっかりしており、大きいクラスのクルマを動かしているような感触があった。
乗り心地も軽々しさを感じさせず、立派なものであった。
ブレーキフィーリングも良好で、ペダルタッチや制動力の高まり具合は人間の感覚に合致していた。また、左足ブレーキングに適当なレイアウトであった。ただし、